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ENZO BONAFE art2695 a.k.a ビットローファーをレビュー!!3大ローファーにしちゃっていいやつ!!

これは良い買い物をしました!!

ENZO BONAFE(エンツォボナフェ)とは

ENZO BONAFE(エンツォボナフェ)はエンツォボナフェ氏が1963年に創業した、イタリアはボローニャのシューズメーカーです。ボローニャといえばボロネーゼ発祥の地ですね!(たぶん

エンツォボナフェはもちろん高品質な靴を作る素晴らしい靴メーカーです。特筆すべき特徴としては

  • 高い技術力を持ち、様々な製法、革で靴を作っている

というところでしょうか。他ブランドが歩留まり的にやりたがらないコードバンのサイドゴアブーツを「俺ならできる」と当時で御歳80以上のボナフェ翁自ら作ってしまったエピソードが、もでぃふぁいど は大好きです。

製法も9部仕立て(グッドイヤー・ア・マーノ)を中心に、ノルベジェーゼやトゥボラーレ製法など靴のデザインに合わせて様々な作りかたを駆使して靴を作っています。

エンツォボナフェは以前のローマ法王ヨハネ・パウロ2世が愛用していたり、イタリア共和国40周年の際に「イタリア文化振興に寄与した企業100社」の内1社として大統領より表彰を受けていたりと、世界に誇るイタリアを代表するシューズメーカーと言えるでしょう。

ENZO BONAFE art2695 (ビットローファー)とは

そんなENZO BONAFEのart2695は、いわゆるビットローファー。むしろビットローファーの元祖と言っても良いでしょう。高い技術力ゆえなんでも作れちゃうボナフェですが、このビットローファーは最も有名なモデルと言っても過言ではない?

ビットローファーの歴史を遡ると、1953年にグッチが発売したのが元祖です。で、そのビットローファーをOEMで作っていたのがENZO BONAFEであったと。

現在グッチで復刻しているビットローファーは自社工場で作られているようですが(詳しい方教えてください!)、ボナフェのart2695は1953年発売のオリジナルの血を受け継いだビットローファーなのです!!正統派ビットローファーつったら、グッチか、このart2695になるのではないでしょうか!

ビットとは?

で、このビット(ホースビット)ってなんなの?

これは日本人には……もちろん、もでぃふぁいど にも全く馴染みはありませんが、馬具である馬銜(ハミ)です。

渡辺馬具(https://watanabebagu.com/)より引用

あ!ビットローファーのビット!としか見えないのですが(笑)、実際には馬に噛ませるものなので、なかなかにデカいシロモノです。

https://www.equus.co.jp/より引用

「へぇ、ハミ環ゴツくてステキっすね」「やっぱこのハミ身の滑らかさ、たまんねぇっすね〜」などというコメントを出せれば、靴マニアとしての解像度も1段アップ!!明日から使ってね。

このハミですが、手綱と接続してあり人の指示を馬に伝える役割を持っています。上のサイトにも書いてありましたが、いわば人と馬の言語の翻訳機とでもいいましょうか、大事なパーツなのです。

こんな金属噛ませて痛くねぇの!?とも思うのですが口の奥の歯がないところで装着するものであること、ハミ身の形状を滑らかにすることによって、馬に負担がかからないようになっているそうで。

なんなら最近では、馬が積極的にハミをくわえたくなるような素材まで開発されています。美味しい味がするのかな〜と思いきや

馬の銜身のために開発されたオーリガンと呼ばれる素材で、85%の銅、11%の亜鉛、4%のシリコンで組成されている。馬が好む銅主体のハミの良い部分はそのままに、さらに強度を持たせ素材の毒性を排除したものだ。馬はこの素材が酸化するときの味と匂いが好きで、よく味わい積極的にハミをくわえるようになる。

https://www.equus.co.jp/column/678/

銅主体の素材が酸化するときの味と匂いが好き……??ちょっと馬との精神的キョリが遠くなった気がします。

ENZO BONAFE art2695のビットはバリエーション豊富!

靴に話を戻して、エンツォボナフェのビットローファーのビットはバリエーション豊富です。型番はart2695のまま、さまざまな形が展開されています。ショップの別注なんでしょうか?

もでぃふぁいど のart2695のビットは……ん?

ハミ環とハミ身が一体になっている……??

すこし上の画像で馬にハミを装着した図を見てもらえるとわかるのですが、ハミ環とハミ身は独立していないと馬に装着することができません。もでぃふぁいど のビットローファーのビットはどう見ても馬には装着できない形状なのです。そもそもデカさが違うとはいえミニチュア失格じゃん!!!

おいおいよりにもよってファッションビットかよ!!!!

ネット上の他のart2695やグッチのビットローファー、なんならジャランスリワヤのビットローファーに至るまで、ハミ環とハミ身は独立しているものがほとんどです。ビットローファー選びのご参考になさってみてください。

柔らかな足あたりのツボラーレ製法!

だいぶビットに引っ張られましたが、靴の話をば。このビットローファーはツボラーレ製法で作られています。

壺?の印象が強すぎるのですが、筒を表すtube(チューブ)、筒状を表すtubular(チューブラー)、これをイタリア語にすると、

tubolare(トゥボラーレ)になります。ツボラーレというか、トゥボラーレの方が正確に表せていそうな感じです。

で、このトゥボラーレ製法ですが、要は変形マッケイです。

マッケイ製法といえば、裏革、アッパー、ライニングとアウトソールを一気に縫っちゃう靴の作りかたです。返りの良さ、履き馴染み易さが魅力の製法。

マッケイでは木型の上から被せるように革を吊り込んで靴の形を作っていきますが、トゥボラーレ製法では逆に、木型の下側から吊り込んでいきます。

そして、モカで被せる様にフタをして完成と。

ということはですよ?ふつう平面の革を立体的な木型の下から吊り込んだら、上側クッシャクシャになるじゃないですか。たとえば紙を足裏に当てて、足に沿わせつつ上に折ってったらグチャグチャよ。

それが、このビットローファーはこのモカの端正さよ。革の端の処理がうますぎる……!!このあたりが職人技なんだろうなぁ。(たまに他社でこの辺クシャクシャなやつもあります。意匠と捉えるかどうかです)

トゥボラーレ製法で作られた靴は包み込まれるような履き心地が特徴だそうで。また履き心地でも触れますが、なんだかナチュラルな足当たりな気もします。返りはマッケイと同等なのでとっても良い感じ!!

トゥボラーレ製法の修理についてはマッケイと同等で1-2回くらいのオールソールはなんとか可能でしょう。まぁでも、ハーフラバーなどを貼って、そもそもオールソールにならないように履いていくのが無難です。

もでぃふぁいど はこの製法ならではの返りを楽しみたいのでまだハーフラバーは貼っていませんが、必要になればそのとき考えましょう。

また、ソール周りは基本マッケイなのでアウトソールのみ。こんなにスマートな丸コバは新鮮です!

ENZO BONAFE(エンツォボナフェ)ビットローファーの外観レビュー!

全般!

エンツォボナフェのart2695ビットローファーはゴツイ!!!!

ここ最近はスマートなビットローファーも多く、本家グッチでもカカトが踏める簡易なものやミュールタイプが展開されていますが、エンツォボナフェのart2695は元祖のDNAをこれでもかと見せつけていくゴツさです。笑

まぁ、言ってしまえば、このビットローファーって一世を風靡したあのグッチのビットローファーまんまの見た目なので成金感を感じなくもありません。好き嫌いは分かれるでしょう。さらに言えば、もうちょいスマートでさりげない方が、今のクワイエットラグジュアリー的なトレンドにも合致しているかもしれません。

しかしその辺は着こなしでもカバー可能です。丈長めのワイドなパンツなどでビットを隠すと良い感じ。歩いたときや座ったときなど、たまに見えるビットがさらにまた良い感じ!!ここで普通のローファーだと、ほぼ靴の主張がなくなってしまうところ、ちょっとしたアクセントになりますね。

もでぃふぁいど は試着時、ネイビーのシャツに黒のパンツみたいな地味〜な色味の格好をしていたのですが、足元にこのビットローファーが来るとなんかええ感じだったのよ。

パンツの裾で隠れていれば、意外とスマートに見えるんですよね。

隠れてないじゃんね

そのあたりは一過性の流行りものを超えてスタンダードになったプロダクトの強さというか。サドルやビット周り、モカのゴツさと、マッケイゆえのコバ周りだったり、トゥの薄さゆえのスマートさのバランスがうまく取れています。

単体としてはアイコニックすぎる靴かもしれませんが、合わせてみると印象が変わるので履かず嫌いせずにぜひ合わせてみてください!!

レザーはデュプイのアニロー!

このart2695のレザーはフランスのタンナー(革なめし業者)、デュプイ社のアニローカーフです。革質が良いで知られるJ.M.WESTONの180シグネチャーローファーなどでも採用されるレザーですね。(もっと言っちゃえばデュプイ社はエルメス傘下ということで世界でも随一のクオリティを誇るタンナーです)

このツヤ感!

エンツォボナフェでは、革が違っても型番はart2695なので、グレインレザーやはたまたコードバン、あげくにペッカリーまで展開されているバリエーションの豊富さは特筆モノかもしれません。あなた好みのビットローファーを見つけちゃって!!!

コードバン、7.5が1足だけ……!!


ペッカリーは6.5!柔らかくて履きやすそう……


そんな中、いわゆる黒の表革ということでかなりスタンダードな、もでぃふぁいど のビットローファー。

茶色やスエードも含めて魅力的な選択肢がいっばいあって悩んだのですが、

まぁ、アウトレットで奇跡の出会いをしたのがコイツだったので

ブラックはカジュアルになりがちな夏場のコーデを引き締めてくれますし、ボトムスの色も選ばないので重宝しています。

黒金という色の組み合わせもTHEって感じでアイコニックですが、せっかくこの形のビットローファー買うならまずはここから?感もあるので、魅力的な革のモデルが目の前に出てきちゃったらヤバいと思います。(崩壊)

あ、アニローはアニリン染め(染料で染めた)レザーなので、テクスチャが自然です。透明感がある、なんて形容されるレザーの種類です。

アニリン染めレザーは顔料でカバーできないので元となる革(原皮)が高品質(傷などがない)でないと作れません。ナチュラルメイクのすっぴん美人というわけです。

大ぶりなビット!

件のファッションビットです。笑

これじゃ馬が噛めないじゃん!というのはさておき、ボナフェのart2695のこのビットは他のローファーよりかなり大ぶりで目立つものです。

さまざまなビットローファーがあることは承知の上で、1足はこのTHEビットローファーも欲しいですよね。

ビットの形もそうですが、色も金や銀、質感もグロッシーなものからマットなものまでバリエーションがあるので、ぜひ好みのものを見つけてみてください。

質実剛健なサドル!

ビットが乗るこのパーツをローファーではサドルと呼びます。

ここは甲を抑えるためのフィッティングの要ということもあり負荷がかかる部分です。というわけで、しっかり縫い付ける必要があるのですが、ボナフェのビットローファーはこんな感じで大迫力の縫い付けがされています!!

ほぼビーフロールね。ビーフロールになっちゃうとアメリカンな感じも出てくるので、塩梅としてはこんなもんということかと。

この肉厚なレザーを力でねじ伏せている感じ、ときめいちゃいます。

つかみが深い、深すぎるヒール!

さて、このビットローファー、意匠で語られることが多い靴かと思うのですが、そこはさすがのエンツォボナフェ。木型もすごいぞ!!!

ヒールもこのカタチです。たまんねぇ!!

ヒール部分の革の面積を大きくとるような形でヒールをエレガントに見せています。滑らかなレザーの質感が際立つ良いデザイン。シームレスヒールだとドレッシーすぎるところ、このローファーに見合う良いさじ加減の意匠ですね!!

このヒール、履き心地もすげーのですが、それはまた下の項にて。

カラス仕上げのレザーソール!

このエンツォボナフェのビットローファーはEdifice別注です。おそらくオールブラックというテーマの別注になっています。

インソールも黒でしたし、ソールも真っ黒(カラス仕上げ)でした。

試着時のソールすり減り防止のフィルム、良いと思います。剥がしたら、ちょっとカラス仕上げの染料持っていかれてグレーになりましたが……削れているよりはね。

ソールはどこのレザーか明言されていませんが、繊維が密に詰まった良いソールだと思います。履いてみた感じ、しっかりコシもあって減りも穏やかです。

ENZO BONAFE(エンツォボナフェ)ビットローファーの履き心地!

エンツォボナフェのビットローファーの履き心地……それは、包み込まれる様な深めのフィット&ナチュラルな返りで楽しめる自然な歩きです!

深めのフィット!!

エンツォボナフェのビットローファーでまず感じたのが、深めのフィットであること!ちゃんと表すのであれば、まず履き口は狭めです。履くのには靴べらが必須ですし、脱ぐときもスポッと脱げる感じじゃありません。しっかり靴を持ってヨイショと引き抜く感じ。

そんなに履き口小さくは見えないので不思議!

革靴の中ではカジュアルな靴とされるローファーは、脱ぎ履きもいたって楽ちんでカジュアルな物が多いですが、エンツォボナフェのビットローファーはそのあたりキチっとしています。

そのぶん履きにくく脱げにくいということは、裏を返せばフィット感が抜群であるということ!!!

ヒールも大ぶりに見えてかなり設定が深く、しっかりカカトについてきます。パラブーツのランスと同じくらいの深さを感じました。

ナチュラルな返り!!

もでぃふぁいど がマッケイ的な作りの靴を買うのは実に100足以上のブランクを挟んでいるのですが、

マッケイって柔らかいね!!!!

グッドイヤー製法の靴ばっかり履いていたので硬さに慣れていたというか、別に気になっていなかったのですが、このボナフェのトゥボラーレ製法で作られたローファー履いたら全然違いました。

グッドイヤーで同じ柔らかさを目指すなら、履き下ろしてから20kmくらいは歩かないといけない気がします。アッパーレザーの種類によってはもっとかも。

そういう意味で、エンツォボナフェのビットローファーは当初から履き馴染んだ靴かの様に自然に靴底が返りました。

なので、カカトは設定の深さもあって最初からついてくるので靴擦れゼロ。ありがたいことです。

歩行時の重心の移動も自然にできます。ナチュラルな歩き心地であると強く感じました。言い換えるなら、裸足に近い、みたいな?

その反面、マッケイの宿命でクッション材的な中物はほとんど入れられないので、立ち仕事とかにはキツイかも。硬い床の上にずっと立っているとそこそこ疲れを感じます。(履き下ろし日の前日に12km歩いたからかもしれませんが)

歩いている方が楽な靴ですね。ローファーなのに。もしくはローファーらしく、車や電車移動がメインの日なら活躍しそうです。

木型もなかなかフクザツ!

そのほか甲やボールジョイント、踏まずのフィットは全体的にフィットさせる感じで特筆すべきはありませんが、非常に良好で安定したフィット感でした。出自が1953年の割に(木型が同じではないかもしれんですが)、かなりナウい履き心地です。J.M.WESTONの180よりは、Crockett&Jonesのモディファイドラストである376/375あたりに通ずるモダンさ。

抜けにくいローファーをお探しだったら試してみて損はなし!!

ENZO BONAFE(エンツォボナフェ)ビットローファーのサイズ感!

ウワサによれば、そこそこ伸びるという話ですが、アッパーレザーの種類によって大きく違うことでしょう。(たとえばコードバンは伸びにくいです)

もでぃふぁいど は実測25.4cmで7をチョイス。

ほどほどにタイトな感じですが、全体が当たっているのでこれは大丈夫なはず。伸びてもいいのよ。緩くやっていこうぜ!!!

グッドイヤー製法と違って中物、詰め物(コルク等)がたくさん入っているわけではないので、沈みを期待してキツキツのサイズを買うのはやめた方が良いと思います。

むしろ、サイズを下げなくてもカカトがついてくるようなフィッティングこそがこの靴の最大のポイントかも。

そもそもグッチもイタリアのブランドですし、イタリアの方ってそんなタイトなフィッティングを好まなそうかな、とも思うのですがどうでしょ?

ENZO BONAFE(エンツォボナフェ)ビットローファーのオススメ度は!?

最近、どの靴を合わせてもなんだかマンネリだな〜、という方には手放しでオススメしたいです!!!!

モノ単体としてのインパクトはデカいですが、合わせると意外とすんなり馴染みます。このあたりは夏のうちにぜひお試しいただきたいところ。現在、Beamsさんではスエード/サドルスエードのモデルがセールにかかっているようですよ。

総合的には好き嫌いが別れる見た目でもあると思うのでオススメ度は8/10くらいでしょうか!必要なら買え!!試しても損はなし!!という感じで。

一般的にはブランド力でグッチの方を買っちゃうのかもですが、ボナフェも通で良いと思いますよ。

が、靴バカ的には大満足の1足です!!靴のラインナップで考えれば、

  • J.M.WESTONの180シグネチャーローファー(コインローファー/ペニーローファー)
  • Aldenのタッセルローファー
  • Enzo Bonafeのビットローファー

世界3大ローファー、ローファー御三家にしちゃって良いんじゃないですかね。元祖シリーズでいくならBassでも良いですけど。Aldenのコインローファーも好きですし、ジョンロブやクロケも好きですけど。

靴好きとしても意外と通らない道なので、ビットローファーお持ちでない方はぜひ試してみてください〜。


コードバンとか一期一会な気がしてソワソワします。

今日のモディファイ!

ビットが金だと何かと時計やらメガネやら金が入ったものが欲しくなるという危険性はありますが、ダブルモンクとかもそうなので良い機会と思って一式揃えましょう!!

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