J.M.WESTON 598 Half Hunt VS 677 Hunt Derby!【ハントVSハーフハント(ロジェ)】

ハント買ってからハーフハント買う人間、珍しいですか?

J.M.WESTON598 VS 677!

何の因果か足元にハントとハーフハントが揃ってしまいました。

今日はハントとハーフハントの差異を見ていきたいと思います!両方買っちまったやつの義務というか懺悔に近いものかもしれません。

モカ縫い!+スプリットの縫い!

まずはわかりやすいところから。ハントはモカ縫いとトゥのスプリットが手縫いによるスキンステッチになっています。このスキンステッチは極力ステッチを表に出さないことで藪や枝に糸を引っ掛けて切ることがないように、というカントリーな意匠です。(モカはそこそこ糸が露出してますが)

詳細は以下記事もどうぞ。

それに対してハーフハントはモカ縫いもスプリットもミシン縫いです。とはいえ、縫いのピッチが変えてあるなどこだわりの詰まったモカ縫いです。

ハントが野趣溢れる趣きなのに対してハーフハントはスマートですね。

ノルベジェーゼvsグッドイヤー!

ハントを特徴づけるハントたる所以といえば、上記のスキンステッチとこの靴側面に走るノルベジェーゼでしょう。

instagramに上げたところ、「これたぶん僕が縫ったやつだわ!」と職人さんからコメントが来たのも良い思い出。instagramすげえ。

というのもこれを縫える……というかハントを作れる職人さんはウエストンの中でも本当に少数で、どなたが作ったかによって個体差があるようです。特にノルベジェーゼの縫いの形は職人さんが見れば1発で自分の作品だとわかるポイントだそうで。もでぃふぁいど のはオニギリステッチと呼んでいましたが結構三角です。

たしかに世のハントを眺めてみれば長方形に近いステッチのものがあったり、結構差があって楽しいです。どちらが優れているとかではなく。

ウリとされる耐水性を測るような大雨には結局まだ当たってないのですが、機会があればレポートします。全然そんな機会なくても良いですが……笑

一方でハーフハントはグッドイヤーなのでミシン縫いです。もでぃふぁいど のは598はストームウェルトつき。比較的スマートな598にあって、ハントを意識したカントリーテイストの意匠です。(ストームウェルトはモデルによって有無あります)

木型!32vs22(or21)!

ハントはラスト32。ハーフハントは21ラストか22ラストです。このハーフハント古いので22ラスト。

ハントは前から見た時の縦方向の立体感がすごいです。というのは履き口がすごく小さいからです。ハントの原型はブーツのシャフト部分をカットしたもの言われていますが、履き口の狭さはまかにその出自を感じさせるものです。

フィット感が全然違うサイジングなので一概に履き心地を比較できないのですが、32ラストのカカトのツカミは22ラストの比ではありません。単純にヒールの大きさはハントの方が大きく見えるのに不思議。

22ラストのカカトは、180ローファー(41ラスト)や641ゴルフ(31ラスト)と同等かと。

もでぃふぁいど のカカトがやたら小さいこともあるのですが、EGなんかと比べてもカカトのツカミ重視のラストとは言えないでしょう。

というかハントの32ラストだけがウエストンの他のラストの特徴をことごとく外しています。

ウエストンの他の木型は、足をボールジョイントと甲で固定する木型が多いです。(=フィット感を求めると甲やボールジョイントキツめの靴で修行が必要なことが多い)

一方でハントの32ラストは履き口とカカトで固定してしまうので、ボールジョイントのツラさは一切ありません。誤解を恐れず言うならば、カカトを超絶フィットにモディファイしたオールデンのバリーラストみたいな感じ。

32ラスト、ものすんごく良い木型だと思うのでグッドイヤーで(=ハントよりお安く)他のデザインを載せることができるならめちゃめちゃ欲しいんですけど、ウエストンさん難しいですか???ハント売れなくなっちゃうかしら……

ソールの厚み!

ソールは同じくダブルレザーソールです。(598ハーフハントはラバーソール仕様有り)

そういう靴じゃないんで当たり前ですが、両者ともにソールからクビレはまっっっったく感じられません。笑

マッシブ&安定感!!!

またソール自体の厚みですが、同じダブルレザーソールでもハントの方が1枚1枚のレザーソールそれぞれが分厚く、結果として厚いソールになっています。

同じように鞣され、同じ圧をかけてなお分厚いということはレザーソールとして上等のものと言えません?

そもそもウエストンのレザーソールは自社所有のタンナー、バスタン社がじっくり植物性タンニンでなめした極上のものです。このバスタン社は、ほぼウエストンにのみ革を供給しています。(例外は技術交流している日本のスコッチグレインの一部ライン向け)

ということは、フラッグシップであるハントに使われるレザーはバスタン社のレザーの中でも1番良いもののはずでは?だって他に使い道ないよね??

しかしソールが分厚ければタフで良いかといえば、ハントの製法由来の柔らかさやカカトのフィット感があって初めて血まみれにならずに御せる分厚さとも言えます。カントリー系の靴じゃないと合わない分厚さですし。適材適所というのとなのだと思います。

ハントのソールをベタ褒めしましたが、598ハーフハントのソールも同じくバスタン社製のものであり耐久性には遜色ないです。削れにくさなども同等の印象です。削れかたもきめ細やかというか。削れた面がサラァッとしてます。他の靴はもうちょいバサバサするんですよね。

いずれにせよこのレザーソールあってのウエストンだよね!!と言いたくなる良いレザーソールです。(ゴルフのやたら削れないリッジウェイタイプのソールでも同じことを言ってます)

なお、598もレザーソール仕様のものはハントと同様にトゥにスチールがついています。

なんでもいいですけど、ハントのソールにはサイズの刻印がないんですね。

ヒールの仕様!

先に598から見ると、こちらは普通のラスターヒールです。1/4ほどがラバーになっています。最近……とはいえもう1年くらい前?から180なんかはラバーの形がみたいな形に変わりましたが、598はどうなんでしょ?

一方でハントはヒールにもスチールがついています。

これはほんとにまぁ申し訳ないのですが行ってしまえはまだロマン仕様です。笑

なぜ現代にヒールスチールの靴が残っていないのか、履いてわかる音のデカさです。膝にも来そうな気配がムンムンします。

ハント本来の活躍の場であろう土の上で履いたときは良い感じでしたが、さすがにもでぃふぁいど が住んでいる辺りも舗装はされているので、、、

ラバーにしちゃいました。こうして違いはほぼなくなりました。あとは化粧釘の違いくらいですかね。ハントはぶっとい化粧釘が刺さってます。これ、真鍮ではなく鉄釘では??

598は普通の真鍮釘です。打ち方もハントと違いますね。こちらがJ.M.WESTONのスタンダード…ですが」形になって変わりましたかね。

シュータンの仕様!

598は普通のシュータンです。

一方ハントは袋ベロ仕様。シュータンの両側が折り込まれ、端は羽根の裏側に縫い付けられています。羽根の間から小石が入らないようにするための仕様なので、これもカントリーテイストな仕様です。

他にはチャーチのシャノンなんかも袋ベロになってます。

それはさておき、ハントの袋ベロは折りたたむ必要があるからか革は薄く漉かれ、ライニングもついていません。柔らかでしなやかな触り心地です。

ロシアンカーフ(Russia Finished Calf)がアンラインドで楽しめるのはハントの袋ベロ部分だけ!!

ヒールの縫い目!

これも598は比較的普通の仕様ですね……と思いましたが、結構珍しいかもです。補強の革があてがわれた上でヒールが縫われています。意外と手持ちの靴でこの仕様のものは他にありませんでした。

思えばゴルフはドッグイヤー、180はフレンチバインダーと、ウエストンのヒール部分の仕様って意外とバラバラかもしれません。こだわりのヒールですね。

ハントはシームレスヒール……

ではなく、縫い目を内側にずらしてあります。たしかにヒール部分にシームはないですがシームレスヒールと言うのかこれは?サイドシーム?

これはヒールや外側にステッチがあると、藪や枝に引っ掛けて糸が切れてしまうのを防ぐための意匠です。

ハントはカントリー全振り!!

ハントの往時のコピーに「ハント履いていれば狩猟帰りにパーティーにも行ける」みたいなものがあったはず。(どなたか覚えてらっしゃったらURL教えて欲しいです!)

が、ここまで見てきたように677ハントはカントリーテイストに全振りの靴です。パーティー行って周りがキャップトゥの中、泥だらけのハントダービーを履いていたらもでぃふぁいど ならいたたまれないと思います……笑

手仕事をふんだんに……というか完全に手仕事で作られているわけですが、ビスポークに見られるようなベヴェルドウエストやシームレスヒールといったドレッシーな意匠はゼロ。

むしろ登山靴由来のノルベジェーゼだったり、ステッチを切らないための意匠などなど、手仕事ならでは、しかし実用性、機能性に重きを置いた靴になっています。

この間も書きましたが、ハント、あると思います。特に最近はスーツ着る機会も少なくなりつつありますし。

ハーフハントはハントの廉価版ではない!

さて、ハントが変化球すぎる靴なのでハーフハントについては半ば「わりと普通」みたいなニュアンスで触れがちでした。

が、決してハーフハントはハントの廉価版という立ち位置ではないと思います。

もちろん機械縫いを採用することでコストを下げたというのはそれはそれで素晴らしい製造上の工夫です。ハント、靴バカじゃないと手が出せないですもん。(逆に靴バカの自覚があれば一生に1ハント、狙ってみても良いと思いますよ)

598もけっこうな靴好きじゃないと辿り着かない説もありますが……先にゴルフとかローファーからいきますもんね。

今日のモディファイ!

真面目に見ていくと結構差があって面白かったです。名前は似ていても、中身は全然違いますね!どっちも買おうハント&ハーフハント!!

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