もうすでにズブズブなのですが今更ご紹介します。
VASSとは!!
VASS/VASS SHOES(ヴァーシュ)はラズロ・ヴァーシュ氏が主宰する1978年設立のハンガリーはブダペストの靴ブランドです。
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歴史だけで言えばそんなに古い靴ブランドではありません。(1800年代からやっている靴ブランドも多いですからね)
ラズロ・ヴァーシュ氏とは?
しかしこのVASSの主宰者であるラズロ・ヴァーシュ氏はその道では言わずと知れた伝説の靴職人!!!
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そもそもハンガリーやオーストリア、ルーマニアといった東欧諸国は靴作りに長けた職人を多く抱えていましたが、政情のゴタゴタからあまり日の目を見ることはありませんでした。東欧の靴は、資本が少なく安い素材しか使えなかったこともあり西欧諸国の高級革靴と比べて品質が劣ったからです。
そんな東欧靴を再興し、世界に知らしめたのがラズロ・ヴァーシュ氏でした。ヴァーシュ氏は西欧諸国の高級靴に使われるような一流タンナーの革を使い、卓越した職人技をもって革靴を作り、後にVASSを立ち上げました。
西欧諸国では大量生産に伴い生産工程が機械化(グッドイヤーウェルテッド製法)されていたのに対し、東欧諸国では機械化の波が良くも悪くも来なかったために伝統的な手縫い靴(ハンドソーンウェルテッド製法)の技術や職人が残っていたのです。
こうしてVASSは今では珍しくなった「本当のハンドメイド」とも呼ばれるその作り方、そしてその技術力で世界的に有名になりました。
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そして何より破格の値段。このクオリティに対してこの値段は本当にヤバい。しかも木型毎のシューツリーつきですよ??もでぃふぁいど が靴メーカーだったらマジで勘弁してくれと言いたくなる値段です。(だからこそあまり積極的に紹介してこなかったのですが…)
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そんなこんなもあってVASSは(少なくとも日本向けには)ぜんぜん広告も打ってないのですが、靴沼ズブズブな方はなんだかんだ通っちゃいますよね。そして誰もがそのクオリティに慄く。もうコレあれば良いじゃんってなっちゃう。
自ら沼を終わらせてしまう可能性のある諸刃の剣なのです。
なんだかものすごい勢いで脱線しましたが、東欧靴の再興を成し遂げたということでラズロ・ヴァーシュ氏は伝説の靴職人となりました。彼の著した『Handmade Shoes for Man』は世界中で訳され、日本でもビスポークの雄、ギルドオブクラフツの山口千尋氏が訳したものが出版されています。
生粋の靴職人はブローグシューズをどんな場所に履いていくべきと考えているか?夏に履く革靴は?オススメのソールは?
こんなあたりだけでも読んでいて非常に面白い1冊です。こんなブログのペラい意見とは訳が違う。
ロベルト・ウゴリーニ氏とのコラボ!
日本でVASSが一躍有名になったのはこの企画でしょう。伊勢丹さんが企画したロベルトウゴリーニ氏&ラズロヴァーシュ氏のビッグコラボ!!
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ウゴリーニ氏はイタリアの超有名ビスポーク職人であり、日本で言えばCorno bulの清角氏やSpigolaの鈴木氏が師事した方です。
どこか素朴で温かみを感じるVASSの木型に対して、ウゴリーニ氏がプロデュースした木型はエレガントで有機的な曲線美を纏ったまさに芸術品といった趣。そして細身に見えますが、履き心地は超超超一級!!!
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もちろんウゴリーニ氏本人もビスポーク職人であるため靴を作れます。しかし既製靴用の木型をプロデュースするにあたり「最高の技術力を持ったブランドに託したい」「VASSならば」ということで、氏の木型はVASSに託されることになりました。
履き心地の要たる木型。つまり靴職人のノウハウの結晶であり、門外不出の革靴の魂を別の職人に託す。激アツ!!!!
そしてVASSはそれに対し最高の作りで応えます。
長時間かけてしっかりと丁寧に釣り込まれ、最高の木型をトレースした素晴らしいフォルムの革靴がここに誕生しました。
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しかもこれらの木型(U,F,Kラスト)は日本向けに企画されたこともあり、甲も高めですごく履きやすいです。
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こんな贅沢な企画あります?
企画自体はそこそこ昔の話で、今やイセタンメンズ館でも取り扱いはなかったかと思いますが、VASSでは今もこれらの木型で靴を作っています。
1家に1VASS!これ令和の新常識!!
(もでぃふぁいど は1VASSじゃ済まないことになっていますが)
VASSの木型!!
というわけで靴の形の元となる履き心地の要、木型。
VASSの木型はヴァーシュがもともと持っていた/作成したラストとウゴリーニ氏が作成した木型(イタリアンラスト)の2種類に大別されます。具体的には、
VASSの木型: 3636,Budapest(BP),P,P2,R ウゴリーニ氏の木型: F,U,K,S? ウゴリーニ氏の木型のモディファイ品: FB
というような感じです。
それぞれ形はこんな感じ。全ては載っていませんが。
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リニューアル前の公式サイトにはそれぞれの木型の特徴が書いてあったのですが、新しいサイトからは消えてしまいました。超絶復活希望。
当時の記憶を引っ張り出すに、Fラストは甲が高め(High Instep)でラウンドトゥ、UラストはFラストよりちょっと甲が低く(lower instep than F)若干ロングノーズなセミスクエアトゥ、KはチゼルトゥでUよりロングノーズ、SはKをさらにロングノーズにしたもの、と記載があったような。
その他のラストはもう謎です。P2はラズロヴァーシュ氏のお孫さんのピーターさんが作ったとか。あとは自分の足の感覚を信じろ!!ということですねわかります。
VASSの靴!!
ダブルモンクストラップ!(Fラスト)
もでぃふぁいど の初VASS。
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あまりのフィット感の良さに一瞬で紐靴も欲しくなりました。VASS、恐ろしい子。
チャッカブーツ!!(Fラスト)
実は紹介できてませんでしたが、1番愛用しているVASSです。
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冷静にチャッカブーツでこのフォルムってシビレません??外羽根なのにこの木型の再現度!!
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派手さはないですが、なんだかんだと非常に重宝している1足です。
また、スエードの質感もシルキーで超絶なめらか、とろけるような触り心地です。さすが素材に妥協なし!!
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Budapest Oxford!!(Fラスト)
VASSのもうひとつの特徴、それはミュージアムカーフを使った靴のラインナップが豊富なこと!!
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憧れのミュージアムカーフ……シワの入りかたも最高に好みの1足です。
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Budapester!!(P2ラスト)
ここに来て手に入れたVASSのハウスラスト(?)。そしてハンガリーはブダペストに根差すブランドの本気Budapester(ブダペスター)。良いに決まってる!!!
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このねじれ!!
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素材!!
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そして作り!!
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全てにシビれる!!!
ちなみにブダペストという街はBudaとPestという2つの都市が合わさってBudapestになったそうですよ。
VASSのサイズ感!
普段UK7を履くもでぃふぁいど ですが、Fラストは40を、P2は39.5を履いています。どちらも超絶ジャストフィット!!
(2021/3/25追記:サイズ感についてVASS担当者とやりとりしたものをご教示いただきましたので追記します!)
S (narrow and flat)-K (pointy) -U (square toe) (size 43) – narrow lasts
F (classic&modern)-P2 (classic and a little rounder) -R (rounded and comfortable (size 42.5) – kind of normal lasts
3636-BP (high toe) -P (wider heel, short toe) (42) – round and very comfortable fit
つまり、
細い木型: S,K,U 普通の木型: F,P2,R コンフォートな木型: 3636,BP,P
というように分類されるようです。もでぃふぁいど はFとP2でサイズを変えましたがそのままでもいけるかもしれませんね!
サイズ表記よりも結構大きめの作り(小さめのサイズがジャストになりやすい)なので少し注意が必要です。ハインリッヒディンケラッカーもですが、東欧靴あるあるなんでしょうか。
その他履いている他ブランドの靴は以下の記事をご覧いただけたらと思います!
というわけでVASSの紹介でした!!!なかなか国内での取り扱いは減ってきてしまっていますが、機会があればぜひ試してみていただきたい1足です!!!
今日のモディファイ!
本当にこのブランドには頑張ってほしいです。いつか機会があれば行ってみたいお店の1つでもあります。
いつも楽しませて頂いています。
もでぃふぁいどさんの新入りと同時期に自分もVass購入しました。
サイズについてVassの担当者とやりとりした際、各ラストを以下の通り説明してくれました。もしなにかの参考になれば幸いです。
S (narrow and flat)-K (pointy) -U (square toe) (size 43) – narrow lasts / F (classic&modern)-P2 (classic and a little rounder) -R (rounded and comfortable (size 42.5) – kind of normal lasts / 3636-BP (high toe) -P (wider heel, short toe) (42) – round and very comfortable fit
じょーさま
コメントありがとうございます!!
大変参考になりました。本文中にもコメントいただいた旨で追記しておきます。
S,K,U(細いラスト群)
F,P2,R(普通のラスト群)
3636,BP,P(コンフォートなラスト群)
と3つにグループ分けしているのですね。
だとするとP2はもうハーフサイズあげても履けるかもしれませんね。
また俄然BPや3636も気になってきます!!サイズ感が気になっていたので個人的にも大変参考になりましたありがとうございます!!!!