2足目なんで慣れたもんですよ。
Buda来たれり
ちょっとした紆余曲折を5-6ヶ月経ましたが、やってきましたブダ。半年前くらいに。

既にBudaはオイルドヌバックのモデルも持っていましたが、サイズをハーフサイズ上げてコードバンのモデルを買いました。
オイルドヌバック買ってピカピカに磨いておけば、似た光りかたの高価なコードバンモデルは買わずに済むーーー
そう思っていた時代が私にもありました。
Heinrich Dinkelackerとは?
Heinrich Dinkelacker(ハインリッヒディンケラッカー)は、1879年創業のドイツのブランドです。

ファクトリーはハンガリーのブタペストにあり、9分仕立て(ハンドソーン)の靴を中心にラインナップしています。
ハインリッヒディンケラッカーの靴は年間8,000足しか作られない……というのが多いのか少ないのか正直分からないところですが、ハンドソーンということで職人さんたちが手間暇かけて作っています。
コンセプトは「欧米の足の弱ったエグゼクティブのための靴」。
ごめんな、こんなファーイーストでサラリーマンの足下に収めちまって。
そのためハインリッヒディンケラッカーの靴はいずれのラストも履き心地抜群です。曰く「絨毯の上を歩いているよう」「靴のロールスロイス」。もでぃふぁいど 的には「クラフトマンシップのカタマリ」です。
というわけで総括すると、
最高の素材を、最高のラストで、最高の職人技術で作り上げたのが、ハインリッヒディンケラッカーという靴なのです!!
また、ホーウィン社のシェルコードバンを使った靴をラインナップしているのも特徴です。

コードバンと言えばのオールデンともまた違う、ガッチリフィットしている部分あり、ゆるゆるフリーダムな部分ありの超絶コンフォートフィットが堪能できます。
Heinrich Dinkelacker Budaとは!

Buda(ブダ)はこの靴の木型の名前です。ハインリッヒディンケラッカーでは木型名+素材の頭文字がモデル名となります。
なのでこの靴のモデル名はBuda C(CordovanのC)です。
Budaラスト!
Buda(ブダ)はハンガリーの首都ブダペストのブダですね。もともとのブダ地区とペスト地区が合わさってブダペストなので、ブダと言えばブダです。特に仏教は関係ありません。(最初なんかそれっぽいと思ってました)

さて、肝心のブダラストです。
公式の説明は以下の通り。
For decades, the Buda last has been used to make typical budapesters. It is rounded at the front to ensure the utmost wearing comfort.
https://www.heinrich-dinkelacker.com/buda-full-brogue-c.html
Google先生によれば
何十年もの間、ブダラストは典型的なブダペスターを作るために使用されてきました。フロントは丸みを帯びており、快適な履き心地を実現しています。
ということのようです。ブランドでもかなり古い木型です。
ウィズ(幅)は衝撃のGウィズ!!
そもそもハインリッヒディンケラッカーの標準ウィズはG、ものによってはKとかあります。
が!!!
履いてみると幅が馬鹿デカいということはありません。笑

むしろ東欧靴のフィッティング思想というのは「甲と踏まずとカカトでガッチリ固め、足の前半分はフリーにして指を動かせるように」というものですから、ボールジョイントあたりの幅はGだろうがKだろうがなんでも良さげな感じあります。
そもそも標準ウィズがGというのも、Church’sは標準Fでオールデンは標準Dというようなもので、ブランド独自の設定なのでしょう。他の英国靴ブランドの幅をE→F→Gと上げていったような大きさではない気がします。
むしろ特にこのブダラストについてはGウィズ表記の印象を大幅に裏切る細さです。普通にEで良いのでは……
ソール周りこそゴツいですが、甲革のフォルムは意外とスマートですよ。

むしろタイトなサイズだとカカトあたりはゴリゴリやられます。画像見てもめっちゃ小ぶりじゃないです???

そんなわけで細足だから履けない、とかそういう心配はあまりしなくて良さそうです。
Budapester(ブダペスター)!
Budapesterの定義は先日記事にした通りです。
簡単に言えば往年のブダペストにて人気を博したトゥが高く作られたフルブローグダービーのようです。
同じくディンケのRioに比べるとBudaはトゥのポッコリ具合は控えめですが、先の木型の説明にあったとおり公式がBudapesterと言うならそうなんです。きっと。
迫力のブローグ!(穴飾り)
ハインリッヒディンケラッカーと言えばコレ!!ど迫力のブローグ(穴飾り)!!!
穴径も大きく、間隔も詰まっているので大迫力です。ブローグの迫力に定評のあるチャーチと比べてみました。

まぁなんというかコレがまたドイツっぽいというかハンガリーぽいというか、そういうデコラティブな感じ。ステッチもダブルだし、ピンキングもよりギザギザ。ブローグの穴がでかいので帯状の装飾もより目立ちます。
思えばハインリッヒディンケラッカーに最初に惹かれたのもこの部分による気がします。ブローグマニアなので……。
コードバン+ブローグの独特の肉感も相まって最高です!!!!
レンデンバッハ社製ソール!
ソールはジョーレンデンバッハ社製のオークバークソールが標準で装備されています。

長い時間をかけて植物性タンニンで丹念になめしたこのレザーソールは、そのコシと粘りのある返りと接地感が最高です。繊維が詰まっている感じがすごい。
しかもそれがダブル!!!
あと特筆すべきは飾り釘!!
片足で6×14=84本も打たれています!!(飾りじゃない釘も+2本あるので全部で86本!)
これはちょっと驚異的な本数です。
同じく代表モデルのRioはトリプルソールのため、つま先にはスチールが標準で装備されています。(-3ヶ所×6本)
ということは、既製の靴で飾り釘の本数世界一はこのBudaでは???
もともと丈夫で耐久性が高いレンデンバッハのソールなので削れ自体あまり気にならないのですが、心強い限りです。
釘は耐久性にさして貢献していない気もしますが。笑
飾り釘は滑るという意見もありますが、ハインリッヒディンケラッカーはカカトのラバーの面積を大きく取っているので特別この靴が滑るということはない気がします。
ダークコニャックシェルコードバン!
アッパーはオールデンと同じく、ホーウィン社のシェルコードバンです。色はオールデンでは展開していないダークコニャック。

シェルコードバンならではの透明感あるテクスチャはダークコニャックでも健在です。
ダークコニャックは日本の代理店の要望で作られ、レギュラーラインになったとか。天晴れです。
ツォップナート!
ツォップナート、辮髪縫い、本国ではBraided Weltと呼ばれているようです。編まれたウェルト。そうね。

麻紐と革紐を強烈に編みこんでいくこの技法はしばしば東欧靴に見られるもので、ノルベジェーゼともまた違った迫力で我々を圧倒します。

でもここまでド派手なのはあまりみません。
Let’sシワ入れ!
ハインリッヒディンケラッカーってシワ入れかなり難しいですよね。いや、どんなシワも愛せるのですが、今回はサイズも上げたのでモコっとしたコードバンらしいシワを目指したいところ。
今回のシワ入れのお供は、同じくドイツのペンブランド、LAMY(ラミー)です。ドイツ同士親和性が高いと思います。
万年筆界のジョンロブ、モンブランもドイツですね。
当時はクソたっけえと思ってましたが、靴に慣れてからだと意外と手が届いちゃう値段だな……
当時もでぃふぁいど はLAMYのペン先だけをAmazon.deの出品者から個人輸入しました。これが初めての個人輸入、今思えばあの頃から既にビョーk
おりゃ!!

シワの形は千差万別……なぜなら人の足には個人差があるから……!!
というのもわからんではないのですが、人類みな友達。目指すべきものをしっかり見据え、そこに向かって努力したならばどんなシワも自由自在……!!
とか思い通りになったときはここぞとばかりに言い始めます。

からの〜
比較的会心のシワ!!!

シワ入れにはイメトレが大事ですね。instagramを彷徨し、どこにシワを入れれば理想のシワになるのかをよく見極める。これ大事。

Budaのサイズ感!
左足25.2cm、右足25.4cmの足で6.5だとこんな感じ。

それに対して、ハーフサイズ上げて7にした今回のBudaはこんな感じ。ちょこちょこ履いてインビジブルソックスでこんな羽根の開き具合です。

ハンドソーンウェルテッド製法いうこともあり、コルクが多く入っているわけではないのであまり中底も沈みません。サイズ的にはこれでジャストだと思います。
6.5のときはカカトがゴリッとやられたり、くるぶしがあたったり色々大変でしたが7にしたら靴擦れフリーです。
なのにカカト、甲、踏まずはガッチリフィット。足先フリーで超快適!これぞBudapester!!Buda大好き!!
オールデンのバリーラストの踏まずとカカトのフィット感を上げた感じというか、チャーチのシャノン103ラストの土踏まずを盛りまくった感じというか。しゅき。
今日のモディファイ!
あまり自分では調べられていないのですが、「BudaやRioをいつか買おうかな」という方は急がれた方が良いかもしれません……。
良からぬウワサだけはなんとなく耳に入ってきますので……
レビューお疲れ様です!フィッティング参考になりますヾ(゚ω゚)ノ゛
ハーフサイズアップということで、羽根周りのゆとりがだいぶ違いますね。
私のRIO C++のサイズは普段のUK8からハーフ落として7.5Gですが、脱ぐ時履く時にかなりタイトです…
ZOZOMAT曰く、踵が皆様の測定結果より1cmほど大きいデカカト民だからでしょうか笑
なので私もハーフあげて8サイズにしたら、もでぃふぁいどさん同様だいぶリラックスフィットになるかも知れません(ノ∀`)試したい!
akimintminさま
コメントありがとうございます!!
ハーフサイズ上げてだいぶ楽に気軽に履けるようになりました!キツいな、と思う靴ぜんぶハーフサイズ上も試したい気が最近しています。笑
カカト太いのは個人的にはちょっと羨ましいです。カカト抜けちゃう靴が多く、そうするとサイズを下げざるを得ない→修行、みたいなパターンが多いので……
ちょっとディンケ周りは動きが色々怪しい感じがあるみたいですので、お早めに試されるのが良いと思います!!
この情報、すごくありがたいです。
私はいつもUK7.5履いていましたがお勧めは7という事で悩んでいました。
ドイツのショップは7.5しかなく7は3ヶ月かかるとのこと。
羽の閉まり方がきれいですね。
このレビュー見て7.5発注しました。
sugarさま
コメントありがとうございます!
Budaは結構小さめなのでハーフ下げると私は結構キツかったです。。。
今のところ緩くなるようなこともないですし、快適です。
到着の暁にはぜひこのフィッティングを楽しまれてください!!!