歩くためじゃない靴ってのも、あるのかもしれません。
100日後に履かれるオールデン!
いよいよこの企画も10日を切りました!履き下ろしまであとちょっと!というか…あと?
1週間!?!?現実味がわきません。
そして、ここまで毎日更新してきたんだから最後までそうなんでしょ?って皆さん当然のことと思われてるかもしれませんが、更新者は息も絶え絶え……!!なんでこんなことやってるんだ俺!!
もしこれを読んでいる方で、「履き下ろしたいんだけどなかなかタイミングがなぁ」という靴をお持ちの方がいたら、ご一緒にいかがでしょう!
多分こんな企画は二度とやらないので(笑)最初で最後のチャンス!!
これを言うのも泣いても笑ってもあとちょっと!今日もとばしていきますよ!
待ってろ世界!待ってろオールデン!
オールデン=歩くためのギア!
オールデンと言えば、「歩くためのギア」。
ラコタハウスの血脇社長も語られていますね。
(本国のサイトではそんなふうに書いてあるの見たことないですが……)
https://www.houyhnhnm.jp/archives/feature/2010/01/vol14-aldenalden.html
いや、歩くためじゃない靴ってあるの?だいたいの靴は歩くために存在するのではないの??
と思っていたのですが、紳士靴の世界は意外とそうでもないのかな、と最近改めて思っています。
歩くためではない靴もある!
そもそも紳士靴の源流たるイギリス靴の歴史を辿れば、フォーマルな靴って基本歩くためではなく、祭礼やらパーティやらで自らをスマートに見せるために作られています。
ちよっとフォーマルとは違いますが、宮廷の中で履く用途のアルバートスリッパなんかは明らかに歩くための靴ではありません。室内で履いてたらめっっっっちゃオシャレですけど!!
もちろん靴なんで歩けるのですが、10kmとか歩くのは厳しそうです。
一方で歩くための靴としては、カントリーサイドに出かけるときのための靴……カントリーブーツや、時代が降って軍用のミリタリーブーツなどがあります。英国靴において、歩くための靴とは、トリッカーズやエドワードグリーンのブーツ類などのイメージなのでしょう。そしてGalwayマジカッコいい。
とはいえこれは源流を辿れば、という話であって、現在のフォーマル目な靴を作るメーカーでも歩きやすさ、履き心地にはだいぶこだわっている、というのは皆さん周知の通りです。現に、もでぃふぁいどが作ってもらったセミブローグも、凄まじく美しいフォルムなのに、とんでもなく歩きやすい1足になっています。
その点、オールデンは既製靴ブランドの中でも特に歩きやすさにこだわっています。履いていても実際にそう感じます。
オールデンだって、もちろん10kmとか歩けばしっかり疲れますが、靴が原因の余計な疲れはゼロです。キツい靴だと、+αで疲れる感じがあるんですよね。
それにしても不思議なのは、モディファイドラストに限らずバリーでもアバディーンでも、他のブランドの靴より疲れにくい気がするところです。
アーチのサポートが疲れにくさのカギというならわかるのですが……。カギとなるのは、
- アッパーとソールの柔らかさ=適度な返り
- ソールの微妙な厚さ
- ボールジョイントでの固定を重視しすぎない
あたりなのかもしれませんね。アンラインドのローファーは他より疲れる感じがあるので、柔らかすぎるのと考えものなのかなと。
歩くための、「ギア」
これは以前にも触れましたが、英国靴やイタリアの靴の究極のフィッティングはビスポークやスミズーラによって得るものが理想です。つまり、自分の足に合わせた木型を削ってもらって作る靴が至上であると。
多くの靴ブランドのコピーで「まるでビスポークのような」と謳われているのがその証左です。ビスポーク>既製靴であるというのは無意識にありますよね。
「靴下のような」「第二の皮膚」「吸い付くような」……こういうコピーもビスポークに倣ったものでしょう。足と靴が一体となるような、まるで自分の体の一部であるかのような靴が素晴らしいと。
が、オールデンは別に、自分はビスポークに劣っているとかは考えてなさそうです。
持ち主の足に靴下のようにフィットするのではなく、一部だけでもがっちりホールドしてあれば良い。歩きやすければ良い。
人種の坩堝であるアメリカでは、足の形もさまざまなので多くの人が履ける既製靴を作ろうとすると、自然とこういう志向にならざるを得ないのかもしれません。
オールデンは人の体の一部になりたいわけではない、それを表す言葉が「ギア」なんだろうなと。
雪の積もった斜面ではスキー板というギアを、海に潜るならフィンというギアを、歩くためにはオールデンというギアを。
ギアとは用途に合わせて装着、装備するものです。
スニーカーよりオールデン!
だいたい現代においてはスニーカーという走るためのギアもあったりするのですが、もでぃふぁいどはオールデン派……というか革靴派です。
スニーカーは布やスエードのものが多く、着用を重ねると革靴より汚れるの早くないですか?
表革のスニーカーもなくはないですが、ソールが白いことも多く、やはりケアは必須。
その点、表革の革靴って、ブラシかければ砂埃なんかはパッとキレイになりますからね。子供と公園行くときは、革靴に限りますよ。周りでそんな人見たことないですけど。
この話、歩くためのギアと関係あったか??
いずれにせよ、オールデンと付き合っていくにあたっては
- 特に歩くには最適な靴である
- ビスポークとは目指すフィッティングが違う
あたりを頭の片隅に置いておくと、幸せに履いていけそうな気がします。
というわけで、靴道を往く中でビスポークまで辿り着いたとしてもオールデンとは両立する、ということで、うん、まぁこれはしょうがないですよね。靴棚の中身はこうして増えていく。
今日のモディファイ!
そういや9km歩く記事もありましたね。よろしければどうぞ!