歳を重ねるほどに重宝する靴、な〜んだ?
もでぃふぁいど のいまさら銘品考察
さて今週も始まりました、もでぃふぁいど のいまさら銘品考察!忘れてません、忘れてませんよこの企画。まだまだ進める気です。
ひさびさなので、企画の趣旨は下記をご覧いただくとして。
今回の靴は、Church’sのプレーントゥの名作、 Shannonです。さいきん好きなんです、この靴!!

シャノンとはどんな靴なのか?
英国プレーントゥの代表!からの?
プレーントゥダービーって、めちゃめちゃシンプルデザインで、どのブランドも必ずと言って良いほどラインナップしてい……るはず……というくらい、実は「コレ!」という一品がないカテゴリです。
これはけっこう不思議。
たとえばエドワードグリーンならWINDERMERE。聞いたことあります?
ジョンロブなら、FIVEとかになるんでしょうか。当然廃番、マニアックなモデルなのは言わずもがな。気になる方は検索してみてね!5アイレットでFIVE?忘れられない名前ですけどね。
これらはプレーントゥでしたが、さらに、シャノンと同様のプレーンギブソン(靴の前後でパターンの切り替えがなく、大きな革を使って作るプレーントゥ)に絞ると、なおさらメジャーなモデルが(英国靴には)ありません。
チャーチが英国靴の良心と呼ばれていた頃は、シャノンもそれなりに知名度があったと思うんですが、件の大幅な価格改定があり、そこからジリジリとさらなる値上げが続いていることもあり、現在の定価、20万円越え。ウソでしょ!!!
最近インスタなんかでもシャノン見ること減ってきたなーと感じます。以前もそんなに多くはなかったですが。笑
ボリューミーな103ラストはフィット感も汎用性もバツグン!!
シャノンと言えば、やはりこのボリューミーな103ラスト……以前は224など別ラストでしたが、103に代替わりしてからだいぶ経ちますね。

この靴、このボリューム感がありながら、特筆すべきはフィット感の良さにあると思っています。
シャノンは手持ちのラインナップでもわりと始めの方に揃えたので、気づくのにしばらくかかりましたが、このカカト!!!

全体のボリューム感からは信じられないほどコンパクトで、カカトの掴みはバツグンです。
言ってしまえば、より高価な価格帯のEGやロブに全然負けてないどころか、むしろ上かも。シャノンはストームウェルト&ダブルソールというタフな仕様ですが、馴染んだあとの返りの良さはもうスニーカーと変わらないくらいです。
トゥスプリングがとってあるのも効いている気がします。これがあると、靴がローリングしやすいのでカカトがついてきやすいですね。

そしてコンパクトなカカトに対して、前半分は見た目通りゆったりしているので、履いていてラクなラストです。東欧靴みたいな。1日履きっぱなしで歩き詰め、みたいな日にも安心して履いていけます。

このボリューミーなシルエットは、色んなボトムスへの合わせやすさもバツグンです。まぁ、こう言っちゃなんですが、見た目ほぼおんなじのAldenの9901がジーンズ〜チノ〜スーツまで合わせやすいと言われてるんだから、シャノンも必然そうというか。シャノンのコーデ例は少なそうですけど、9901のコーデ例ならめっちゃ出てきそう。黒ならトラッドでもモードでも、ボトムスが細かろうが太かろうが、わりとなんでも合わせられちゃいますね。
この時点でもう「履いておけば間違いがない1足」になっています。
「ちょうどいいの権化」ポリッシュドバインダーカーフ
そこにきてのチャーチ必殺ポリッシュドバインダーカーフです。

ご存知、樹脂でコーティングされたガラスレザーの1種。コーティングしちゃうので質が悪い革も誤魔化せる、経年で樹脂が割れてくる(クラック)などなど、ガラスレザー自体はネガティブな文脈で語られることが多いですね。少なくとも靴バカの間では。
ただ、ポリッシュドバインダーカーフは、質の良い革に、薄めにコーティングを施している……みたいな話もあり、このネガティブな文脈から外されることもある革です。
実際、このシャノンは10年目ですが……特に割れないです!!

ケアしていても、クリームが入っているのかどうか、未だぜんぜんわからないのですが、割れてないんだからまぁそれで良いだろうということで、たまにクリームを塗りつつやってきました。
エイジング的にもイマイチ、という話がありますが、新品コレで、

現在こうなので、

革自体の経年変化とかはわからないですが、化粧はしっかりのりますね。ケアすれば応えてくれる素材です。
悪魔の証明なんで、ポリッシュドバインダーカーフは割れない!!というのはいつまでも言えませんが、雑なケアでも10年問題ないことはこの際ハッキリ言っておきましょう。
ちなみに、もっと廉価なブランドのポリッシュドレザーは同様のケアをしていたら数年で割れました。笑
そういう意味ではやっぱり差があるのかも?
で、やっと「ちょうどいい」の話になりますが、このポリッシュドバインダーカーフのメリットに目を向けると
- 無敵の耐水性
- 超絶イージーケアで超光沢
という特徴があります。総じて取り扱いが超ラク!!!
雨に降られた?水玉模様ができたら、濡れたティッシュかなんかで拭えばヨシ!!!
かしこまった場に履いていくのに磨く時間がない?常にピカピカでスタンバってます!!

そんなわけで、バタバタした毎日の中にあって、シャノンの輝きはとってもありがたい。天気予報を見ずに、磨き直しも不要で即履いていける靴。
実用靴の極み、シャノン〜年齢を重ねるとわかってくる「良さ」
と、見てきたように、シャノンの本質、ひいてはChurch’sの本質って、やはり「道具として使い倒せる革靴」なんじゃないかと思うワケです。
ずいぶんラグジュアリーな価格になってしまいましたけど、そこは変わらずというか。
どこに履いていっても恥ずかしくない、靴マニアとしての困りごと(合わせにくいとか雨で履けないとか)もない。
こういう実用靴はなんならキズがついてもサマになります。それが歩んできた年月を示すから。

最近はすこし、仕事でも対外的なものが増えてきました。雨の日もあれば、バタバタしている時もあります。それでも「ちゃんと見える」1足。それでいて、アイコニックすぎない、言い換えればブランドが悪目立ちしない1足。
こんなにも社会性が高い革靴はシャノンだけ!!キャリアを支える縁の下の力持ちなのです。
Alden9901との比較〜見た目はそっくりでも所有してみると大違い!?
そうは言っても、ガラスレザーの靴に20万払うなら、少し足してオールデンで9901(ブラックコードバンのプレーントゥ)買うわ!!となるのは納得です。
もでぃふぁいど も一度ならずとも見たことがある9901 VS Shannon的な比較。たしかにプレーンギブソンという意味ではそっくりな2足です。羽根のスキンステッチガー!袋ベロガー!!と靴バカとして見た目上の差異を挙げることはできますが、まぁ、ぱっと見、微差でしょ。似てますよ、この2足。どちらも木型がボリューミーでシルエットも似ていますし。
さて、でもコレまで見てきたように、シャノンの本質が「実用靴」に在り、晴れの日も雨の日も、場面をも選ばず、ケアもそこそこに履けることであるとするならば、Alden9901……コードバンのプレーントゥとは見た目が同じでも、所有感が全く違うことに気づきます。
Alden9901は文字通りハレの靴。コードバンはケアのしがいもありますし、所有欲も満たせます。色抜けなど、千差万別のエイジングも楽しい。

ただ、雨に打たれればそれなりのケアをしないとみすぼらしくなりますし、ケアを長期間怠ればカサカサになってしまいます。そうは言っても天気予報を見た上で晴れの確信を持って履く靴です。
所有していて楽しいですけど、履いていて気も遣う、総じて「嗜好品としての銘品」「靴好きのための靴」と言えるでしょう。それはそれで好き。
一方でシャノンは9901のような、靴好きに強く響く靴ではないかもしれません。でも言うなれば「実用品としての銘品」「万人のための靴」たり得る1足と思います。
まとめ:年を経るごとにありがたみに気づくシャノン
いろいろ言ってきましたが、シャノンのありがたさに気づけたのはホントここ1〜2年です。
シャノンって、派手な靴ではありません。正しくは、靴バカに刺さるスペックをしていないというか。羽根にスキンステッチとかあるのに、全然ありがたがられていないの、かわいそう。ドーヴァーとかスキンステッチの権化としてめちゃめちゃパクられているのに。

そんなわけでシャノンは靴熱がヒートアップしていく過程にあっては、わりと目立たない存在になりがちというか、実際もでぃふぁいど もそんなに履く頻度が多くない1足、どちらかといえば控え要員、雨の日にはありがたいな、的な1足になりつつありました。
が、いつまでもその熱は続かないもんです。人より長い自覚はありますが。良くも悪くも落ち着いてくるので、年がら年中シューケアばっかりやってる、磨くための靴がもっと欲しい、なんてのはなくなってきますね。
そうなると、ここぞという場面、何を履こうか?というシーンで
「先週履いた靴はトゥにキズが!」
「というか今日の天気なんだ?雨降るのか?」
みたいなことが頻発するのですが、そういうときこそ、シャノンの出番なのです。
ポリッシュドバインダーカーフは、多少のキズがあっても、なんならウェットティッシュで拭えば光ります。
天候も選びません。雨でもどんと来い。
服装的にスーツでもジャケパンにもOK。ややボリューミーなので、本当はジャケパンに合わせたいところですが、まぁスーツに合わせてとやかく言われることはないでしょう。
ブランドの格的にも、会う相手に気兼ねなく履けます。(最近高いのでこのあたりの評価変わってきているかもしれませんが……そうなると初売りで5万だったんですよ、みたいなエクスキューズが必要になります)
この靴のありとあらゆる要素が、靴好きを煩悩から解放してくれます。
ときにはカビだらけにもなる。でも丸洗いすれば復活する。その浮き沈みも含めて、シャノンは人生……!!

その意味で、シャノンは銘品の名に相応しい1足と言えるでしょう。
シャノンはいま買うべき1足か?
んでもって、コレはちと難しい。ここまでベタ褒めしてきましたけれど、20万出してもう1足買いますか?と言われれば答えはNoです。
いや、ここから10年20年履ける、確実な相棒が欲しいということであれば、ぜひ新品をオススメしたいです。チャーチ、作りの頑健さは変わらずですから……!!
っっっっってGウィズ(標準Fです)ですけど安すぎない!?!?この価格で今も買えるの!?!?
いや、思ってた価格感と違いますね。クロケットのメインラインあたりと同じ価格帯なら、まだまだチャーチ、戦えますよ!!
個人的にオススメしたいのは、Cheaneyのそっくりさん。
じつはコレ、由緒あるそっくりさんでして、実はチャーチ創業家の一族は皆さんいま、チーニーにいらっしゃるんですね。英国靴の良心と言われたチャーチの精神を今に引き継いでいるのは、むしろこっちかも……と感じます。価格も年々上がってはいますが、まだ良心的です。
いいなーダークブラウンとか他の色買い足すならこっちか?
むしろ、これは103ラストの現代シャノンではなく、224ラストの旧シャノンをベンチマークにしているのでは?と個人的に勘繰ってますが、果たして。買い足すならこっちになりそうです。
でもやっぱり、スキンステッチとか手縫いハーフムーンが欲しいんじゃあ!!となる気持ちもわかります。やっぱシャノンが欲しければシャノンか……!!
ラバーソールのシャノンRもありますからね。けっきょく、もでぃふぁいど はレザーソールのまま雨も履いて行ってますが……
もう今回の記事は基本、黒シャノンの汎用性を褒め称えてましたけど、サンダルウッド、良いんですよね。どんよりした朝でも、気兼ねなく履ける明るい色の靴って唯一無二だと思います。くっ……ほしい……!!
今日のモディファイ!
シャノンは人生。いつだって欲しいときが最安値。つまり人生が欲しいときはシャノンをいま買うという三段論法が成り立ちますね。
ゲット!!ザ・人生!!