真価を発揮しはじめましたよコイツ……!!というか買ったまま紹介していなかったですねこの靴……
VASSとは!!!
VASS(ヴァーシュ)といえば、東欧はブダペストでVASSさん一族が経営されている靴ファクトリー!!
製造工程のほとんどを手作業で行なっている世界でも貴重な既製靴ファクトリーです。
また、伊勢丹さんの企画によりイタリアのラストメイカー、ロベルト・ウゴリーニ氏が作成した美しく良フィットな木型を使った靴を作っているのも特徴です。
ハインリッヒディンケラッカーのようなTHE東欧靴も作りつつ、ウゴリーニ氏のイタリアの感性が盛り込まれたエレガントな靴もラインナップしています。
イタリアンでエレガント、というとチャーチやエドワードグリーンなんかのTHE 英国靴が好きな方は顔を背けてしまうかもしれませんが……。しかし!!
ダブルモンクストラップ!!!
さっきのディンケラッカーとは打って変わってエレガント!!!!
ダブルモンクとしてはスタンダードなスタイルです。元祖となるジョンロブのWilliamと同じ形を踏襲しています。
自分の写真だと褒めにくいのですが、靴はすごく良いです。まるで他人の足のようにスタイリッシュに見えます。笑
Fラスト!!
ラストというのは靴を作る際に使う木型です。この木型に革を釣り込んで靴の形にしていきますので、履き心地に直結してくる重要なブツになります。
各社、万人が快適に履けるカッコいい靴を作るためにノウハウを詰め込んだ木型を使って靴を作っています。門外不出です。
Fラストはウゴリーニ氏の出身地であるフィレンツェの頭文字からとられています。
公式の説明はこんな感じ。
„F”: This elegant, symmetric last is also a popular choice: it is narrower than the P2, and is elongated and features a high instep.
https://www.vass-shoes.com/en/howtoorder
雑に翻訳突っ込んでみましょう。
「F」:このエレガントで対称的なラストも人気のある選択肢です。P2よりも幅が狭く、細長く、高い甲が特徴です。
パターンオーダーのところから持ってきたので選択肢という表現になっていますね。
P2というのはVASSが持つ他の木型です。ピーターさんが作った同ブランドの中でバランスに優れたドレス向けラストになります。
Fラストは幅が狭く甲高。
実はこのFラスト、伊勢丹さんが企画してウゴリーニ氏に日本人向けに作ってもらった木型です。
そしてこの木型を託せるのはVASS、アンタしかいねぇ!!という職人同士のアツイ信頼によって実現した靴なのです。
たぶんこんなだったと思う。もでぃふぁいど ここめっちゃ好き。
甲が高めなのは日本人向けに企画されたため。具体的には2の甲から3の甲にかけて高くなっているイメージでしょうか。
やや細めに見えますが、見た目より履いていて楽なのは甲の高さをしっかりとってあるからなのですね。
そして言及はないのですが、ガッチリ掴まれるカカト。
ストラップを外していても普通に歩けちゃいます。新品の状態で。
よくある「かかと?あー、底に返りがつけば、ついてきますから」というのが甘えに思えてきます。(かかとがついてくれば良いラストかといえばそうでもないですが!)
そして足裏のフィット感。エドワードグリーンの202や32ラストのような土踏まずの持ち上げ感、オールデン のモデファイドラストのような突き上げ感とはまた違うのですが……
いつのまに足測ったの/合わせて作ってくれたの?と思わず聞きたくなるような、足裏に隙間なくフィットする、この感じはなに???
それでいて疲れて足のアーチが崩れてくると優しく支えてくれる感じがします。
ビスポーク未経験ですが、ビスポークしてもコレより良くなるように要望を伝えられる気がしません……。
あと個人的な好みですが、フルソック(カカトから足の先まで1枚の中敷き)がめっちゃいい気持ちいいです。ツルスベ。
ジョーレンデンバッハ社のソール!!
このレザーソール!!名門レンデンバッハ社製です。
靴好きがJRと言えばコレですね。
もでぃふぁいど が履いてきた革底の中では間違いなく最高峰です。
とにかく目が詰まっていて、耐久性に優れているのにしなやかです。
もう何度も着用していますが毛羽立ちも少なく、歩いていても削れている気がしません。
横断歩道の白い部分なんか踏むと、ヌメりというか、接地面の滑らかさを抜群に感じられます。それでいて滑るわけではないという……。
安い革底だとゴリゴリ削れる感じがわかるというか、スッカスカな感じがするソールもあるのですが、一方でレンデンバッハはしっとりした履き心地……!!安いソール特有のバサバサ、ガサッとソールを削られるような感覚が一切ないです。
比肩するのはウエストンの自社タンナー、バスタン製のソールくらいでしょうか。あちらはこちらよりもややフワっとした履き心地が独特でステキです!ただし、毛羽立ちにくさはレンデンバッハに軍配が上がると思います。
レンデンバッハはユニオンワークスさんでオールソールする際にもオプションで選択可能なのでオススメです。
アップチャージが3,000円かかりますが、これだけ削れにくければ結果長持ちしてエコな気がします。もでぃふぁいど はブランドごとのオリジナルソールにこだわるのでなければ、全部コレで変えると思います。笑
どのくらい減りにくいの?と言われれば、10回はゆうに履きましたが
ソールど真ん中の®︎残ってる……!!
嘘だろ……ここ1ヶ月で確実に20km近くは歩いてるぞ……
行き帰り1駅分歩こうキャンペーン実施中なので間違いないです。
恐るべしレンデンバッハ。
ハンドソーンの底力!!
ハンドソーンウェルテッド製法はグッドイヤーウェルト製法の原型で、「ほぼ手縫い」の製法です。
革底を最後に縫い付ける部分のみミシンを使いますので、9分仕立てなんて呼ばれることもあります。
この製法の特徴は、グッドイヤー製法で使用されるリブテープを使わないところ!!
このことにより底の返りがつきやすく、馴染みやすいのです。
ではどのくらい良くなるのか??
といっても定量的なものは何も示せませんが、そこそこ履き込んだ靴のトゥが今こんな感じです。
思ったより削れてました。
とはいえウェルトまで半分くらい?グッドイヤー製だったら完全にウェルトに王手かかってたと思います。それだけ履きました。
シワが定着するくらいには履きましたし……。
まとめ!!
というわけでまとめると、
Fラスト→足裏の馴染みまで最高!
レンデンバッハのソール→しなやかで丈夫!
ハンドソーン→足馴染み抜群!!
というVASS三重奏が最高の履き心地を奏で……語彙力足りないから奏でまくっちゃった。
足回りが最高なんですよね。歩くための機能に妥協がない。靴の足回りって冷静に考えてパワーワードだな。
職人が丹精込めて作った歩くための靴。
これも当たり前すぎてヤバいですね。
でも、素朴で温かみを感じる良い靴です。
完璧ではないけれど、一生懸命作られたことが嬉しいというか!!
エレガントなのに履き心地も良い。エレガントなのになんかゴツい。
そんな二律背反を秘めたVASS、あなたの靴棚にもいっちょいかがでしょう?
とりあえずVASS翁が書いた本を置いておきますね。
Handmade Shoes for Men HANDMADE SHOES FOR MEN [ Laszlo Vass ]
今日のモディファイ!!!
あとやっぱりココがすき。
もでぃふぁいどさん、こんばんは。
昨日、Vassのサイズ感の質問をさせて頂いたOrsoです。
Vass2足目に行ってらっしゃったんですね。Williamをスマートにさせた感じでしょうか。ちなみにこの靴もサイズは40ですか?内羽と違うサイズ感はあるのでしょうか?
昨日からあれこれ思案してまして、欲しい靴が見つかったんですがUラストで40.5なんですよね。残ってるのが。昨日、私のサイズ感だとFラストだと40で行けるとアドバイス頂いたんですが、Uラストだとどう思われますか?UラストはFラストよりトゥ部分がスクエアで全体的に少し細身に見えるので、Fラストの感覚よりハーフか1サイズ上げた方がいいんだろうかと迷っています。
責任取って下さいなんて言いませんので(笑)参考になるコメント頂けたら有り難いです。何度も質問してあつかましくてすみません。
Orsoさま
コメントありがとうございます。こちらが1足目でした。
この靴もFラスト40です。これが良かったので紐で締めたらどーなっちゃうの??が2足目の動機でした。
Uラスト40.5なら最近太ったので個人的には履けそうですが……
どうしても確信は持てませんので最後はエイヤで買うことになると思います。
個人的には、セールや中古でハーフサイズ大きいけといけるかな?と買ったものはだいたい想定より大きく、手元に残らないので強く戒めています……。
もでぃふぁいどさん、お答え有り難うございます!モンクの方が先でしたか。ブログの記事の日付からモンクが後だと思ってました。
もでぃふぁいどさんの履いておられる靴のサイズと私のサイズ感はほぼ同じなのでUラスト40.5行けるかなと勇気が出てきました。えいやっ!と思いきることですね。