ひとまず靴クリームシリーズはこれでひと段落です。
黒靴とクリーム
靴磨きをされている皆さんなら、黒い靴クリームはだいたいお持ちのことかと思います。無色の次に買うのは黒のクリーム、という方は多いのではないでしょうか?
そして世の中には数多の黒い靴クリームがありますが、当然ながらその色味は少しづつ違います。
え?全部黒だから同じじゃん??
というのはまず考えることですが、もでぃふぁいど は万年筆のインク沼を通ってきたので知っています。
同じ黒にも、赤みがかった黒や青みがかった黒があるということ。
純粋な黒色は作るのが難しいということ。
だいたい経験値からして靴クリームも同じ気がします。
というわけで今日は手持ちの黒い靴クリームを例の如く比較してみますよ!!
その前になんでこんなに黒いクリームあるの?バカなの??
比較してみた!!
もったいぶってもしょうがないので、早速ドン!
ぜんっぜん色ちげぇーー!!
……というより明らかに色味が違う奴がいますが、見ていきたいと思います。ちなみに見る方がおられるのかは不明ですが、英語でも表記しておいたので世界中でお役立てください。
世界のシューシャイニストとこれを肴に飲んでくれ。
Saphir Noir3種
Crem1925
元祖シアバター配合の油性クリームの王道!フランス生まれフランス育ち名だたるブランドはだいたいOEM済み!!
ド定番のクレム1925。色が濃いのは染料由来というのもあるかもしれませんが、単に他のクリームより多めに取りすぎたかもしれません。笑
2020.11.6追記:
クレムの着色料は繊維の中まで浸透する粒子が細かい顔料だそうです。情報ありがとうございました。
色としてはバランスの取れた黒というイメージです。赤みが強いという事前のイメージがありましたが、他と比較するとそうでもないですね。
油性ゆえ、靴に塗り込むことで耐水性が若干上がることもあり結果的にはコイツが1番消費してます。もうビンの四隅にクリームが残っている感じなので、新しいのを買ってもいいのかもと思いつつ、他のクリームもあるしな、という感じです。
Beeswax Polish
サフィールノワールブランドのワックスといえばこれ、黒缶。
随一のクセモノきました。
まず青い。ネイビー。
青のクリームと比較してもいいくらい青いです。笑
そもそもワックスなのですが、仕上げのイメージを左右すると思いますので比較してみました。同じサフィールノワールでもこんなに違うとは……!!奥深し。
他の靴クリームは比較的赤に寄った黒色なので、他のクリームと合わせて使うことで漆黒を目指せということでしょうか?
とはいえ個人的には青みの強い黒は好みなので今後は多用しそうな予感。
ワックスですけどね。海外ではひたすらワックスでケアするということもあるみたいなので、革の状態を見つつやってみようと思います。
Cordovan cream Black
コードバンにはやっぱりコレ!ニーツフットオイル含有のコードバンクリーム!今夜はスネ肉ビーフシチューだ!(?)
そんなコードバンクリームは赤みがかった黒。
着色力はそんなに強くなさそうです。色自体については赤みがかっているくらいでそんなに特筆すべきことはないんですが、コードバンに使うならまずコレという使い心地で手放せません。
なんだよ酔いどれ靴磨きおじさんって、、、
丸みのあるツヤといい、ヌメっと心地よい塗り心地といい最高です。今までクレム1925でええやんとか言っててすみませんでした。
写真はニュートラルですがリンク先でブラックが選べます(amazon)
日本勢!!
というわりに種類は少ないのですが……アマチュアもアマチュアなのに黒だけで5種類持っているだけで許してほしい。
アーティストパレット!
貴重かつ浸透効果抜群、化粧品としても使われるアルガンオイルと色味に変化をつけやすい顔料による着色といえばアーティストパレット!
今回のクリームの中で最も純粋な黒に近い気がします。青くもなく、赤くもなく、バランスの取れた色です。
さすがBoot Blackの中でも販路が限られている上級ラインとあって、色味には相当こだわったと見えます。とにかく黒!!という向きにはコレですね。色にクセがなく使いやすそうです。
一方で使いかたは一般的なクリームと違い、ワックスのような使いかた(塗った後に水で濡らした布で磨く)を推奨されていることもあり、ちょっとコツがいるかもしれません。普通のクリーム同様に塗っても大丈夫な感じもありますが。
ブートブラック アーティストパレット
一応ネットでも買えるんだ……
クリームナチュラーレ!
天然成分のみで作られたオーガニックなクリームと言えばコレ!!
なんかどこかで青みがかった黒で貴重、みたいな記述を読んだ気がしてずっとその気でいたのですが
赤寄りじゃん!!!
他と比べてみても……赤いなぁ。
なんならクレム1925より赤いのでは?
という発見。
塗り心地サラリ、香りシダー系の爽やかイケメン男子ですが意外に熱血系でした。
仕上がりがとにかく自然でベタつきと無縁なので、とにかくキメ細かい革だなぁと思うとこのクリームを塗りたくなる衝動に駆られます。たとえ他人の靴でも。
キメの細かい革が使われた良い靴を手に入れたら是非塗ってみてください。超気持ちいいです。もしくはもでぃふぁいど があなたの靴に突然塗りたくるかもしれません。
これもリンク先で色が選べます。(amazon)
……というわけで所感述べてきましたが、どれも特徴があって一概にどれが良いとは言えないです。
ただサフィールノワールのビーズワックスポリッシュに関しては、結構出番が増えそうな予感……!!
皆さまの今後の靴クリーム選びの一助になれば幸いです!
今日のモディファイ!
靴クリームって新しい靴より増やしやすくてつい増えちゃいますよね。なかなか使いきれないんですけど、とりあえず買ってから考えましょう。
サフィールクレム1925は染料由来と言われてましたけど。実は顔料だったそうです。
オールアバウトのサフィールceoの取材で染料と表現していたのですが。
ブリフトアッシュの長谷川さんがクレム1925は顔料とどこかの記事で発言。
その後、某掲示板で染料顔料論争プチ勃発。そこでは長谷川の嘘つきが!!で終わったのですが。
その掲示板を関係者が見たのか見てないのか。直後にオールアバウト記事で、実はクレム1925は繊維の中まで入り込む粒子の細かい「顔料」とCEOと記者が修正文章を追加しました。
要するに顔料で。ブリフトアッシュ長谷川さんも当たってたんですね。
確かにブリフトアッシュのザクリームと仕上がりが違って、色がのっかるようでのっぺりと仕上がりますよね。
均一に仕上がるので艶は素晴らしいですけど。
通りすがりのチワワ さま
情報ありがとうございます!
クレムは顔料だったんですね……カルチャーショックです!!
記事にも追記しておきます。
私は染料でも顔料でも言われればなんとなくそんな気がして納得しちゃうタチなのでダメそうです。笑
あ、顔料だと言いすぎかもしれません。
記事では顔料「も」使っていると表記されてるのでもしかしたら染料と顔料のハイブリットかもしれません^^;
どちらにしろ顔料だから悪いってわけではないでしょうし。日本語曖昧すぎです…。
通りすがりのチワワさま
繊維にまで染み込んだら染料なのでは?という気もしますもんね。笑
おっしゃるように、顔料だから良い悪いと一概に言えるものではないと思いますので最終的には仕上がりの好み次第ですよね!!
クレムは赤系、ナチュラーレは液色がどう見ても青いから青系、クレムとノワールポリッシュは同じ色、と信じて疑わなかったので、今回の記事は衝撃的でした。
靴磨きグッズの世界はほんとに謎が多いですね。。
私も数えたら黒のクリームだけで4種類持ってましたが、最近、実際どれ塗ってもそんなに変わんないんじゃない?って思うことがあります(身も蓋もない)
たらりこさま
コメントありがとうございます!
ナチュラーレが青だと思っていたのは、液色のせいか……と改めて思いました。どう見ても青いですものね……。
それでいて今度はサフィールのポリッシュは黒く見えて真っ青……謎です。笑
クレム1925は明らかにギラつくので好みが分かれますが、サラリと仕上がる系のクリームは私も判別つかないと思います……。笑
色々試したい気持ちはありつつ、結局すぐ光るし復活も容易なのでクレムで良くない?と思うズボラな自分がいます。