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実はオーダーしてたRendoのオーダー会の様子を2番煎じでお届け!!

時は……7月?え?もう4ヶ月?

浅草RENDO!

RENDOは2013年から吉見氏が始動させた日本の革靴ブランドです。

RENDOの靴はその名の通り「連動」をテーマに、浅草の熟練職人が集う工場で生産されています。オーナーの吉見氏は靴作りの名門、イギリスのコードウェイナーズカレッジに通い、その後、国内主要靴ブランドの生産を担うセントラル製靴や欧州のブランド、そしてフリーランスのパタンナーを経てRENDOを立ち上げました。

普段は浅草のアトリエにてオーダーが可能な他、全国各地でオーダーイベントが開催されています。また、ネットで(もちろん店舗でも)既製靴も販売しています。

RENDOの特長!!

そんなRENDO=吉見氏の強みとして、もでぃふぁいど が特に感じたのが「フィッティングの良さとデザインの美しさ、自由度」です。靴作りの全工程を理解したパタンナーが木型も作っている。そして信頼できる工場へ生産を委託しているというわけで、一本芯が通った靴作りというか、ブレがない印象です。

靴作りの現場は大きな会社になればなるほど分業制になり、どうしてもブレが出てきます。靴全体のことを考えて、というより今自分の工程での最高を目指す感じになるというか。それはそれで良いんですけどね。

一方でRENDOは全ての工程を理解している吉見氏がコンダクターとなり時には自ら職人となり作っていくというか……そのときそのときのオーダーに対して最適なチームを組んで作る感じなんですよね。まさに”連動“です。

オーダー会!

そんなRENDOのオーダー会に、もでぃふぁいど も行ってきました。何故なら、もでぃふぁいど をそそのかした悪いヤツがいたからです。

予め断っておくと、首藤氏のレポートよりはだいぶあっさりのオーダーというか、百貨店の店頭ということもあってアウェーな感じだったのかもしれません。いつか浅草のお店にも行ってみたいところです。

というかそもそも、見るだけだから。いや、フィッティング試してみるだけだから。

あれ???

という間にオーダーしてしまったのでした。

嘘です作るとしたら何作ろうか結構固めてから行きました。

しかもこれはなんとなく性格なのですが、どうしても真摯に接客いただいているところで写真を撮る気が起きない。ブロガーなのに。向いてないんちゃうか???

というわけで、オーダー会の写真はありません!!すまん!!

というわけで、今回はもでぃふぁいど が作った靴を見つつ、どのようにオーダーしていったのかまとめておきたいと思います。

突然ネタバレしますと、今回はキャップトゥをオーダーしました。

突然の完成品

RENDOオーダー会の流れ!

これはもちろん前後あるかもしれませんのでご参考までに。

足の測定!

まずは足を測定していただきます。すごい手際の良さでスパパっと終わりました。

相変わらず甲薄めのカカト小さめ……幅は長さの割にちょい細くらい?ということだったような。この辺は割とあっさりでした。まぁよくある足型というか、特筆すべきことはあまりない足なんだと思います。笑

その後、候補となるフィッティングサンプルを履いていきます。

フィッティングサンプル試着!!

RENDOのメイン木型となる770と845についてそれぞれ履いていきます。770が2Eウィズ、845がCウィズです。Cって。ほっそ!!!

845。足なりの良いネジレです。

770がUK7だったのに対して、845はUK8を試していきます。UK8……未知のゾーンです。

そしてRENDOと言えばカカト。既製靴ではカカトが抜けてしまう……という悩みを解決するために、RENDOはカカトの部分だけワンサイズほど小さいサイズ相当で作られていますが、これがまた爆裂フィット!!!コンビネーションラストの1種と言えます。

しっかり絞られた良いカカト!!

ここがすごいぞRENDO!(1)

驚いたのはフィッティングサンプルです。数々の試着を経てよく履き込まれています。笑

普通はフィッティングて新品履くじゃないですか。でも実際、

  • 「どのくらい馴染んで柔らかくなるの?」
  • 「カカトはついてくるようになる?」
  • 「馴染んだ後の羽根の開きは?」

などなど……そのあたりはわからないまま買うことになります。感覚でなんとなくわかるようになってくると言っても半ば賭けです。普通は。

でもRENDOのフィッティングサンプルは履き込まれて柔らかです(サイズによっては新品のことも)。

もでぃふぁいど は845のUK8を履かせていただいて、ここまで馴染むのなら心配はいらないとこの木型を選びました。ネットのオーダーだったら自分で絶対選べないサイズです。オーダー会ならではのサイズだなぁ、というのも決めた理由でした。

そしてもちろんその木型もすごい。木型とは、靴の形の元になる木の型のこと。これが靴の履き心地の8割を決めると思って良いです。

そしてRENDOの木型ですが……国産既製靴でこの値段でこのフィッティングはぶっ飛んでます。比べるものでもないと思うのですが、チャーチ173やクロケ337よりも足なりに全体がフィットし、むしろジョンロブ7000に近いような……ジョンロブは試着しただけなのでなんとも言えないんですが、そんな感じです。とにかく良い。スマートに、スリムにフィットします。そしてカカト。何よりカカト。抜ける気配が一切ありません。1度は履いてみていただきたい。

特に馴染んだフィッティングサンプルはタイトなのに柔らかく、たまらんです。たまらんでした。ハイ。

革を決めよう!

黒のキャップトゥ、と決めていたので今回は黒い革を見ていきます。黒の輸入革は、アノネイのボカルー、デュプイのサドルカーフ、ワインハイマーのボックスカーフの3つ。(たしか)

ワインハイマーって何がいいの?

ワインハイマーのボックスカーフと言えば、あのカールフロイデンベルグの技術を受け継いだ……とかボックスカーフ中のボックスカーフ……とか言われたりします。中堅〜高級靴まで、採用例もたくさんですね。

でも、イマイチ履く側の我々にとって何が良いのかわからないので、結局何が良いの?というのを吉見さんに聞いてみました。

曰く、

革の仕上げ処理が8割くらいに留めてあるのでクリームがよく入る、よく染まる。靴磨きが好きな人には楽しい革。

じゃあ決めた!!!

デュプイのサドルカーフに!!!

きめ細やかで良い革だと思います!

……一応断っておくと、靴磨きが嫌いなわけではなく、キャップトゥという靴の性質を考慮して、仕上げがフルで施されていて磨けばすぐ光るという革を選んだまでです。キャップトゥだ、すぐ光らなきゃ困るときがあるに違いない。

靴のデザインあっての革。うんそれっぽい。

ライニングはシックにネイビーにしました。

と、いうようになかなか他所では書いていないことも相談しつつ決められるのはオーダーならではの特権かもしれません。

デザインを決めよう!

今回は割とドン引きなくらい細かいところまで詰めて行ったので一瞬でキャップトゥに決めました。決めてきました。見るだけとはなんだったのか。

細かな要望!!

ここがすごいぞRENDO!!(2)

さて、吉見さんは靴作りの全てを理解しているパタンナー、そしてRENDOの名の通り連動する工房や職人さん達……というRENDOの強みがフルで発揮されるのがこの段です。

先にオーダーした首藤氏曰く、

ついに吉見さんに「できない」と言わせられなかった

とのこと。別に言わせなくて全然良いんですけど。無茶な注文はほどほどに!!

でも彼、バーボンコードバンにスキンステッチ、しかも型紙新規に起こして短靴をブーツに変更してブローグまで入れてますもんね。そしてモデル名もつけてレギュラー化するという。笑

パターンオーダーって何??

その実、木型が決まっているだけで、あとはビスポーク級に自由度が高いのでは???

肝心の木型も爆裂フィットなので、もはや何も文句ないのでは????

そんはなか、もでぃふぁいど が吉見さんにお願いした(細かすぎて面倒だったであろう…)仕様は以下のとおり!!

ハーフムーン!(スカラップ)

お前好きだな!!と我ながら思いますが好きなんだからしょうがない。

閂(シャコどめ)を隠す半月状の革パーツです。

吉見さんが「あー、スカラップ(scallop)ですね!僕たちはそう呼んでます!」と即答してくださいました。scallop、つまりホタテです。呼び名はいくつかあるみたいです。

(あーギターの指板削るやつだ……と思った全国7億8千万の早弾きギター小僧の皆さんこんにちは。吉見さんはそうなんですかーとおっしゃってました。ムダ知識すぎました。笑)

このハーフムーン(スカラップ)は大きさで結構印象が違うのですが、「J.M.WESTONのように小さく!!」という面倒な要望を見事に叶えていただきました。大満足です!!ありがとうございます!!!

ダブルステッチ!

レースステイ横の飾りステッチはダブルにしてもらいました。

デフォルトだとシングルで、華奢でキレイでもあるのですがしっかり実用していきたいという意思も込め、マッシブなダブルを選んだと記憶しています。

にしてもステッチとんでもなくキレイですよね。乱れない。

もちろんスワンネックもオーダー可能です。

あとは底周りです。

「チッ」

当時チッにやたら拘っていたのでチッも聞いてみました。「チッ」(©︎ユニオンワークスさん)とは、ベヴェルドウエストを施した際にできるウエストとヒールの段差部分です。

も「この写真みたいのってできるもんですか?」(写真を見せる)

吉見さん「ああ、コテでグッとやればすぐできますよー

も「oh……」

さすが「できない」は言わない吉見氏。

あっさり実現

ちなみにベヴェルドウェストは手縫いが必要なので「できない」とのこと。もでぃふぁいど が吉見氏から「できない」と言われたのはここだけです。笑

まぁこの値段でベヴェルドウェストをお願いすること自体が無茶すぎるので当然です。機械縫いのグッドイヤーではなく、ハンドソーンウェルテッドになっちゃいますし。

でも「チッ」は即答OK。さすがRENDO。さすが吉見氏……!!

飾り釘!

ヒールの飾り釘をお願いしました。特に機能的には大差ないのですが、これあると高級感が違うというか、もう飾り釘がない靴に戻れない。

ヒールの部分です

も「飾り釘お願いしたいんですけど……」

吉見氏「あー、どうしようかな?うーん、わかりました、工房に戻ってきてから僕が打っちゃいます

も「おぉ……」

吉見氏「足りなかったら持ってきてもらえれば打ち足しますんで

まさかの飾り釘おかわりし放題です。限度はあると思いますが。笑

この際も、どこかのブランド風にとかありますかー?と聞かれましたので写真とかあると簡単に伝えられると思います。

半カラス仕上げ!

ソールは半カラスにしてもらいました。真っ黒なカラス仕上げと悩んだのですが、今回は完成品の美しさを見て半カラスで良かったとしみじみ思います。履いたら削れちゃうんですけどね。削れても半カラスなら踏まず部分もステキ。

あとヒドゥンチャネル(伏せ縫い)もお願いしました。ソールから出し抜いの糸が見えないよう、溝を起こしてその中を縫い付ける技法です。

ジェントルマンズコーナー!

吉見氏「他に何かありますかー?」

も「え……じゃあヒールのカドを落とす…」

吉見氏「ここですねーできます!」

もはや言われたから出す、みたいな状態のもでぃふぁいど と早押しクイズ並の即答でOK出す吉見氏。

ジェントルマンズコーナーとは、ここが削られていることでスラックスの裾に引っ掛けることをなくす……という意匠ですが、効果の程は正直謎。「ないよりはあったほうが良い靴って感じがするよね」くらいのノリでチーニーのサイトにも書いてありましたし。

しっかりカド落ちました

というか底周り、美しすぎないですか?これベヴェルドウェストじゃないの??

フィッティング調整!

ふと、もでぃふぁいど が履いてきた靴を見た吉見氏がひとこと。

吉見氏「右足が内側に少し倒れ込んでますねー」

も「え!?そうです?」

吉見氏「ほら、右足のカカトのすり減り方見るとわかります。履き口も右足のが若干内側に広がってますね」

も「ほんとだ……!!」

というわけで、右足の踏まず部分にパーツを盛ってもらい倒れ込みを防ぐ仕様に。

ちなみに正しい歩きかた/足の角度なら、カカト(トップリフト)は外側から減っていきます。

でもこれは減りすぎ

フィッティングもよくて、健康に歩ける靴RENDO。恐るべし。

で、肝心の価格は?

……以上のデザイン変更を加えて税抜き69,700円です。(2020年7月現在)革の選択で30%アップチャージのものを選んだので、その他細かすぎる諸々の部分はコミコミでおいくら、といった感じでした。むしろそのアップチャージ内で「これもできますねー、これも大丈夫ですねー」てな具合で増えたわけですが男前すぎるサービス内容のような……笑

細かすぎるオーダーをよくここまで……

そもそも、最近RENDOをフルラインナップで扱われはじめた広島の92さんでも既製の8451(845ラストのキャップトゥ)が扱われていますが、税込74,800円……ということは税抜6.8万円ですもんね。(これはワインハイマーなので同じく30%アップ相当の革です)

https://92ninetytwo.official.ec/items/33678257

こんだけカスタマイズしてこの差額……1,700円?ヤバいです。92さんでは常設でオーダー可能らしいので、お近くの方は是非!!(浅草でももちろん可能です)

改めて完成品!

うーんオーソドックスながらシルエットが美しい!!そして磨きたい!!!

心地よい足なりのネジレに……

……というか、ここの釣り込み?ここがスマートな靴ってシルエットキレイですよね。

絞りの効いた爆裂フィットなカカト……

しっかりエグれた土踏まず……

細かく正確なステッチに職人さんの技を見……

きめ細やかで均一なテクスチャの美しい革に惚れ惚れし……

って革もきめ細やかですごくないです??まだまだ磨き込むのはこれからなのに、このオーラ。

底周りの美しさに心震え……

ってホントにすごくないですこれ?機械縫いですよ??何この踏まず部分の丸み。もう怖い。キレイな底周り怖い!!!履けない!!!(履きました)

というわけで大大大満足のオーダーでした。

吉見さんとお話ししていても、ブログには書けないあんなことこんなこと、え?そうなの??といったことまでたくさんお話が次々と出てきますのでぜひぜひオーダーしてみてください。

あと、この靴のような……とかいう意匠があれば、写真を持っていくと伝えやすいと思います!!

常時オーダー可能な店舗はこちら!

さぁというわけで皆さまも浅草のお店や広島の92さんへ!!

(営業時間やオーダーに予約が必要など、コロナ次第で変わることもあるかもしれませんので事前に要チェケラ!)

RENDO浅草
東京都台東区浅草7-5-5
銀座線浅草駅 
 7番出口から南千住方面に徒歩13分
03-6802-3825
営業時間 13:00〜19:00 火、水定休日
https://www.rendo-shoes.jp
92-べっぴん店
住所:730-0035 
広島県広島市中区本通3-8
TEL:082-545-3017
営業時間:11:00~19:30
定休日:水曜日
https://92ninetytwo.official.ec

ちなみに今回のオーダーはこじらせた思いの丈がたくさん詰まっていますので、よろしければ下記記事もどうぞ。

今日のモディファイ!

次は何作ろうかなぁ……(預金残高を虚ろな目で見つめながら)

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