もう初っ端からいってしまいますよ。
オールデンとは!!
説明不要な方は読み飛ばしてください。笑
しかもここからは前の記事のコピペときた!!
オールデンは1884年、マサチューセッツ州のミドルボロウでチャールズ・H・オールデンが創業した靴ブランドです。当初はカスタムブーツを作っていたそうです。
1970年にはターロウ一族にブランドが引き継がれ、以後4代にわたって家族経営でやってきました。
今や米国の靴ブランドの雄です。
(とはいえ本国での知名度はアレンエドモンズより低いとか……)
ブルックスブラザーズへ既成靴のOEM供給や、高品質のコードバンをなめすことができる世界でも数少ないタンナー、ホーウィン社の経営危機を救ったりと様々なエピソードは今でも語り草となっています。
Alden Daybreaker Indy Boot!!
履いても履いても好きです、このブーツ。
名前から見た目から履き心地まで、何から何まで好みドンピシャでございまして。
やっぱりブラックペイントのライカへの憧れもあるかもしれません。笑
詳細はこちらをどうぞ。
そんなオールデンの夜明けのブーツですが、もでぃふぁいど にとっては、そう、例えるなら……
◇
「早く早く!!」
「ちょ、もう無理、諦めさせて……」
「何言ってんの!!何のためにここまで来たと思ってるの!」
彼女が僕の前を駆けている。黒いフレアスカートの裾がふわりふわりと揺れていた。
夜明け前の凍て刺すような澄んだ空気。
ガス燈を模した街灯だけがぼんやりとオレンジ色の光を放ち、煉瓦造りの古ぼけた倉庫を照らしていた。
普段は観光客も多い港町だが、この時間だと流石に人気がない。僕らが駆ける音だけが未明の街に響く。
頬と耳を冷やし、肺を満たす夜気をよそに、コートを着込んだ体は火照っている。何より酔いもあいまって足がもつれそうだ。
「少し、休まない?」
「着いてから休んで!」
「うひぃ」
息も絶えだえの僕を彼女はピシャリとやっつける。
東の空は白み始めている。見上げれば濃紺の空はその色合いを薄め、どこまでも深い青色を湛えていた。
◇
「こんな時間にどこへ行くの?」
友人の下宿先から抜け出すとき、まだ暗い部屋の中から声をかけられた。
皆寝ていると思っていたので少し驚きながら小声で返す。
「眠れやしないから帰ろうかと」
こんなアルコールの臭いが充満した六畳一間に雑魚寝では安眠は望むべくもない。さっさと家に帰り、しっかり確保された自分の寝床で布団にくるまるのが一番だ。
始発の列車が動き出したのを見計らって脱出するところだった。
「電車は……動いてるか。わたしも帰ろうかな」
彼女は携帯で確認してのそりと起き上がった。
僕が靴の紐をのんびり丁寧に結んでいると、彼女の身支度も済んだらしい。コートにマフラーを巻いた彼女が言う。
「お待たせ。行こっか」
◇
駅への道すがら、誰もいない静かな住宅街を歩いていると彼女が唐突に切り出す。
「ねぇ、初日の出見た?」
「いや、見てない。正月は寝て過ごした」
「怠惰ねぇ。…じゃあさ、今から初日の出見に行かない?」
「もう初はとっくに終わっているんじゃないか?」
「その年に初めて見れば初日の出よ」
「そういうもんかなぁ」
正直に言えば、この冷え込んだ空気の中にあっては温かい布団が恋しいことこの上ない。でも、このまま生きていると僕が今年の初日の出を拝むことはなさそうである。あくまでも彼女の理論で言えば、だけれども。
今年の初日の出は今年のうちに。
酔いが残った頭にそんなフレーズがぼんやり浮かぶ。今となっては自分でも理解できないのだが、そのときの僕はそれで納得したらしい。
「まぁ時間もちょうどいいし、行ってみるか」
「決まりね!」
冬至を過ぎた今、日の出の時刻が思っていたより早いことに気づいたのは、彼女がお気に入りだと言う公園の最寄駅についた頃だった。
◇
本当にそろそろ息も絶えるのではないかと思い始めたころ、ようやく小高い丘にある公園にたどり着いて彼女が足を止める。
心臓は早鐘を打つように鳴り、頭は酸欠でガンガンと痛み、脇腹はズキズキと痛む。転びこそしなかったが満身創痍だ。初日の出どころではない。
そんな僕を尻目に彼女は軽く伸びをしている。あっという間に息を整え、辺りを見回して僕に声をかけてくる。
「なんか飲み物でもいる?」
「温かいお茶を……」
「コーヒーじゃなくて?」
「今はちょっと、飲める気がしない」
そんなにコーヒーばかり飲んでいるイメージがあるのだろうか。彼女はそんなところまでなぜ覚えているのだろう、と痛む頭でふと考える。
「はいお茶」
「ありがとう」
礼を言って受け取ると、じんわりと熱が伝わってきて、かじかんだ指先が温まる。少しだけ生き返った気分だ。
おぼつかない足取りで公園の柵にもたれると、眼下の港町はまだ眠りの中だ。
その遥か向こう、白んだ水平線からオレンジや薄紫、青を経て頭上の濃紺までのグラデーションが見事だった。
朝焼けなんて見るのはいつ以来だろう。
横目で彼女を見やれば、言葉もなく水平線をじっと見つめている。なんと声をかけてよいかわからず、僕も水平線に視線を戻した。
東雲。ようようと明けゆく透き通った冬の夜。
そのとき、水平線から静かに、漏れ出すように光が差し込んだ。
その力強い眩しさに思わず目を細めて、隣を見やる。
彼女の目は陽光を受けてキラキラと光っていた。
その横顔は今でも忘れられない、希望に満ちたものだった。
「なに?見とれてた?」
「え?あぁ……うん」
実際その通りだったので思わず答えた。
「冗談だったのに……恥ずかしいじゃない」
気まずさを振り払うかのように彼女は明るい声で言う。
「すっかり冷えちゃった。温かいコーヒーでも飲んで行かない?モーニングが美味しいカフェが近くにあるんだけど」
「あぁ、いいね。ぜひ今度は歩いて」
「混むと困るし走っていくのはどう?」
「絶対この時間で混まないだろ……もう勘弁してくれ」
彼女は機嫌良さそうに小走りで駆け出し、振り返る。朝日に照らされた彼女は、残っていた酔いを醒すほど、魅力的だった。
「早く早く!」
こうして何でもない港町の1日が始まる。
◇
って感じかな……。
なにが感じなのかもう全然わからないですけれども、フィーリングでキャッチしてください。初日の出見れなかったかたは擬似体験ということで!!!
今日のモディファイ!!!
ちなみに神戸と名古屋港と鹿児島港と横浜と小樽を足して均してボコボコにしたような港町のイメージです。