こればかりは良い買い物をした、と胸を張れるもでぃふぁいど です。
今日は仕事用の雨靴、革靴を探している方に向けて。
当サイトにおける最強の雨靴、と言えばSANDERSのチェルシーであることは間違いありません。
しかし、もでぃふぁいど が最も愛している雨靴と言えば、このchurch’sのシャノンです。
Church’s(チャーチ)とは!
一言で言えば、質実剛健、これにつきます。
チャーチもドレッシーな靴はしっかりドレッシーなのですが、「頑丈であること」これがまず前提に成り立っている印象です。
「実用」靴としてはNo.1です。
例えば、ソール。
高級靴であれば、よりドレッシーにするため、出し縫いの糸を隠す伏せ縫い(ヒドゥンチャネル)という技法で仕上げられることが多いです。
こんな感じで底に縫い目が見えません。あらかじめ切れ込みを入れ革を起こし、その内側で出し縫いをした後、起こした革をフタのように戻して出し縫いを隠す技法なのです。
しかし、チャーチにそんな配慮はありません。カスタムグレードであってもです。
なぜなら、機能としては別に意味がないから。
伏せ縫い仕上げでも底の削れやすさは同じです。また、底が減ってくれば普通に糸も見えるようになります。
チャーチとしてはそこに手をかけるよりは、機能に直結しないディテールを省略することで我々の手に届きやすいよう、コスト減を図ってくれているのです。
もちろんチャーチは高級な靴です。
でも、上の価格帯を見ればキリがありません。
チャーチはこの値段で質実剛健を実現するために必要なものは全て揃えた!!という気概を感じます。
そういう意味で、値段以上のブランドバリューがある。チャーチであれば大丈夫。むしろそれ以上は趣味の世界。
そう言い切れるブランドです。さすが“英国の良心”。
そして現在の輸入代理店、渡辺産業さんも、為替の動きに合わせてきめ細やかに値段設定をしてくれています。値上げ一辺倒の高級靴界隈ですが、チャーチの値段(チーニーもですが)は、為替の影響でたまに下がります。素晴らしく良心的な代理店さんです。(消費者としては他の代理店にも見習っていただきたいものです。。。)
さて、そんな中のシャノンなわけですが、、、
シャノンがチャーチのフラッグシップと言える理由!!
(と雨に強い理由)
そう、それはジェームズボンドも履いていたから!!!
ボンドは最高のものしか身に着けませんから。。。
っというのは半分本気の冗談として。
また、ラストが良いので履きやすい!!なんてのも前提として。
(かかとの食いつきはエドワードグリーンも真っ青なんで、是非履いてみてください!)
ここからはチャーチのラインナップの中でもシャノンしか持っていないディテールをつめていきたいと思います。
1.袋ベロ仕様!!
まずはこのディテール。袋ベロです。
これは、ベロ(シュータン)と羽根の隙間から小石や水滴などが入らないように、という目的で採用されるカントリーシューズに見られる意匠です。
折りたたむ部分は柔らかい革を使いつつ、表に見える部分はしっかりとポリッシュドバインダーカーフを使うことで、着用時には目立たないようになっています。うーんさすが。このディテールはチェットウインドやグラフトン等のカントリーテイストを取り入れている他の靴にもついていません。
2.羽根の芸術的なステッチング
現代の靴は仕立てられる際ミシンが使われるのが普通ですが、シャノンの場合は手縫いの部分が2か所あります。
1つ目は羽根のこの部分。
シャノンのアイコンであるハーフムーン(半月型)ステッチは力強く手縫いで仕上げられています。ここは羽根の強度を担う大事な部分。ほかの箇所に比べ、太い糸で固定されているのです。
2つ目は同じく羽根のこの部分。
スキンステッチです。スキンステッチと言えばエドワードグリーンのドーヴァーで有名なディテールですが、、、実はシャノンにも入っているのです。
これは縫い糸を革の表面に出さず、革の断面に針を通して縫う技法です。針や糸を通しても破れないだけの丈夫さ、しなやかさ、、、革として一級のクオリティのものでなければ、この縫いを施すことはできません。
この技法は縫い糸を表面に出さないことで引っ掛けによるホツレを防ぐ意味があります。ブッシュと呼ばれるような茂みの中を歩いても枝に引っかかることがないように、、、ハンティングシューズとしてのディテールですね。
これはエドワードグリーンのドーヴァーも同様です。(Uチップ、アンプラグドオーバーレイはイギリスではカントリーシューズ、フランスではハンティングシューズの意匠として発展してきました)
こういった手縫いの部分は正直、時間をかければどの職人さんでもできる技術ではあるそうですが、量産品を作るため手早くやるのには相当の熟練を要する技術のようです。
3.革紐の採用!
30足近く靴を履いてきましたが、、、革紐がついてきたのはお前だけなんだぜ、シャノン、、、
シャノンは何故か革の丸紐がついてきます。結び心地最高なんだよなぁ。キュッと締めるときの感触は随一です。
これの採用もチャーチではシャノンくらいじゃないでしょうか。
(ただしもでぃふぁいど が買ったシャノンは長い間在庫されていたのか、、、革紐の状態が悪く、履いて2日くらいで切れました。笑)
チャーチの表参道店の店員さんが言うには、普通の紐のほうが安いし丈夫ですよーとのことだったので、今は普通の紐に変えてしまっています。。。ちなみに革紐、900円です。さすが革、高めです。
これらがフラッグシップたる所以、、、そして他のカスタムグレードの靴より高い理由です。
あっ、何故雨に強いか、でした。
それはもう、ポリッシュドバインダーカーフを採用しているからに他なりません。
4.ポリッシュドバインダーカーフの採用!!
この革は、というか前身のブックバインダーカーフは、雨の多いイギリスで紳士たちが手間なく靴の輝きを保てるように、という目的で開発されたものでした。
これはしなやかなカーフの上に樹脂のコーティングをうすーく施すことでツヤと耐水性を得たものです。この革をなめす職人の健康や廃水への悪影響が懸念されたため、ポリッシュドバインダーに改良された、という経緯があります。エコで機能的。これはこれで素晴らしいことです。
こういった樹脂でコーティングされた革、いわゆるガラス革、というのは往々にして傷があったり、分厚い粗悪な革で作られることが多いのですが…
ポリッシュドバインダーカーフは別です。しなやかで、シワも細かく入り靴のドレッシーさを損ないません。
そしてもちろん完璧な撥水性。革に雨が染み込むことはないのです!!
サンダースのポリッシュドレザーも似た製法のようですが、ちょっとペラいというか…チャーチのバインダーカーフの方が分厚く丈夫な感じがします。
ポリッシュドバインダーが採用されたチャーチの靴は他にもありますが
ポリッシュドバインダーが標準で採用されているのはシャノンとグラフトン、バーウッドです。
でもグラフトンやバーウッドには袋ベロとかスキンステッチないので…
やっぱりシャノンがフラッグシップ!!!
っとそんなわけで、チャーチのシャノンが愛雨靴足りうる理由でした!
今日のモディファイ!!!
シャノンは質実剛健なチャーチのラインナップの中でも指折りのこだわりのディテールが詰まったフラッグシップ!!!雨の日もあなたのビジネスライフを支える心強い相棒!!!!
チャーチ Church’s 靴 シャノン プレーントゥ シューズ メンズ SHANNON POLISHED BINDER EEB001 ブラック [11/7 新入荷]
頑張って探して来た安いシャノンです。是非!!!
ちなみに買うとここまで愛せます。笑
モディファイドさま はじめてコメントします。いろいろ参考にさせていただいてます。家では「また靴か」との冷たい視線に言い訳を考える今日この頃です。ところでシャノンです。すっかり感化されて私も(ネットで)買おう!と決意したのですが、ダイナイトソールのもありまして、雨を考慮するとどちらがいいと思われますか? ダブルソールだからレザーで問題ないとの声も聞きますし、ラバーのほうが何も考えなくてもいいいような気もします。。
Bass-dさま
コメントありがとうございます!!
私はレザーソール推しです!!やっぱりコテの装飾なんかもチャーチの中でもシャノンにしかない模様だったりしますので、満足感高いです。
滑るならラバー貼れば解決しますし……私の歩き方が悪いのかダイナイトでも滑りますし……
ただ、雨靴にレザーソール、というのは少数派であることは間違いなさそうです。笑
ご参考になれば幸いです!
Bass-dさま
シャノンに夢中でお礼が抜けてしまいましたすみません!
またコメントいただけると励みになりますのでお気軽にいただけたら幸いです!
「また靴か…」の冷たい視線、手強いですよね……。笑
モディファイドさま 返信ありがとうございました!参考になります! (ネットで)結構売り切れてて、そう思っているうちに、ふらっと入ったウェストンでストレートチップ300を衝動買いしてしまいました。。家ではなんだこの箱は!と騒ぎになる始末。。なのでシャノンは梅雨までに(貯金して)入手します!ありがとうございました!
Bass-dさま
続報ありがとうございます!!
300!!!
ご自宅では騒ぎかもしれませんが、私は全力で英断だったと推したいです!!!
艶やかな革にクラシカルなフォルム、それでいて土踏まずのクビレも美しく履き心地もいいかんじ……私も欲しいです!!!
シャノン、ぜひまた購入されたら聞かせてください!!