日々是修行也
ネタがねえ、からの
今年の夏はまだ過ごしやすいですね。
くるりの「東京」という曲、「今年の夏は暑くなさそう」というくだりに、これまで1度たりとも同意できたことがなかったですが、今年はまだ理解できる気がします。
フジファブリックの「冷夏が続いたせいか今年は……」も同様です。
でも暑い。暑いといえば暑い。マシとはいえ暑い。
革靴なぞ履いている場合ではありません。すると、必然ブログのネタがない。
ネタがないことをネタにしだしたらおしまい、というのはよく言われることですが、このまま終わっちまうのも悪くないのでは……などという考えも頭をもたげる中、ひとまずハントを履いて外に出てみます。

すると湧いてくるではありませんか、ネタが……!!
というわけで、もぎたてフレッシュな捻り出したてのネタでブログを書くのです。
そんなこと書いている間にも、2つ思いついたネタの1つを忘れてしまいましたが、1つ目のコラムを書いているうちに思い出せるといいなと思っています。
唯一育てたい靴、ハントダービー
ご覧のとおり、靴に対する熱はすっかり平熱+α……とはいえ、都庁が短パン勤務OKな令和8年においては十分異常者なのかもしれんですが……。
こうなってくると、もう痛い靴なんてのは懲り懲り、勘弁してくだせえ、というテンションで暮らすことになります。
靴に熱狂しているころは、◯万もかけて買った靴だ、何がなんでも履き込んで、慣らして、育ててジャストフィットにしてやる!って意気込みますよね。
でも落ち着いちゃうと、この痛い靴、売ったら何が買えるかな、とか考えてしまうわけです。
また、靴が増えすぎると、「じゃあこの靴たち、いつ育ち終えるんですか?ジャストフィットになってからどのくらい履くだろう?」とか思ってしまうものです。
結果、もでぃふぁいど の靴は20数足くらいがちょうどいい感じに収まる塩梅になりました。痛い靴、一掃……
が、唯一の例外はこの靴、ハントダービーです。

めちゃくちゃに痛いわけではありません。
でも、1日履くと、ちょっと心折れるくらいには、痛い。笑
あとで触れるような経緯で買ったので、あんまり大手を振って言うことでもないのですが、定価が定価なので売ったらそれなりにまとまった資金になる気もします。
正直に言えば、たまにそれも考えます。
じっさい、その資金をアテにして、koji endo bottierで痛くないハントっぽい靴を作りましたからね。
この靴が完成した時点で、ハントは売るつもりだったのですが、結果的にまだ、こうして足元にあります。
koji endo bottierのドゴールSPと、履く頻度は半々くらい。
痛くなって毎度後悔するのはわかっているのに、旅行に履いて行ってしまうのはなぜ?
むしろハードな用途が想定される日にこそ、「今日という今日は痛めつけてやるからな!!馴染めよ!!」という気持ちで履きたくなるのはなぜ?
いろいろと考えてみたのですが、なんだか的を射た答えが見当たりません。
やっぱり価格か?と考えてみても、同じ価格帯の靴を持っていたとして、あっちゅー間に売り払ってしまいそうな気がします。
いわゆる「高級ドレスシューズ」のような扱いを一切しなくていいところなのか……?
好きな理由として、履き潰してみろと言わんばかりのタフな靴であることは筆頭に挙げられますし、馴染め〜!!と呪いながらリッチモイスチャーをドバがけするような荒業にも及ぶのですが、それにも動じないタフさというか……。
好きな人の好きな要素を挙げて言い尽くしても、その人を好きな理由にはならない、みたいなことが言われますが、この靴も同じかなぁなどと思っています。
まぁ、金がなきゃ牛丼でも食おうぜと言えるような間柄も含めて、どうしようもなく心惹かれているというのが答えなのかもなと、痛む甲をたまに恨みがましく見下ろしながら思っています。
ただなんとなく、すんでのところで足元に残っている、というのが実態かもしれませんが、運命、またの名を革靴道というのは、そんなものなのかもしれません。
皆さんにも、なんだかんだで付き合いが長くなっている靴はありますか?
靴の格、履く人間の格〜財力と時間と靴バカのモチベーションと
ハントについて思うこと、もうひとつは靴の格と履く人間の格についてです。
この靴はプレミアムアウトレット御殿場にウエストンが出店したときに買ったもの。
ガラスケース(当時はあったのです)に入ったハントの価格を恐る恐る聞いてみると、当時のオールデン+αくらい。ハァ?
妻には「似た靴(たぶんドーヴァー)あるよね?」というコメントと冷ややかな目線をもらいましたが、一も二もなく購入したのでした。
テンション高すぎて自分でもウッとなる記事はこちら。
そのオフ率たるや、後日聞いたところによれば「ハントをそんな値段で叩き売るんじゃない」と本国から怒られが発生したレベルだったのだとか。
(いちおう、つま先にキズアリのB品ですけどね。)
アリゲーターのローファーも値段聞いておけば良かったなと思うことしきり……。
そんな折にSNSで見かけたのが
ウエストンのアウトレットはブランドの価値を下げるのでやめてほしい
というような投稿でした。
実際にはもうちょっと直接的に書かれていて、正規の価格でウエストンを購入した人間からすると、アウトレットでしか買えないような顧客と一緒にされたくねぇ、みたいな話でした。
まぁ、ハントを正規品で買った方からすればわからなくもないです。
もでぃふぁいど からすると、ハントなんて靴はアウトレットで出会わなければ縁がなかったのは間違いない1足です。それからというもの、果たしてこの靴の格に自分は見合う人間なのだろうか?と考えることも、たまにありました。
そこから6年くらい履いてきて思っているのは、
買えちまったんだから仕方ねえじゃん
です。
元より靴も含めて、ステータスを誇示するということに何の意味も見出していない人間というのもデカいですが……。
ジョンロブやベルルッティのような靴ならまだしも、ハントダービーは明らかにぱっと見で高級感をまとっているような靴でもないですし、履き込んでナンボの道具、実用的な靴です。
ケースに入れて飾っておいて、映える……気もしますが、履いていると、履かれてもへこたれないように頑強に作ってあるのがヒシヒシと感じられます。飾るだけなら、こんなに中身まで作り込む必要はないというか。

先にも書いたように、J.M.WESTONという靴ブランド自体、靴好きウケは良いものの一般認知度はそんなに高くないブランドですし、靴にステータスを求めるなら、もっといくらでも選択肢はあるでしょう。
ウエストンであっても財力があれば、正規店でサービスを受けながら、複数足から気に入った出来栄えの1足を購入するという購買体験も可能です。
一方でその財力がないならば、アウトレットまでわざわざ行けば、時間とモチベーションとで解決できることもあるのです。
金があれば時間がなく、時間があれば金がない。社会人と大学生の比較でよく言われるように。
どちらが良いとは断じませんが、アウトレットがオープンしたら、収穫ゼロのリスクも負いつつ、いの一番に駆けつけて買った1足ということで、これは靴バカの勲章なのかなと。

ウエストンとは別に、ビスポークした際にも職人さんに聞きましたが、顧客層は「金はないが注文が細かいマニア」か、「大雑把な注文を一気にするリッチマン」に二分されるということでした。
もでぃふぁいど がどちらに分類されるのかは言わずもがなですが、高級革靴界隈なんてのはそんな様相を呈しているワケで、なかなか相互理解の壁は厚く、高いのかもしれません。まぁ、無理に分かりあう必要もないですし、重なる部分で業界を盛り上げていければ良いんじゃないですかね。クルマなんかも似たり寄ったりでしょう、構造は。
仕事をしていても同じで、先行者利益っちゅーのは、リスクを負うことができるからこそ得られる利益だよな、などということも感じる日々です。
まぁ、そのリスクのツケは勉強代としてじゅーぶん払ってきたワケで、その額を持ってすればハント正規品は余裕で買えたよね、なんていうオチでこのコラムを終わります。
今日のモディファイ!
いろいろ言ってきましたけど、人生は自由なので好きな人間が好きな革靴を好きなように履いたらええと思いますよ。