知っておけばいいことあるかも!ないかも!
The Brannock Deviceとは??
ブランノックデバイスとは、アメリカのBrannock Device Companyが生産する足の大きさを測るためのメジャーです。
チャールズ・ブランノックさんが開発したこのデバイスは今や世界中で使われています。
日本ではトゥモローランド等のセレクトショップから、オールデンの代理店であるラコタハウス角店舗、そしてアナトミカ、さらに もでぃふぁいどの自宅まで様々なところで目にすることができます。
裏面を見ればわかる通り、アルミ剥き出しの無骨さが最高にタフだぜ。そんな理由で個人で買う人はほとんどいないと思いますが。笑
ちなみに公式サイトによれば、「このデバイスは頑丈すぎて壊れない(=売れない)のでプラスチック製にすべきだ」とチャールズさんに親切にもアドバイスした方もいらっしゃったようですが、チャールズ氏は受け入れなかったとのこと。アツいですね。
彼の死後、会社自体は買収されてしまいましたが現在でもこのようにデバイスを生産して販売しています。
Brannock Deviceの特徴!
さて、このデバイスの特徴は主に土踏まず(アーチ)の長さを測れるところにあります。
普通は足の縦の長さを測って靴のサイズを決めますよね。
もでぃふぁいど であれば、右足25.4cm、左足25.2cmです。よって、選ぶ靴は革靴なら25.0cm〜25.5cm。イギリス表記ならUK7くらい。アメリカ表記ならUS7.5くらい。
しかし、しかしですよ。
同じ足長25.0cmの人でも
- 「足指の長さが3cmの人」
- 「足指の長さが1.5cmの人」
では、足本体(?)の大きさってずいぶん変わりませんか??
ちょっと例を変えて極端な話ですが
- 「足長25.0cmで足指3.0cmの人」
- 「足長24.0cmで足指2.0cmの人」
って、指以外の大きさ、容積で見たら同じ(どちらも22cmのアーチ長)かもしれません。でも足長を基準にしたら選ぶ靴は1サイズ異なるんですよね。不思議。
つまり、足長だけで靴を選ぶのって本当に正しいの??(=アーチ長を基にサイズを決めるべきでは??)という考えがブランノックデバイスの根本にあります。
そのためブランノックデバイスでは足長だけでなく、アーチ(土踏まず)の長さも重視してサイズを決めます。(ただし足長を無視するわけではありません)
このアーチを合わせるというフィッティングの考えかたはアーチフィッティングとも呼ばれ、矯正靴や整形靴の分野で採用されています。また、(靴に限らず)フィッティングに強いこだわりを持つショップであるアナトミカもこの考えでフィッティングを行なっています。
実際に もでぃふぁいど がぁ自分で)やってみました。いざブランノック!!!
(説明書にはしっかりシューフィッターに測ってもらうこと、とかいてあります。笑)
測定(つかいかた)!!
使いかたは簡単です。左足からいってみましょう!!
乗る!
書いてある通りの側のカカトを乗せてガイドにピッタリくっつけます。
このとき、左右均等に体重をかけて、足が最大限広がった状態で測ります。
足長を読む!
次に足長を読む。7.5-8くらいでしょうか。
ちなみにこの写真は撮影後に回転しています。測定者に見えるよう数字が記載されているので1人でやっているとちょっと不便です。でも慣れます。
アーチ長を測る!
次にアーチ長を測ります。
ボールポイントスライダーを移動させて拇指球にピッタリフィットするところで止めます。8.25くらいでしょうか。……おや?
これも写真を回転しています。奥側にカカトがあります。
足長とアーチ長を比較!
次に足長とアーチ長の比較をします。足長は7.5-8。アーチ長は8-8.5の間。「間に入ったらデカい方」という注記もあるので、足長8、アーチ長8.5ですね。
ここでは大きい数字を採用します。アーチ長の8.5です。
つまり、もでぃふぁいど は足長の割に指が短いと(=アーチが長い)いうことです。アーチ長が8.5相当あるのに、指は8相当の長さしかない。薄々そんな気はしていましたが。
ここでの比較ですが、大きい数値を優先してサイズを決めるぶんには問題ありません。
逆にアーチ長より足長が長い(指が長い)場合は、アーチ長を基にしたサイズだとつま先があたるのでアーチフィッティングは捨てて足長を基にサイズを決めます。今回のケースだと、足長が10あればアーチ長の8.5は気にせず10を選ばないとつま先が当たります。
指が長いケースでアーチをフィットさせたかったら最早ビスポークしかないのかな……。
幅を測る!
次に幅を決めます。幅を決めるスライダーを足に合わせて、先ほど決めたサイズのメモリを読みます。
8でも8.5でもDウィズの範囲内です。
このようにアメリカ靴のサイズ表記におけるウィズは純粋に上から見た幅だけで決められています。(足囲と違って足の薄い厚いは関係ない)
いやしかし、こう見ると「サイズハーフ上げてウィズを下げると同等サイズとして履ける」という話がそんなに単純なもんでもないんだな、と言う気がしました。8でもD、8.5でもDじゃん!
反対の足も測る
同じような写真が続くので割愛しますが、右足も足長8、アーチ長8.5なので8.5、Dウィズでした。
左右差がある場合は大きい数字を優先します。
結論!!
ブランノックデバイスでの測定結果、もでぃふぁいど のアメリカ靴のサイズは!!
8.5D!!!
そかそか〜なるほど〜。
いくつかの疑問が解けました。
バリーラストのサイズの謎!
ブログ仲間である『首藤革靴出張所』の首藤氏の足の大きさは、もでぃふぁいどより数mm小さい程度です。
首藤氏:右25.1cm, 左25.2cm(ブログより) も(略):右25.4cm, 左25.2cm
左に至っては同じ。靴の趣向が似ていることもあり「同じラストなら大抵ハーフサイズずらすと履ける」ということでこれまでお互いに買い物が捗ってきたのでした。(そして手放すタイミングも大体同じ)
しかしオールデンのバリーラストではちょっとおかしなことが起こりました。
首藤氏:6.5D も(略):8D
え??何この差???1.5も違う??
また、オールデンブログの大家である『前略、物欲が止まりません』のShogoさんからも「も(略)は足長にしては大きいサイズですね」とのコメントもあり、おや?と思っていたのでした。
こんなことから薄々「足自体はデカいが指が短いのでは??」という気はしていたんですよね。今回ハッキリしたので非常にスッキリしました!!
許すまじラ○タ(笑)
8.5D。そこで脳裏をよぎるのがこの靴。
Alden54321 (モディファイドラストVチップ#8コードバン)7.5D!!
ぜんっぜんアーチフィッティングじゃない。笑
どうりで土踏まずの後ろ側に突き上げ感があるはずだ??
今回も薄めの靴下でしたが、更にめっちゃ薄い靴下で測り直しても、むくみが取れた状態で測っても、アーチ長はあまり変わりませんでした。どう頑張っても8以下にはならない。
アメリカの各ストアで「モディファイドラストは大きめのラストのため、本来のサイズ(8.5D)よりハーフ下げる(8.0D)のが定石」とされていますが、それでも7.5Dにはならないな……。足長だけ読めば別ですが。
いやいや、お前がこの数年で太ったんだろとか、そういうのもあるかもしれません。
が、もでぃふぁいど はこのVチップを購入してから1ヶ月後、再訪問時に別の店員さんから「え?7.5D履いてます?小さくないですか?測定の結果8Dですよ?」と言われたことを忘れませんよ……。ふふふ……。
まぁそんな淡い思い出は置いておいて。ブランノックの使い方を知り、きちんと店員さんにも確認しつつサイズを決められれば事故はないかと思います。
モディファイドラストのサイズどうする問題
さて、そして浮上するのはモディファイドラストのサイジングです。アーチ長は8.5D。通説ではハーフサイズ下げて8.0D。
バリーラストも同様にハーフサイズ下げるべきラストとされていますが、たしかにこれは8Dが最高に快適です。
でもそれってアーチ長合ってます?
アナトミカでアーチフィッティングを元にサイズを決めると、羽根がかなり閉じることは有名です。もでぃふぁいど はモディファイドラストの8Dを履いたことがありますが、羽根は1.5cmくらい開いていました。1.5cmあれば沈みを考慮しても、閉じ切ることはなさそう。ということは8.5Dで閉じ切るくらいが妥当か??
やはりアーチフィッティングを採用するとしたらこの状況で8.5Dを選ぶのかな……。
というわけで足本来のサイズは判ったものの、モディファイドラストのサイジングについては、まさかのさらに混迷を深める事態に。
8Dか、8.5Dか。8.5Cなんてのも入りそうな気もする。はて、、、
どなたかアナトミカでフィッティング経験があれば教えてください!!!笑
記事公開前に追記!!
『ロンドン散財見聞録』のkaisei_yaさんに教えていただきました!!
アナトミカでのフィッティングは、ブランノックデバイスの測定値どおりのサイズを適用するとのこと。
今回のもでぃふぁいどでいえばそのまま8.5Dでいいわけです。
これで迷いが晴れました。情報ありがとうございました!!!!!
2021年はマイサイズオールデンを求めて三千里!!!!
いやでも今日計り直したら8C……??
今日のモディファイ!
このブログでモディファイドラストの話題を出すとモディファイドまみれになってしまう、、、
アメリカサイズ、ヨーロッパサイズの違いを認識していなかったり。
更にブランノックデバイスによるレングスとアーチレングスを考慮したサイズの違いや。
さらにさらに、オールデンはほぼウィズが選べないために足幅がある人はさらなるレングスアップで、ラ○タハ○スのブランノックデバイスでの計測は賛否別れてますよね。
アーチレングスのサイズが一番長いのであれば。
モディファイドラストは羽根が閉じ切らなければアーチレングスで選んだほうが、土踏まずが気持ちいいのでおすすめですね。
踏まずと靴紐だけでフィットさせる感じになります。
通りすがりのチワワ様
コメントありがとうございます。
実際靴マニアばかり雇用するのは難しいでしょうし、USサイズの靴しか扱ってなければUK?EU?知らんがな!!というのもわからなくはないので、こういう怪しい判定はじゅうぶん起こりうるかな、とは思います。笑
そのぶん、消費者がブランノックの正しい使いかたさえ知っていれば防げる事故だとも思いますので、今回わざわざ使いかたをまとめてみました。
サイズについてのアドバイスもありがとうございます。
色々測ってみた結果、8Cか8.5Cあたり選んでおけば羽根は閉じ切らずにすみそうです。来年の課題として持ち越しつつ、長期戦で最適サイズを探していきたいと思います。笑
メンションまでいただき恐縮です、、何かしら参考になれば幸いです。実は私も54321(カラー8)を7.5Dで持ってます(笑)当時はオールデン素人で、ふらっとSHIPに行って勧められるがまま7.5を買ったんですが、後々ラコタやアナトミカ基準で買った靴と比べると、おっしゃるとおり踏まずの盛り上がりが後ろに来ていて全然気持ちよくないです。。このまま履いても何となく残念な気持ちになるので、手放そうかなと思ってます。笑
kaisei_yaさま
いえいえ、こちらこそ大変に助かりました。ありがとうございます!!
たしかハントのサイズがkaisei_yaさんと同じだったと思いましたので足のサイズは近そうです。
54321の7.5D、最近コレじゃない感あったんですよね、、、
つくづくモディファイドラストはオールデン素人に厳しいです。当時の自分に10万以上かけて買ったその靴、サイズ合ってないよと言ったらどんな顔するでしょうか……笑
そして手放そうと思うのも同じタイミング、、、笑
来年買い直しの1足になる気がします。