なぜ今ごろ求め始めるのか
F&Sといえば?
フォスター&サンですよね!!
ロンドンのトラディショナルなビスポークシューメーカーを3つあげて、と言われれば、ジョンロブ、クレバリー、そしてフォスター&サンの名が挙がる方は多いことでしょう。
木型作成に定評のあるテリー・ムーア氏が長く牽引してきた1840年創業のビスポークメーカーです。
松田笑子さんが師事……というか工房長をされていたブランドとしても有名ですね。
こういう現代にあまり残っていないデザインの靴が豊富なアーカイブからさらっと繰り出されるのは歴史が長いシューメーカーに長く在籍された方ならでは……クレゼントブローグ、めちゃカッコいいですよね……!!!
先日ビスポーク職人のKiyo Udaさんともお話してきましたが、フォスターのハウススタイルの特徴は「フォルムがビスポークビスポークしすぎていないこと」。薄い甲からグッと迫り上がるフォルムのメリハリが効いた(最近の)クレバリーの靴に比べて、テリー・ムーア氏の木型は、既製靴のように自然に見え、かつ履き心地はビスポークのそれというものです。
ビスポークの靴は木型をイチから作成するぶん、理論上どんな形でも作れてしまうわけですが、完全に足に沿った形が美しいかというとそれはまた別の話です。
履き心地と見た目をどのように両立するのかは職人のセンスにかかっていますが、テリー・ムーア氏はそのセンスがずば抜けていた、ということでしょう。
Foster & Sonの既製靴
そんなフォスターアンドサンですが、既製靴のラインも展開しており、長らくクロケット&ジョーンズやエドワードグリーン、チーニーなどのOEMでした。
それがついに2018年、日本の某商社の出資を受けて、ノーザンプトンに念願の自社工場をオープン!!うおおこれは確かにエドワードグリーンにも迫る高クオリティの靴!!!!
実際、英国の靴メーカーは近年減る一方で、ノーザンプトンにトラディショナルなシューメイカーの新しい靴工場ができたというのは好意的なニュースとして現地でも話題になったそうで。
日本でもリファーレさんやBeamsさんで取り扱われ、このまま高級紳士靴市場に鳴物入り!!
……かと思われたのですが、コロナの煽りを受け2021年、工場は閉鎖になってしまい、あっという間に幻の靴になってしまいました。
ミウラさんの記事にもありますが、公式のセールが記憶に新しい方も多いことでしょう。
https://miura-na-hibi.com/foster-son-episode/
もでぃふぁいど もここで1足……いければよかったのですが、あいにく財布事情とタイミングが噛み合わず、ガロッシュと靴べらだけ買いました。笑
何やってんだ、靴を……靴を買っておけば……!(というか上の方の写真の通り、別の機会に買った靴はあったのですが財布事情が……ゴニョゴニョ)
そこから数年、まぁ良い靴たちだったよな、と頭を掠めることがあっても、中古で買うまではいかない、くらいのテンションが続いていたのですが……
買ったわな。
いやでもフォスターでコレを買うとは思わなんだ。
一応ロゴや箱は自社工場製っぽい雰囲気ですが、ヴェルトショーンで作るためには専用機械が必要らしいので、結局チーニーのOEMでは?という気もしつつ。エドワードグリーンもGalwayのヴェルトショーン仕様があるからグリーンか?
まぁ自社製にせよ、OEMにせよ、それでも履くから良いのよ。
というわけで、失われたF&Sを求めた結果、この期に及んでFoster & SonのCannockを入手しました。
Web上でもほとんど情報が出てこないこの靴、次回きっちりレビューしていきます!!
今日のモディファイ!
色々な請求書が怖い今日この頃。