大興奮のテンションを感じていただきたい!
LIGHTBULBとは!
いつも読んでくださっている方には、既に説明無用の靴ブランドですね!!詳しくはこちらをご覧ください!
もでぃふぁいど はこちらのLIGHTBULBの公式アンバサダーをやっております。
LIGHTBULBもでぃふぁいど!オリジナルモデル爆誕!!
オリジナルモデルが始動したお話は、4月の初めにしていました。
4月初め!?!?当時「長期的な開発になりそう」というお話だったのに!?まだ5月にもなってないのに1stサンプル上がってくる!?!?
それもこれも、LIGHTBULBのお2人の仕事の早さ、そして何よりその技術力があってこそ!!
だって自分で言うのもなんですが、このモデル、少なくとも既製品でこの形は見たことないぜってやつです。
しかし、普通のものを作っても仕方ありません。オリジナルモデルであるからには、トラディショナルの範囲内でアバンギャルドであり、クラシックな魅力がありつつも、それをエボリューションする姿勢が感じられ、それでいてなおオーセンティックな薫りをも存分に感じられるモデルであって欲しい……!!
ようするに、普通からちょっとヒネりたい。モディファイってオリジナルを尊重しつつ自分なりに味付けをする。そういうもんです。
というわけで、そんな1stサンプルがこちら!!!インスタをご覧になった方、答え合わせのお時間です!
果たしてどんなモデルなのか!?
こちらです!!
LIGHTBULB×もでぃふぁいど!オリジナルモデル1stサンプル!!!!!
キャップトゥ!!
そう、現在のLIGHTBULBのMTOのラインナップにはパンチドキャップはあれど、キャップトゥはありません。(ディテール変更でオーダー可能)
なので、今回は王道中の王道、一家に一足!キャップトゥをオリジナルモデルということで作ってもらいました!!!!
……と見せかけて。
いや、たしかにコレ、靴の類型としては、キャップトゥです。キャップあるし。冠婚葬祭OKです。見た目だけなら皆さんが既に1足は持ってるやつ。
しかし、そんな皆さんが既に持ってるようなモデルを作ったとて、欲しくならないじゃないですか。もでぃふぁいど は皆さんをさらに革靴の沼の深みに突き落とすモデルを作るのが目的です。
なので、さんざんやった前フリからもそうですが、これは当然にノーマルなキャップトゥではありません。靴バカの変態的変態的こだわりがみちみちに詰まっています。(言っちゃう)
しかし、このサンプルを作った外林さんをして「どう見てもキャップトゥにしか見えない」と言わしめるのは、その技術力の高さゆえ自然に見えているということでもあります。
ちなみにサンプルのため、底は簡易底付けになってます。実際はちゃんと革底かつ仕上げもバッチリなので悪しからず。
というわけで、このサンプルの制作・開発工程を遡っていってみましょう。
底付け前ですね。この写真をして「キャップトゥにしか見えない」という話があったので、まぁ、キャップトゥに見えます。正統派キャップトゥです。カッコいいです。
もうちょい手前の工程。LIGHTBULB必殺のハンドラスティング……手作業による釣り込み前ですね。この時点でピンときた方、相当な猛者です。(もでぃふぁいど もイチ読者だったらぜんぜんわからないと思います)
さらに開発まで遡って……ほぅ?
ほぅ????
ほうほうほう????
ほうほうほうほうほう???
ほう……なるほど……???
……ということで、お分かりいただけましたでしょうか?
この靴、
キャップトゥであり
ホールカット
なのです!!!!
正しく表現するなら、ホールカットプレーントゥにキャップを被せたもの。
世界でLIGHTBULBにしかラインナップされない酔狂モデル……!!
LIGHTBULB×もでぃふぁいど!オリジナルモデルのディテール!
というわけで、この靴はホールカットなのでヴァンプのラインは当然イミテーションステッチです。
ホールカットにイミテーションステッチの既製靴と言えば、アンソニークレバリーのチャーチルとか、エドワードグリーンのインヴァネスあたりが有名でしょうか。
ステッチに油性のクリームさえ入れてもらえば、継ぎ目がない分、通常のキャップトゥより雨に強くなるポテンシャルがある!!!
そして、LIGHTBULBのシグネチャーかつ、靴好きはなんだかんだ憧れのスワンネックです。柔らかで優美なラインはLIGHTBULBのお2人の人柄が出てるよう。
ヒールは眺めて美しさにため息、磨いて感触が楽しいシームレス……!!
ただ、完全シームレスのホールカットはMTOだと木型の占有期間などの問題で難しいので、正確には縫い目を内側にずらしています。完全シームレスはLIGHTBULBのビスポークラインなら可能!?もでぃふぁいどを超えろ!!!
(シームレスのホールカットはそこそこ無茶な製法ということもあり、クラックやシワができやすく寿命的にどーなん?という意見もあるようです。-shoegazing.comより。その点、こちらは安心!)
この縫い目をずらすディテールは、
- ステッチをぶつけづらい内側にズラすことで糸のほつれを防ぎ、靴の耐久性を上げること
- シームレスヒールの美観
を両立する目的で採用しました。ハンティング行ってそのままパーティーにいける靴と謳われていたとされるJ.M.WESTONのハントダービーからの着想。カントリーかつドレッシーという稀有な仕様なのです。
で、ただ縫い目ズラすだけじゃん?と思われるかもですが、フィッティングに悪影響が出ないか?サイドの継ぎをいかに薄くして美しさを追求できるか?というところまでしっかり検証された上で採用されているのはコダワリポイントです……!!!!そんなおかげでフィッティングもバッチリ!!
履いて合わせるとこんな感じ。股の内側に潜りこみ、地面を這うように靴を見つめてくる変態に遭わないかぎり見えないことでしょう。
結果的にこのヒールが顕現しているわけです。ああ磨きた……手元にあるんだから磨いて良いのか!!!
そしてこのデザインの要、トゥキャップ!これはもちろん、普通のキャップトゥに見えるようにというデザイン上の必要性もありましたが、単純にトゥの保護というキャップ本来の機能もちゃんと取り入れたかったので採用。タフに履いて欲しいという思いも込めて。なので、イミテーションとせず敢えてのマジキャップです。
トゥキャップについては、まだ仕様を検討中です。デザインに寄せるか、機能に寄せるか……?
とにもかくにも、キャップの大きさ含めめっちゃ良いバランスです!!こうしたクラシックなバランスがお好きな方、たまらんですよね??
1stサンプルなのにジョンロブと比べたくなる完成度!というわけでvs John LobbのPhilip2。いやコレ……遜色ない……!!
そして特筆すべきはその履き心地&歩き心地!!
通常、革靴のアッパーはパーツを縫い合わせる際に薄く漉いてから縫い合わせますが、それでも縫い合わせ部は他より厚く固くなります。
一方、このモデルはホールカットということでキャップと内側の縫い目以外は革が重なっているところがありません。
すると何が起きるか?靴の返りをアッパーが全く阻害しないので、LIGHTBULBの最高の歩き心地をフルで楽しめます!
また、足入れ感も特徴的で包み込まれるよう。靴下のようってこういうこと!?!?これは想定外のメリットでしたが、Philip2と比べても明確に感じられる感覚でした。
キャップ部もさすが設定が素晴らしいのか、屈曲時にも噛まれに繋がるような革が寄る感覚がなく、とにかくナチュラルで柔らか!
既にこの靴下感的履き心地だけで普通のキャップトゥに戻れない感じがビンビンします。
これ、ちょっとすごいもの発明しちゃったかもしんない……!!(LIGHTBULBのお2人のおかげです)
LIGHTBULB×もでぃふぁいど!オリジナルモデルの開発背景!!
さて、なぜこんなデザインにしたかというと、LIGHTBULBらしさを活かしたかったのと、もでぃふぁいど 本人の想いと、両方あります。
LIGHTBULBらしさを生かしたかった!!!
もでぃふぁいど が思う、LIGHTBULBらしさとは?この1年アンバサダーをつとめさせていただいて感じたのは、
- こだわりのトータルコンタクトラストの美しさと歩き心地
- フィッティング1stにかける熱意と技術力
の2つでした。(4つか?)
つまり、木型と技術。この2つを最大限生かせるモデルは……?と考えたとき、
- 木型が美しくないと成り立たない
&歩き心地がもっともアッパーに阻害されにくい - 手作業による釣り込みの技術力が存分に感じられる
という点で、ホールカットが浮かびました。ちょうどLIGHTBULBでもホールカットの展開を目論んでいたところということで、この方針は決定!!
もでぃふぁいど 個人の思いとアンダーステイテッドとクワイエットラグジュアリーと
ホールカットって、上で述べたような点から、靴好きの見果てぬロマンというか、とにかく最高なんですよ。木型も技術力も洗練されていないと作ってもカッコいい靴にならないという点で、ラインナップされている時点で究極の1足ですよね。
でも、もでぃふぁいど はこれまで100足以上靴を買ってきて、ホールカットは1足も縁がありませんでした。世の中に素晴らしいホールカットはたくさんあるのですが……
で、それがなぜかと言うと、靴に対して気後れしちゃうからなんですよね。
もうこれは完全に個人の感覚なのですが、ホールカットってセクシーすぎて、ちょっと、もでぃふぁいど のイメージに合わないというか。そんな伊達男じゃないので履けない!ってなっちゃう。笑
またホールカットは靴の見た目も、良くも悪くも「他と違う」というのが1発でわかってしまうので、なんかパーティーとか披露宴とかに履いてって主賓に「なんか僕よりすごい靴履いてますね」とか言われたくないんですよ。(自意識過剰)
さらに、ホールカットって1枚革で作ってあって、たたずまいの美しさを見てとるモデルと解釈しています。傷つけてはいけない美しさというか。例えるならば、高嶺の花、深窓のご令嬢。
それも憧れるのですが、やっぱり日常的に付き合うならラーメンや牛丼で喜んでくれるくらいのフレンドリーさが欲しいです。何の話でしたっけ?
なので、今回はタフさを求めてキャップをつけたり、ヒールシームをずらしたりというモディファイをお願いしました。これで少しお近づきになりやすくなった……というか、外林さんをして「イミテートしすぎたかも」と言うレベルでキャップトゥです。靴マニアでも、この靴がホールカットとはなかなか見抜けないことでしょう。
木型の美しさも、歩き心地も、手釣りの技術力も、自分だけが知っていれば良いのです。
カッコいい言葉でいえば、LIGHTBULBらしさをアンダーステイテッドな文脈で、かつ存分に堪能できるのがこのモデルです。
流行的には、実は(ほぼワンピース)というゼータクな革の使い方をしているのにもかかわらず敢えて隠しているという点で、クワイエットラグジュアリーとも言えるはず。
ただし見た目はキャップトゥなので流行に左右されるようなもんではないですね。言わずもがな、不朽のデザインになっています。
また、ホールカットの靴のフォーマル度ってどうなん?という話があるのですが、この靴はその問いに対する1つの回答でもあります。キャップがついていれば、冠婚葬祭OK、ビジネスももちろんOK!
ただし、相当な猛者に「なんかその靴……実はすごくないすか?」と言われれば喜んでお話しする引き出しはいっぱいです。相手を選んで存分に語っていただきたい……!!
というわけで、もでぃふぁいど の「誰にもわからないよう黙々と変態的技巧を凝らした靴を履いていたい」という想いを具現化したのがこの靴です。実はこういうやつが1番ヤバいんだって。
LIGHTBULBならではのデザインに!
さて、「ホールカットという靴は見た目からホールカットであるということがわかるから良いんだよ!!」という向きもあるかと思います。
これは、普通のホールカットもラインナップされるので、ぜひそちらをオーダーいただくとして。笑
しかし改めて考えてみると、この「ホールカットであることを敢えて隠している靴」というのは、せっかく手をかけて作ってもパッと見ではわからないという点で、「やる必要ありますか?」と言われ白い眼で見られた挙句、LINEは既読スルー、初代アンバサダーはそのまま黒歴史となり、何事もなかったかのように初代アンバサダーの再募集が始まっても仕方のないシロモノです。
しかし、その酔狂に乗っていただき、かつ
この適度に無駄(褒め言葉です)な技術力…遊び心?の感じが、靴好きには響きそうな面白さがあるので形にしてみたい
とおっしゃってくださった外林さん、Go出していただいた野口さんのお2人には感謝感謝です!!!
もうここでしかないデザインだと思います。これだけ語られる場がないと意味を成さないデザインなので、一般に既製靴として流通することは今後もないでしょう。いろいろ語らなければ、ただのコストがかかるキャップトゥなので。笑
そして、逆にビスポークするならホールカット感を際立たせるためにキャップもイミテーションにする方が多そう。そうなると、正真正銘LIGHTBULBにしかないデザインなのでは??
そして履き心地/歩き心地は言わずもがな当代きってのLIGHTBULB。もでぃふぁいど は一度履いたらもう気軽にその辺の靴を買えなくなっています。
この靴を検討するにあたって、
- 卓越した技巧を内に秘めた酔狂なホールカット
- 異常なこだわり製法で作られたキャップトゥ
どちらの文脈でも都合の良いほうで受け取っていただいて、ぜひワードローブに加えていただきたい!
個人的には、雨でもガシガシ履ける異常なこだわり製法キャップトゥ……というかホールカットだよな。ホールカットはまだ持ってないからOK!と靴棚に滑り込ませ、その履き心地から「気づけば本命キャップトゥより活躍してる!?」という座を狙っています。よろしくお願いします!!
今日のモディファイ!
このモデルにしてもこれまでの取り組みにしても、もでぃふぁいど は金銭的な報酬をいただいていません。
でも?靴で還元してもらえたら万々歳!というわけで、このモデルが売れた暁には次のモデルの開発資金となることになっています!笑
今年はLIGHTBULBでホールキャップをオーダーしよう!!
今ならシューツリーもついてくる!!(2024年現在他のモデルでも元からついています!)