新規企画募集と見せかけての改元シューズ!!しかもすんごいの来ましたよ!!
改元シューズ?
時代が変わる節目!今愛している靴をアーカイブとして残しておきませんか?という企画です!
とりあえず先頭記事からは引っ込めましたが、載せたい方がいらっしゃいましたらメールいただければと思います!!
さて早速いってみましょう!
@naoyakabazawaさんの改元シューズ!!
■メーカー:LOUIS VUITTON
■モデル名:ドゥカーレ・リ・リュー
■製法:ノルヴィージャン(ノルベジェーゼ)製法
■マテリアル:カーフ(イタリア産のようです)
■価格:約42万円
イタリアのフィエッソ・ダルティコというところで準ベンチメイドで作られるMTO靴です。

ネットで調べても下記ページしかなく、どこのサイトでも取り扱い履歴がない珍しい靴です。
(一応制作動画がyoutubeにもありましたが、MTOコレクションの靴かは分かりませんでした)
https://gqjapan.jp/fashion/wardrobe/20120718/lv_mto
複雑な切り替え、細すぎる見た目の割に中の空間はうねりながらも取られている専用ラスト、選択できる中から選ばれた赤いパティーヌ、10回程履いてようやく皺が確認できるほど質のいい革が特徴です。
履き心地は固く、馴染んだ後が楽しみになってくる締め付け具合です。

付属品も豪華です。おそらくコルドヌリアングレーズに注文して作らせたフランス産のシュートゥリーはご丁寧に金属の埋め込みロゴ入り。

シューバッグはロゴ入りキューブにマイクロスエードの裏地つきの分厚いものです。

蝋引きの靴紐と説明書と共に丈夫な引出し箱に収められています。
MTO関係者のスタッフに聞くところ、そもそも銀座のみでしかMTOは受け付けておらず、大阪ではエクスクルーシブユーザー限定に10日間だけMTOオーダーを受け付けたそうです。
その際40足ほど売れたとのこと。そのことから多く見積もっても日本に100人もユーザーがいない靴と
思われます。
それがたまたま検索して見つかったお店に1回履きの状態で店頭に置かれていて悩んだ末に買うに至りました(当時靴に10万出すなんて考えられなかったです)
デザイン、作り共にとてもツボに入っており、たとえノーブランド扱いでも買っていたと思われます。
また、そのお店ではもう1点MTO品が存在していましたが、そちらは速攻買われたとのことです。
ハイブランドの靴はいわゆる「コレクション」であり、靴好きからは馬鹿にされやすい存在です。
この靴もいわゆるビスポークディテールはないですが、その作りはそんじょそこらのビスポークよりもクオリティの高い品と自信をもって言えます。そんなハイブランドの本気に出会えた私は非常に幸運だと思っています。

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現在探そうにも店舗で聞くしか調べる手段がないため、ぜひネットに残してほしいと思いメールを送らせて頂きました。
履いている写真も上げているためうすうす察していたかとは思いますが、この靴がとても好きなんです(笑
(写真の挿入は、もでぃふぁいど によるものです。また、最後の1文がとても好きなのでラストまで引用させていただきました!)
もでぃふぁいど からのコメント!!
コメントさせていただけるとすれば……。
とんでもないモデルがやってきました!!

naoyakabazawa さんもおっしゃる通り、ハイブランドの靴というのは靴好きからは敬遠されがちです。
というのも、ハイブランドはまさに流行の最先端を行くブランドたちですから、そのときどきの流行を反映したアイテムを揃えます。
つまり革靴のように長く履くアイテムは、都度流行を反映しにくいので、そもそもハイブランドとは相性が悪いのです。(それでもポンポン買えてしまう人向けにやっている側面もありますが)
10年履くことができる流行品を作っても、需要ないですもん。
装飾的(非実用的)ディテールが多く、高い値段を払ってもそのうち流行遅れになってしまう。
人それぞれ好みはありますが、靴好きがハイブランドを敬遠するのは、だいたいこんなところが理由だと思っています。
(ビスポークディテールも機能面で意味が無ければ、美しさや職人の技術代にお金を払ったよ、というアイコンでしかないように思いますが……)
が、今回のモデル……
味付けがほんとーーーに絶妙なバランスなんですよね。
特に注目したいのはブローグ部分!!

ブローグ(穴飾り)の切り返しが途中で途切れています。
穴飾りが続いているフルブローグも、穴飾りを廃したブラインドブローグもデザインとしては既にありますので、決してデタラメな意匠ではありません。
でも靴好きからすればどちらにもつかないという違和感がありますよね?
この違和感でカジュアルダウンしているのです。つまり、靴好きにこそ、わかる靴なんです!!!
エレガントなラストにノルベジェーゼのステッチ。

様々な要素がこの靴をドレスともつかず、カジュアルともつかない絶妙なポジションにバランスさせます。
結果、この靴はどんなアイテムにも合わせられるポテンシャルを持っています。だから、流行が移り変わり、装いが変わってもそこに溶け込むことができる。
アルティジャーノを体現するようなこの1足は、まさにハイブランドが歩む流行についていくことができる1足なのです。
これが、長く履くことができる革靴というアイテムをヴィトンなりに解釈した結果!!!!恐れ入りました!!!
靴袋やシューツリーからも


妥協が感じられません。もう、本気です。これがハイブランドの本気。
いやぁ〜すごいな〜これ!!定価も妥協していない感じがすごいですが、これに中古良品で出会われたというのだから、naoyakabazawa さんの縁たるや!!!
ええもん見せてもろた。心の底からそう思います!!!ありがとうございました!!
今日のモディファイ!!!
昨今はだんだん装飾的になっていく流行ですので、こうした控えめブローグなんかもまさに焦点があたり……
こんな靴を出したところもあるようですが、

10年前に既に出ていたというのですから、ハイブランドの先見の明たるや……と改めて感じました!!
運命的な出会いはnaoyakabazawa さんの普段の行いがあってのもの!!末永く履いて行ってあげてください!!