大好きユタカーフ を徹底解説!
ユタカーフ(Utah Calf)とは!
ユタカーフとはフランスのアルザス地方にあるタンナー(革なめし業者)であるHaas社の生産する革です。ちなみにフランス語なのでHは読まず、アース社です!
さらにちゃんと言うならば、ユタというのは同社の型押しのこの柄を指しています。ロシアンカーフ調の菱形の型押しですね。
元となるレザーは同社のシグネチャーであるノヴォナッパ(Novo Nappa)です。
じゃあこのNovo Nappaの特徴はと言えば、
- コンビなめし
- オイル9種を合わせた特製オイルで加脂されている
- ナチュラルな仕上げのためキズやトラを隠すような処理は最低限
- しなやかさと丈夫さのバランスが良い
- 美しいパティーナ(経年のツヤ)が出る
といった感じです。
コンビなめし(クロムとタンニン両方でなめしている)なので、クロムなめしらしい発色の良さや柔らかさにシミの出来ずらさ、そしてタンニンなめしならではのジワリとツヤが出てくるエイジングも兼ね備えているのです。
最強レザーじゃんね!!
というわけで、Novo Nappaは最強のレザーらしくエルメスでは「バレニア」として展開されている革でもあります。
(ちなみにエドワードグリーンではNovo Nappaはデラプレとして展開しています)
で、それにユタという型押しをしたのが、日本ではユタカーフと呼ばれているわけです。
ちなみに他にもいろいろHaas社の型押しはあるようで。
実物見たことないですが、マヤカーフになったらなんかイロイロすごそうだぞ!!
ユタカーフのエイジング!
もととなるNovo Nappaは初期ややマットな質感です。よって、ユタカーフも初期ややマットな見た目をしています。
ちなみにこの色はGoldという色です。
これが、2年経るとエイジングはこんな感じに。靴クリームはクレム1925を中心に週1〜月1でメンテ。ノーワックスです。普段はブラッシングのみです。じんわりとしたツヤがだいぶ上がりました。
で、5年経ったのがこちら。撮影条件が全く違くてすみません。
全体はこんな感じ。購入直後に対し……
5年後のすがた。
最初からこう見せろよ、と言う気がしますね。
ケアは最近は3ヶ月に1度、気分にあった靴クリームを塗る感じです。赤みが強くてイマイチ服装に合わせづらかったので、アーティストパレットのエスプレッソや、The Creamのタバコブラウンなど、もう好き勝手に塗っています。笑
ちょっと色味も落ち着きましたかね。そうでもない?
ユタカーフ(Novo Nappa)はコンビなめしとはいえ、タンニンなめしのように劇的に色味やツヤが変化する革ではなさそうです。むしろ発色の良さをキープする感じ。そのぶん見た目がキレイなまま保つので、カバンはもちろん、ドレスシューズにも向いた革と言えます。
ユタカーフのケアはこんなふうに!
ユタカーフ(Novo Nappa)のケアは、慎重になりすぎなくても大丈夫です。
実際、めちゃめちゃシミになりやすいオイルを入れたこともあり、実際シミになったのですが、いつしか消えていました。笑
ただ、気になるかたは先にデリケートクリームのような水分多めのクリームを入れて、
それからクレムのような油性を入れるのがオススメです。油性クリームが染み込むまでの時間が延びることで、シミになりにくくなります。
アレですよ、駆けつけ1杯目のビールが喉乾いてると美味いけどよく酔っ払うみたいな。
あと全てが面倒になってきたらば、これ1つでカビ対策までできちゃうレザーキュアもオススメです!!
ユタカーフは雨が染みるがケアは楽!
ユタカーフはオイルも入っているので、雨にも強いと言われるのですが、個人的にそうは思いません。
だってガッツリ雨は染みます!!!
少し強い雨の中5分くらい歩いたらこの通り。
つま先は雨を弾いている様子もあるのですが、屈曲部は完全に染みてますね。ただ、靴下まで染みてくることはありませんでした。10分とか15分歩いたらどうかなぁ、という気はします。
この点は、パラブーツのリスワクシーレザーやオイルドヌバックの方が安心ですね。
ただ、その後のケアが楽、というのはユタカーフの良いところです!!
何を隠そう、さっきから上がっている5年後のユタカーフですが、上のグッショリな状態を玄関で2日乾かしてからブラッシングしただけの状態!
クリームなどのケアはしていません。それでこの様子。
グッショリ濡れたところから、この見た目まで復活するのなら、その点ではユタカーフは雨に強いと言えます。この見た目ならすぐ履いていってオッケーでしょう。(トゥ擦ってますけど)
靴には手放しでオススメしたい!
ユタカーフは靴に使うなら手放しでオススメできる素材です。
なにより柔らかくて足馴染みがバツグンに良いです。
もでぃふぁいど のユタカーフの靴はドーヴァーなので、底は堅牢なダブル(正確にはハーフミッド仕様)ですが、返りの悪さが全く気になりません。めっちゃ硬いポリッシュドバインダー&ダブルソールのChurch’sシャノンと比べると差は歴然。
キズ自体はつきやすいですが、ブラッシングでだいぶ消えますし、クリームを入れればまず目立ちません。そう言う意味でも取り扱いやすい革です。
ジャコメッティならローファーとかありますね。柔らかくて良さそう……!!というかハンドソーンもあってさらに返りマシマシ!で、この価格はやっぱりヤバいって!!!
最近は様々なブランドのパターンオーダーや、既製品での展開も増えてきました。
イチオシの素材なので、ぜひぜひ試してみてください!履けばわかるさユタカーフの良さ!
今日のモディファイ!
履くには買わないとわからないというジレンマ。信じて買え!!!……でもマジでジャコメッティのローファー良いな……。明るい色で探してみちゃおうかしら……。