とりあえず履いておけば良い、という靴、一家に一足必要では?
Rolis Rosenmüller Novalis Gelände(ロリスローゼンミュラー ノヴァーリス・ゲレンデ)!!
instagramを中心に、知っている方は知っている、知らない方は「なんだそれ!?」なブランド、ロリスローゼンミュラー。
ブランド(や周りの背景)については詳しくはこちらを。
もでぃふぁいど はノヴァーリス・ゲレンデというモデルをゲットしました。
ノヴァーリス・ゲレンデは、ブラウンのシボ革プレーントゥギブソンです。
購入時のレビューはこちらをどうぞ!
今回は1年間、実際に履いてみてのレビューをば!!
履き心地、歩き心地良し!
快適なフィッティング!!
ここは購入時のレビューとあまり変わらず、1年経っても安定感のある履き心地です!
安定感というのは、足のむくみなどの状態にかかわらず「いつでも良いフィッティングを味わえる」という意味も多分に含みます。
ノヴァーリス・ゲレンデは、東欧靴的な「足の後半部分=履き口やカカト」でフィットさせる設計です。そのため、1日を通しての足のむくみや日毎の足の状態にかかわらず、安心して足を通すことができます。これはありがたい限りで!!
人間、しょっぱい味噌煮込みうどんを食べれば足が翌日むくみ、ビールを浴びるように飲めばやっぱり足はむくみます。足のコンディション、というか大きさって結構変わるんですよ。
いつでも履けるという安心感は良いものです。
個人的に「タイトなウエストンで旅に出て、深酒した結果、翌日足がパツパツでロクに歩けず現地でサンダルを買った」という経験があるので、これって旅に出る靴の素質としてとっっっっても大事なことです!!!
タイトなフィッティングにハマると「日によって履けない靴」というのが出てきます。
「今日これ履きたいけど、足入れてみた感じコレ今日はヤバい!」と靴棚にそっと戻す……
そんな靴が多いな?という方には、いつでも履ける靴、ゼッタイにオススメです!!!
歩き心地、安定感やグリップ◎!!
かなりズッシリなD.D.D.Sのオリジナルラバーソール。
公式にも案内がある通り、このソールや作りもあってかなり重めの靴に仕上がっています。その重さ、片足で739.5g!!(風袋引きで)
たしかにこの靴を脱いでローファーとか履くと、めちゃめちゃ軽く感じます。笑
え?定量的な数字を出せって?そんな仕事じゃないんだk……
ウエストン180で442.5gでした。ノヴァーリスは実に1.67倍の重さです。これは重い。たしかに重い。
「この俺もついに本気を出さねばならぬようだな……」とか言いつつ脱いだらスピードが上がるやつ。
ただし、靴の重さは一概に軽い/重いほうが良いと断じられる要素ではありません。
重いほうが足の振り子運動で足運びが楽、と言われることもあれば、やっぱり軽いほうが疲れにくいなんて言われることもあります。
ようするに好みや歩行距離の長さ、個人の筋肉のつきかた次第なのでは?という気もするのですが、ノヴァーリス・ゲレンデに関しては個人的にそこまで気になる重さではありません。この重さでやたら疲れる、という感覚がないからです。
当初長く履くと若干腰に来る感覚もありましたが1年経ったらすっかり解消していました。
また、この重さが安定感に繋がっているとも感じます。
だいたい軽い靴が履きたい気分のときは、軽い靴を履けば良いんですよ!!!どうせ持ってるでしょ!!!
また、D.D.D.Sラバーソールですが、1年履いて滑りはあまり気になりません。レザーソールだと滑るようなツルツルタイルでもそこそこグリップしました。
他社で例を挙げてしまえば、パラブーツ並のグリップはまずあります。パラブーツの自社生産こだわりラバーソールに匹敵する性能……!!
助かる……!!
サイズの変化はあまり気にしなくて良さそう!
100本以上の杭でソールを固定しているという、ブロンベルグ製法。
1年そこそこに履き込みましたが沈み込みがデカいということはなさそうです。もちろん全くないわけではない(公式にも杭が重みで圧縮されるとある)のですが、サイズをキツめで選ぶ必要はないと思います。
もともと大きめの作りなので数字上はふだんより小さいサイズを買うことになりますが、公式のサイズガイドに素直に従えばOKかなと。
さいきん、いろんな革靴でUK7.5くらいが楽で良いのよね、と思うもでぃふぁいど ですが、こちらは6.5を選んでよかったと断言できます。
サイズに不安があれば、担当……というか代表の風見さんが親身に相談に乗ってくれるので問い合わせてみましょう。
ベルンシュタインフィニッシュ、信頼に値しすぎる!!
アッパーレザーの仕上げ工程で琥珀ニスを含むバインダーを塗り、雨水や汚れから革を保護するベルンシュタインフィニッシュ。
細かいことは抜きにして雨の中、歩いてきました。
アッッッッこれすごいやつ!!!
ガラスレザーか?というぐらい、水が染み込みません!!
この写真、コットンチノ履いてますが、写真を撮った頃にはそこそこべしょべしょです。笑
なのにノヴァーリスには水がしみません。エライ!エラすぎるぞ、ノヴァーリス・ゲレンデ!!
100足履いてきてもこのレベルの耐水性を持つ靴は、ポリッシュドバインダーのシャノンくらいでしょうか。でもこの仕上げなら割れなさそうですし、クラックの懸念が少ないのは良いことです。
雨に強いと言えばのクロムエクセル等のオイルドレザーですが、お持ちの方はご存知の通り、結局水は染み込むんですよね。上の写真を撮ったくらいの頃(そこそこ強い雨で徒歩10分)にはマダラ模様になっているのが常です。(そのあとの変質が少なく、大してケアが要らないという意味ではタフですし信頼できる革ですよね。)
しかしこのノヴァーリスは、まず水が染み込む様子が見受けられません。1年間、大雨の日も、蛍狩りのぬかるんだ道も、灼熱のスペイン村も履いてきましたが、ついぞ水が染み込んでレザーの色が濃くなる、みたいなことはありませんでした。
そもそも既存の靴では対応できない大雨や大雪にも履いていける、という文脈で採用されているベルンシュタインフィニッシュですが、その実力はホンモノと言えるでしょう!!!
ソールも分厚いので水たまりも怖くない!!やはり一家に一足、ロリスローゼンミュラー!!
……が、まぁ課題もまったくないわけではなく、初めて雨の日に履いて行ったらコバ周りは水玉ができました。笑
コバは耐水性のあるコバインキやらワックスやら、色々試してみようと思います。まずはステインをリムーブするところからか?
1年後追記:上記のコバの水玉、最初だけで以後起こらなくなりました。水玉になるような成分はあらかた流れた?
シューレースはベルルッティ結び+α推奨!
これまたこだわりのパーツの一つである、D.D.D.Sのシューレース”THE SHOE TIE”。
レースホールを痛めない柔らかさと、切れてはならぬという強さを兼ね備え、意匠面でもこだわった……というソレ。
たしかに柔らかいです。レースホールへの負荷は少なそう。それでいて今のところ毛羽立ちもなく、見た目はバッチリ好みです。
が、ちょっと取り扱いにコツが要ります。
シューレース自体が柔らかく、金属のセルもついているので、普通に結んだだけでは歩いているうちにブルンブルンと揺れ、結び目が緩み、最後には解けてしまうのです……!!そりゃ蝶結びの端っこ引っ張れば解けますがな。
で、これを克服するコツは2つあります。
- ベルルッティ結び
- 金ゼルは結び目の近くに寄せる
の2つです。
1つ目はベルルッティ結びをしてしまうこと。単純に解けにくくなります。急ぎのときは面倒ですけど!!(ベルルッティ結びは記事にしたいと思いつつ、もでぃふぁいど には説明できる気がしません。ググってください!笑)
2つ目は、写真のように結び目のループをデカくして、金ゼルをできる限り結び目の近くに寄せること。
ループがデカくない方が個人的には好きなのですが、金ゼル側を長くしておくとブルンブルンするし、その遠心力で引っ張られて結び目が解けます。逆に結び目に寄せておけばブルンブルンしないので、結び目は安泰です。
さのはた靴紐などは、ロウでガッチガチなのでセルがついててもブルンブルンせず、この問題が起きにくかったと思います。なのでこれは固有の課題かなぁ。
まぁ、比較的、羽根が閉じ目で履いているからの問題であって、気にならない方は気にならないはず。というか、紐を短くしろ、ということかもしれません。笑
とはいえ、工夫でなんとかなるので個人的には良し。また、上記2つさえちゃんとやれば、解けやすいということはありませんでした。(もっと解けやすい靴紐はあります。古いウエストンの紐とか。)
金ゼルだと時計やメガネも金フレームか!?となったりするので、個人的には透明プラセルのものも展開してくれる日を楽しみにしています!(銀セルも需要ありそう!)
追記:紐については解決!
1年経過後追記:紐の緩みはまったく気にならなくなりました。紐の表面も削れ、こなれることで摩擦が増すようです。2-3ヶ月もちゃんと履けば、特に意識しなくても解けにくくなります。
エイジングはまだまだこれから!
ノヴァーリスはこれから数十年履き込むことを想定された靴ということで、エイジングはまだまだこれから。1ヶ月ちょっと履いたくらいでは変化はほとんど見えません。笑
これが現在。
これが1ヶ月前。
9割9分9厘変わりません。笑
シワが若干深くクセがついた?角度の問題のような……。
これもノヴァーリス・ゲレンデのタフさゆえ。この1ヶ月、ケアは着用毎のブラッシングと防カビを意図して軽く1回レザーキュアを塗ったくらいです。
ワックスとか入れればパッと見は大きく変わると思うのですが、とりあえずナチュラルに育てていこうと思います。バインダー系って厚化粧すると雨で化粧が崩れて見た目が損なわれるので、結局機能を損ねる気がしています……。
チャーチのシャノンにクリーム塗りまくっていたところ、雨に当たると結局まだら模様になってしまうので懲りました。結局ステインリムーバー→クリーム塗り直し、という目に遭います。以来バインダー系はナチュラルメイク派です。
追記:1年エイジング!ん?増えた……??
1年経ってみて、改めてノヴァーリス・ゲレンデを撮ってみました!
下の1年前の写真と比べると、シワが深くなって表情が豊かになってきましたね!
シューツリーを抜くと、この通り。より表情がわかりやすく、そして柔らかくなりました。硬さもとれてリラックス、そんな感じです。いやぁ〜撮ってみたら我が靴ながら良い感じです!
それよりさっきから黒い方が増えてますね?
1年履いて、もう1足増えている。これがこのレビューの全てです。
最高だったからもう1足増えたんだよ!!!しょうがないでしょ!!!(妻と目を合わせないようにしつつ
総評!ロリスローゼンミュラーは一家に一足(以上!?)、間違いなし!!
というわけで、ロリスローゼンミュラーのノヴァーリス・ゲレンデを1年着用してきてのレビューでした。
総評として、コンセプトの1つである「あらゆる時に、あらゆる場所で」はかなり高レベルで実現されていると感じる1足です。えらそうに言ってますが、今のところお世話になりっぱなし。頭が上がりません。
また、これまたコンセプトの「あらゆるカジュアル服に合わせて」という言葉の通り、合わせる服装を選ばないのも良いところです。
履き心地もデザインも好きなのに、合わせづらいばかりに出番が少ない靴、というのも手持ちにあるので……。
一方で、タフさゆえにエイジングはかなり時間をかけて見ていく感じになりそうです。1年そこそこ履いてきましたが、ぜんぜんヘタるような気配が感じられません。ウン十年履くことを見越して作られているのだから、そりゃそうだ、と思っています。
なんにせよ、とりあえず履いておけば良いという靴があると精神的に楽です。今日は何を合わせようかな?とか考えずに服を着て、天気予報も気にせず、とりあえず履いていけば良いので心の余裕が違います。
この記事を読んでいただいている際のロリスの価格はわかりませんが、少なく見積もってもEGやロブくらいの価格でもおかしくない1足と心の底から思います。
そんなわけで、一家に一足(以上!?)、ロリス・ローゼンミュラーは100足以上革靴を履いてきたマニアも絶賛の1足です!!
だって、カジュアルユースでこの靴の右に出るものは今のところいないから。
ブーツも出ないかな〜などと思いを馳せつつ、歩みを進めていきたいと思います!
や、短靴の宿命で、履き口から雨水が染みるのだけは如何ともかしがたいので、ブーツがあればなと……もともと着想元のロリスブーツはそのままブーツだったわけですし……ん?これブーツくる!?いつかブーツくる!?
追記:今のところは予定なし、すみませんと、わざわざご連絡いただいてしまいました。こちらこそ勝手なことばかりですみません!!
購入は公式サイトからのみ可能ですので以下へどうぞ!
(https://rolis-rosenmuller.com)
製作・輸入代行とありますが、関税その他の手数料が載ったりはしない明朗会計なのでご安心を!
追記:ノヴァーリスが良すぎたのでギレス・ゲレンデも増えました。
今日のモディファイ!
ブーツが出ないなら黒い方(ギレス)も買えば良いじゃない!
(1年後に追記:結果的に増えました。はい。)
お疲れ様です!見れば見る程欲しくなる記事を書きますねぇ~!!??ンギギ…オカネ、ナイ(遠い目)。
記事の内容に関係ないお悩み相談的な内容で恐縮なのですが、ずっと前からシボ革のワイルドな革靴が欲しいなぁと考えていたのですが、これだ!と思うものがなく、あっても高ァい!となってしまい…オーダーした方が早いんじゃないかと考えているのですが、オススメのブランドや工房に心当たりありませんか?ぜひもでぃふぁいどさんのご意見聞きたくて…。
簡単に言えばEGのドーヴァータイプのスキンステッチUチップを、ゴリゴリのワイルドシボ革(orカンサビルなど野性味溢れる革)で、ダブルソールのリッジウェイで作りたいのですが…オーダーできるお店が沢山あって、どこに頼めばいいやら…。
15万円前後で上記の条件を満たせるオーダーが可能なところってありますかね?というかもう、価格抜きにしてもでぃふぁいどさんのオススメを聞きたいです!!お金は頑張って貯めればいいのですから!!!
年末のお忙しい時にすみません…お時間ある時にご教示いただけますと嬉しいです!
服の細道様
コメントありがとうございます!
ご相談もとい靴談義はどしどし募集中です!!
さて、シボ革リッジウェイのスキンステッチUチップですね!!どこでも履いていけそうでステキです!!
天候問わずどこにでも履いていけるということは、数足分の価値があると言うことで、ここは奮発しましょう(悪魔の囁き)
LIGHTBULBのアンバサダーとしてはLIGHTBULBをおすすめしたいところですが、LIGHTBULBには今のところスキンステッチUチップないので……(ビスポークならできますが!)
案1)REGAL TOKYO9分仕立て
リーガルのフラッグシップであるREGAL TOKYOの9分仕立てラインでスキンステッチUチップをハンドソーンで作ってもらえます。
名門リーガルの看板背負った専属のビスポーク職人さんの作なのでクオリティは言わずもがなです。
ここは靴の履き心地はもちろん、とにかく作りも丁寧ですし、店員さんも本当に靴が好きで、高級靴ブランド以上の接客だと感じます。銀座にしかないですが、とても良いお店なので機会あれば、全靴好きに立ち寄ってみていただきたいと思ってます。
カンサビル的革があるかは相談になりそうですが……。
アメトラもお好きなようなので、リーガルでガチなスキンステッチを作ってしまうのも一興かと思いました!
15万+スキンステッチオプション+シューツリーお好みで、といった価格感だったかと思います。(最近は他が高くなってきたので相対的にお得な気がしています)
最近instagramのアカウントにもUチップの写真が上がっていたのでよろしければご覧になってみてください。
案2)EGのDover
ひとつ気になるのが、スキンステッチUチップ欲はドーバーを入手しないと収まらないのでは?と言う点です。似た靴はたくさんありますが、「やっぱドーバーだよなぁ」と感じてしまうことは個人的に多々ありますので……。
そしたら2足目以降にドーバー行くよりも、最初からドーバーもアリかと。ご所望のモデルがあるかは運次第、かつ価格的にはかなりしんどいですけど……。
(ドーバー1足買ったら2足目も欲しくなるのはあるあるですが、責任は取りません!)
その他、スキンステッチの技術がすごいのはSantariさんという話も聞きます。価格感的にはJOEWORKSなんかも視野に入ってくるかと。(両方履いたことがなくすみません……)
あとはいっそ、セミビスポーク的MTMとか……kiyo udaさん(当時の価格)なんかはドーバーと遜色ない価格で作れてしまったり……
革的にもデザイン的にも履き心地的にも理想の1足が作れると思います!
ご参考になれば幸いです!