埒外からの刺客でしたよ(晴々とした顔で
不意のJohnLobb!!!
個人的にパラブーツのWilliamが気に入っていることもあり、いつかJohnLobbを買うならWilliamなんだろうな、とはほんわか思っていましたところ、なんやかやがあって足元に来てしまいました。
ShogoさんとこでJohnLobbだぁ〜なんて眺めていた矢先の出来事でした。
この堂々たる風貌!履き主が靴の格に大いに負けている……!!
いつかジョンロブが似合う男になってやる!!しかしそれは何年後??間に合うか寿命??
そもそもジョンロブ履いてる俺、カッコいい!!みたいな気持ちが全然ないんで(「何履いたってしょせんオッサンだからなぁ」みたいな性分です)、目立たずに履いて1人でニヤニヤしてたいなぁ。
たぶん平気でユニクロとかに合わせて、牛丼とか食べてると思います。
というふうに恐る恐る触れ合ったりカジュアルに履いたりしています。
John Lobb Williamの歴史!
ジョンロブのウィリアムは、エピソードに事欠かない1足ですよね。なんたって元祖ダブルモンクストラップといえばジョンロブのウィリアムです。
ウィリアムが生まれたのは1945年、当時ジョンロブはビスポーク(靴のオーダーメイド)界の頂点を極めていました。
その名声はイギリス王家にも届き、、、ある日お洒落の天才ウィンザー公からオーダーを賜ることになりました。ビスポークなので当然デザインは自由です。
もでぃふぁいど は何回生まれ変わってもこうはなれまい。
(公の人生が羨ましいかといえばあんまり……ですが)
ジョンロブ当主2代目、ウィリアム・ロブ氏は飛行士のブーツ……アビエイターブーツのデザインを取り入れたブーツをウィンザー公に提案します。これがダブルモンクストラップが世界に生まれた瞬間です。でもブーツなんすよ。
つまり、ジョンロブでもたまに取り扱いがありますが、このブーツのが先にできたわけです。
このなとりやさんのやつ、カッコいいなぁとずっと思ってたんですよね、、、。
ちなみにアビエイターブーツはこんな感じのブーツです。
ストラップが足首に1つ、履き口に1つ。これを足首丈のブーツにまとめたわけですね。
で、これを短靴にアレンジしたのが今我々が良く知っているWilliamです。
ジョンロブがエルメス傘下に入り、ジョンロブパリになってからも永遠のスタンダードとしてラインナップされています。
汎用性のあるこのデザインはさらにカントリーの要素を取り入れてカジュアル化し……というのはまた別のお話。
ミュージアムカーフ!
ジョンロブのミュージアムカーフはイタリアのタンナー、イルチア社のラディカという革であることが知られています。ボックスカーフの1種で、手作業で染められた独特のムラが特徴です。
今回この靴の色はダークブラウン。
目立ちすぎず、でもアクセントになるくらいの良い塩梅のムラ感であると思います。トゥはワックスかけても楽しそう!
ジョンロブの革質は?
ジョンロブの革質は最高だぜええええ!!
と言われたり、
最近は質が落ちた
と言われたりと各所様々ですが、個人的には間違いなく既製靴として最高峰の革であると思います。これを良くないと断ずることは、もでぃふぁいど にはできない……!!
手持ちの靴の革と比べて感じるのは、際立つ透明感とキメの細かさです。
感覚的なものなので言葉にしづらいですが、非常にキメ細かい革なのでヌメっとした光沢を湛えています。
油性のクリームで磨いたときのギラっとした輝きとはまた違う輝きです。
9795ラストの履き心地!
9795ラストはジョンロブの中でもウィリアム専用のボリューミーなラストです。
が、この靴はDウィズなのでそこまでボリューミーには見えません。
ジョンロブは下2ケタがラストの登場した年になっているので、1995年に出てきたラストですね。以前の主流だった8695と同時期だったこともわかります。
また、「86」95と「97」95、ということで上2ケタをズラした番号であることからも同時、もしくは9795がすぐ後に追加される形で作られたんだろうなと。
履き心地にフォーカスすると、ウィリアムの9795ラストはスタンダードな英国靴らしく足全体をガッシリと包み込むような履き心地です。他でもあまり触れられていないのは、オーソドックスすぎて言葉にしづらいからなんだろうなと。笑
たしかにこの靴にはガジアーノ&ガーリングのような特筆すべき吸い付く感じもなければ、エドワードグリーンのような足裏や踏まずのフィット感もほとんどありません。
9795ラストはガッシリとタイトめに合わせ、革が馴染んでコルクが沈めば、持ち主の足にフィットした最高の1足に……。そういうチャーチやチーニーに通ずるような英国靴的なエッセンスをビンビンに感じられる1足です。
とはいえ、チャーチやチーニーに比べると踏まず部分も絞られていてサポート感も若干あるので、値段に不釣り合いな履き心地とは思いません。
また、あまり触れられませんが正面画像を撮ってみると、しっかりと釣り込まれて木型の再現性が高いのがわかります。
バックルがあるにもかかわらず、くびれて見えるくらい、履き口周りがしっかり絞られています。
ヒールの中心線に対し、足の前半分の中心線がきっちりズラしてあります。
他のブランドだとこれで「人間の足に本当に合う木型!」とか謳うのですが、ジョンロブは黙ってやります。王者は多くは語らない。
ウィリアム、合わせやすいのでは?
パラブーツのウィリアムも相当合わせやすい1足でしたが、こちらの元祖ウィリアムもじゅうぶん装いに合わせやすい1足です。
結局のところ、「靴としての合わせやすさ」って、「多くの要素(属性)を持っていながら自然な見た目であること」なのではないかと考えています。
スタイルとしてどうか、というのは置いといて、「いや、他の服でこの靴のこの属性を拾ったんだよ」ということであれば、ある程度全体の服装として馴染んでくるのではないかと。
その点、ジョンロブパリのウィリアムって多数の属性を持っているので拾いたい放題なんですよね。
ドレス感:ドレスシューズとして ミリタリー:アビエイターブーツが原型 カントリー:ダブルソール 英国感:英国出身 フランス感:ロブパリ的感性で構築 イタリア感:ミュージアムカーフの感性 茶色:拾いやすい。ネイビーに合わせてよし。
こんな感じでしょうか。
ドレス要素を拾うなら、スーツに合わせるのももちろん可。イギリス的スーツはもちろん、革やフォルムからしてイタリア的スーツにも合います。
カジュアルに合わせるにしても、MA-1等のブルゾンやチノなど、ミリタリー系には合わせやすそうです。もはやカーキのパンツなら何でも合うのでは?
実はロブ「パリ」なんだってんで、セントジェームスなんかのバスクシャツと合わせても良さそうですし、フレンチワーク的パンツにも合いそう。
お洒落ってそういうもんか?と言われれば「さぁ…」と首を傾げるしかないのですが、本人が納得してればそれで良いのでしょう。たぶん。
というわけで不思議と合わせやすい1足、ウィリアムはいかがですか?意外と税込13万とかで買えちゃうんですよ。あの憧れの1足が、実はコードバンのオールデンより安い。
パラブーツのウィリアムより上品にキマるウィリアム、1足いかがですか??
モダンブルーさんのアウトレット(コバの塗料ハゲ)なら12.4万税込ですよ。UK8ラスト1足!!!超絶チャンス!!!
ちなみにWilliamとWilliam2の違いは、トゥのキャップが
ステッチ:William つまみ縫い(スキンステッチ?):William2
となっています。これで君もWilliam博士!!
今回のはステッチなので無印ですね。
シティやフィリップと違い、ウィリアムは無印も2も平行して展開していますので、お好みで選びましょう。
William専用シューツリー!
Williamがジョンロブでフラッグシップ感あるのは、ウィリアム専用のシューツリーがラインナップされているからです。
前の型では、ツリーにもWilliamって刻印が入っていて最高でした。いまは普通にJohnLobbの刻印ですね。
廃盤のウワサも聞いた気がしますが、まだ買えます。
しかしこのシューツリーに関してこれから一悶着あることを当時のもでぃふぁいど は知らなかったのだった……
今日のモディファイ!
次回!ジョンロブのシューツリーを削る男!デュエルスタンバイ!!
私ジョンロブはUK8
Tasuku_de_suさま
ぜひ……!!ぜひ途中で送信されてしまっておるかと思いますので再度いただけましたら幸いです!!
はじめまして。
JOHN LOBBおめでとうございます!
いつも楽しく拝見しております。
私も革靴沼から抜け出せなくなっており、結構な数の靴を所持しております。
もでぃふぁいどさんは私よりも遥かに多くの靴をお持ちだと思いますが、磨く頻度はどの程度でしょうか?
期間だったり、履く回数だったり、何か基準などを決めていますか?
また、月に1度も履けない靴も出てくるかと思いますが、定期的に革の様子を見たりしているものでしょうか?
数が多いとエイジングが進まず、メンテナンスも大変だなあと思う最近です。
RAIさま
コメント&いつもご覧いただいているとのこと、大変ありがとうございます!!
まさに私もおっしゃる通りの状況でございまして。
そもそも共用の靴棚に収まる分、という制約があるので私もそんなに多くはないと思……いたいのですが、月に1回履くか履かないかという靴が出てきてしまうのは悩みです。履きたくて買ったのに履けてないという。笑
で、エイジングも進まないんですよね。困りものです。
磨く頻度については、最低限乾燥しないように、レノベイターやデリケートクリーム、クリームエッセンシャルを手で触ったときに気になったら2-3足に塗る、という感じでやっています。
そうして履くのも磨くのもままならないことに我慢できなくなると断捨離祭りが始まります。笑
もともとズボラな上に趣味なので、履く回数や磨く頻度を決めてしまうとイヤになってしまいそう、というのもあります。
あまりご参考にならないかもしれませんが、こんな感じでぼちぼちやっています。
もでぃふぁいどさん、ご返信ありがとうございます!
いえいえ、とても参考になります。
私も趣味であることを意識して、肩の力を抜いていこうと思います。
それにしても、共用の靴箱からはみ出さない…のくだりは、共感しまくりで笑ってしまいました。
私も同じルールを課されていますが、当然のごとく、はみ出ています 笑。
いつも楽しいブログをありがとうございます!
ウィリアム購入されたんですね!
ミュージアムカーフの色と質感が素晴らしいです。
ドレスも似合いそうですが、カジュアルでもなかなか懐が広い靴だと思います。
トップスをバスクやユニクロのニット、パンツはチノやデニムで靴はウィリアムなんて組み合わせは自分もやってますし(その格好で牛丼も食べます)、是非やってみて欲しいです。
次回予告のタイトルで少しネタバレしてる次回も期待してます!
watagi.kさま
コメントありがとうございます!お持ちのグレインのウィリアム、グレインレザーなのに上品な顔つきで素敵だなぁといつも思っています!
ウィリアムに限らずですが、グレインレザーって良いですよね!
おっしゃる通り、このご時世、カジュアルで合わせやすい靴はありがたいです。
ご教示いただいたバスク&デニム&ウィリアムなんて、ロブパリのフランス感拾っててステキだと思いますし、なんならまさにその格好で買いに行きました。笑
靴費に圧迫されてユニクロ比率は年々高まりがちなので私も色々試してみます!
次回記事、タイトルが全てですが(笑)ご覧いただけたらうれしいです。しばしお待ちを!