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【レビュー】猿なの?象なの?兄弟なの??F.lli Giacometti FG400!!

なんかすごい……すごい靴きた!!

F.lli Giacomettiこわい

最近こればっか言ってますが

ブツが届いてみても、実際履いてみても、そのこわさに翳りなし。

ケチのつけようが基本ないんですよねぇ……。

そんなわけで象革のモンキーブーツがきてしまったのでレビューしていきます。

以下ブランド紹介は前回と同じなので、ご覧になった方は飛ばしちゃってください。

F.lli Giacometti(フラテッリジャコメッティ)とは?

F.lli Giacometti(フラテッリジャコメッティ)はイタリア北部ベネト州で1890年代に創業したメーカーの自社ブランドです。ちなみにベネト州の州都はヴェネツィア。

え?海?と思うのですが、このベネト州の北東部はドロミテ山脈に接しており、登山用ブーツが発展してきた土地でした。

同地で創業した多くの登山靴メーカーが製造工程の機械化や拠点の国外移転を行いスポーツブランドとして発展していく中、フラテッリジャコメッティはハンドメイドで紳士靴を作るという方向性で、現地では唯一残った紳士靴ブランドです。

その技術力は一級品で、某ハイブランドのOEM製造も請け負う……というか本来OEMがメインで、自社ブランドとしてジャコメッティ名義で出している、みたいな状況が正しいっぽいです。

たしかに、海外サイトで扱ってるのとんと見ません。探したこともなかったわけですが……

ちなみにフラテッリ=兄弟という意味なので、ブランド名は「ジャコメッティ兄弟」という意味です。文字通り、創業者の孫にあたる兄:ルイジーノ・ジャコメッティ氏(社長兼品質管理)と弟:ロベルト・ジャコメッティ氏(縫製担当)の2人が中心となってブランドを率いています。

F.lli Giacometti FG400外観レビュー!

モンキーブーツ!

モンキーブーツです。大きく延びた外羽根にハトメつきのアイレットがカジュアルな印象のブーツです。

本来はノーズが短く、正面からの見た目が猿に似ているからモンキーブーツと呼ばれたとか。たしかに見えなくもない?元々はチェコスロバキア軍の軍用ブーツとして生まれました。

こっちなら見える?

(ハトメの数が多く、紐の締め方次第でフィット感をその人の足に合わせて細かく調整できるため、電線工事に従事する人に人気が出、モンキーブーツを履いたおっちゃんたちが本当に猿のように身軽に工事を行なっていた様から、という説もあるそうで)

革のブーツってワークブーツ以外は結構カッチリとした印象になるので、個人的に合わせづらさを感じていたのですが、これは「コンバースですけど?」みたいな感じで何でも合わせやすかろ、という目論見で入手しました。

カジュアルなジャケパンスタイルとかしたいんですけどね、16kgの動く米俵を担がなきゃいけないので、シワになるものは未だ着られない身なのです。

ちなみに羽根は外側が長く、きちんと小指を保護している、というのが本式モンキーブーツのこだわりらしいです。

エレファントレザー!(象革!)

で、象革。以下、ツブツブが苦手な方はスキップ推奨です。笑

え?ワシントン条約とか大丈夫なの!?とも思いましたが、当たり前ながら大丈夫なので売っているのです。

現在、ゾウ革の輸入はワシントン条約で厳しく規制されています。その中でアフリカゾウの輸出入だけが限られた数量のみ認められています。

原産地の実情としては、保護区を設定しての地道な保護活動を続けた結果、地域によって生息数が増えており、その結果、生態系全体を崩してしまう状況となっています。生態系維持のための必要な捕獲のみが、政府管理のもと最低限、限定的に行われています 。全ては有効活用されており、特に革は入札形式で価格が決められ、その売却額の一部は膨大な保護管理活動費の捻出に使われています 。ゾウ革を大切に使ってもらうことは、結果的に保護管理活動費捻出に貢献することになる、という側面もあるのです。

レザーマニア https://leathermania.tokyo/pages/elephantより

日本でも鹿が増えすぎて農作物に被害が〜ジビエが〜ということが起こっていますが、象も少なからず同じような状況になっているようです。

とはいえ、副産物である牛革なんかとは違って、取引が厳しく制限されているのは間違いありません。

現在、「ゾウ革」の商業目的の取引については、ボツワナ、ナミビア、南アフリカ産の輸出入、及びジンバブエ産の日本への直接輸入が可能ですがその数は制限されています。

革製品は、ナミビア、 南アフリカ産の輸出入は可能です。

ボツアナを原産とする革製品は、日本へ輸入することは出来ません。

しかし、ボツワナから第三国へ「ゾウ革」が輸出され、そこで製品化されたものは可能です。

ジンバブエで生産された「ゾウ革」は第三国へ輸出して製品化されたとしても商業目的で日本へ輸入することは出来ません。

レザーリフォーム https://leather-reform.com/blog/19612/ より

日本でもこんな感じなので、海外に履いていくのは税関とか困りそうなのでやめておこうかと思っています……(今のところその機会はないので心配の必要がないやつ)

あと個人輸入とかは……やめておこう……

そんなこともあって珍しい象革ですが、個人的に珍しいだけではあまり買う気が起きません。

買った理由は、革自体の強靭さ。

革のテクスチャの特徴としては、グレインレザーのようなシボっぽいテクスチャに、

大きく不規則に入ったシワが挙げられます。

エキゾチックレザーと呼ばれる革の中でも、象革はひときわ強靭です。水濡れ摩擦ドンと来い。

もはや強靭すぎて保革もブラッシングと防水スプレーくらいでOK。ほぼケアフリーです。(このあたり定説はないのかもしれません。くすみさんはクリームで手入れされていますね。)

どのくらい強靭かって、しばらく履いていますが、シワすらもこんな感じ。

果たしてこの靴、エイジングとかするのか??

ともかく、陽にあてるとキラキラ光るのはなんかグッドです。

不思議なのが、強靭かつ小石のようなテクスチャにもかかわらず、意外と柔らかであること。牛革と大して変わらない硬さです。

また、このブーツの革に限って言えば、ヌバックのように起毛させた部分とそうでない部分が混在しており、フワフワな触り心地だったりサラリとした触り心地だったり、これもまた不思議です。

生前はさぞ名のある象……だったかはわからないのですが、何せいろんな経緯や事情があったことと思われますので大事に履こうと思います。

PIA-TRラスト!

フラテッリジャコメッティは複数の木型を持っていますが、このモンキーブーツの木型はPIA-TRラスト。

モンキーブーツにしてはロングノーズです。

イメージで言えばVASSのFラストくらいでしょうか。極度にロングというんでもありません。カジュアル全振りな革とデザインなので、これくらいでもバランス取れているかなと。

また、けっこうサイドウォールが立っているのも特徴的です。

トゥボックスに余裕があるので、指も動かしやすく、歩きやすいです。そもそも履いてて楽なのは正義です。

FG400の履き心地!

履き心地はいい感じです!!!!

ブログを始めて4年、未だ語彙力ゼロ。具体的に言えば、先ほど挙げたVASSのFラストに似ています。

思ったよりしっかりとした土踏まずのサポートに、余裕のあるトゥボックス、しっかりついてくるカカト。ロングノーズな見た目に反して東欧靴的なフィッティングです。

モンキーブーツ特有の長い羽根のフィッティングについては、まだまだこれから革が柔らかくなって本領発揮でしょうか。今のところ、普通にフィット感が良い、という感じです。羽根が長い恩恵はよくわからず。

まぁ順当に上に向かって閉じていってますからね。履いてもこんな感じです。

レースフックはオールデン以外では初めてでしたが、最初から潰れていることもなく(笑)、引っ掛けるところが大きめなので使いやすいです。

ちなみにソールはヴィブラムのコマンドソールということもあり、ハンドソーングッドイヤーだから返りがめちゃくちゃ良いんですよね、ということもなく。まぁ順当にラバーソールのブーツといった感じ。

とはいえ慣らしは必要なく、初っ端から1日中歩いて問題なかったので非常によろしいかと思います。

また、足が自然と前に出る感覚は、これまで履いたどの靴よりも強かった気がします。

フラテッリジャコメッティこわい。こんなん他も買って試したくなる履き心地です。

ちなみに、最後のサイズは41.5(26.5cm)。シンデレラの方いかがだす??クリスマスですし。


レザーソールでスコッチグレインレザーのもありました。41(26.0)と41.5(26.5)。革底で履き込むの、超楽しいと思いますよコレ。


FG400(PIA TRラスト)のサイズ感!

今回は厚めの靴下を履くことも想定し、41(26.0cm)をチョイス。ちょうどオールデンのバリーラスト8Dくらいの感覚です。VASSならFラスト40くらい。

左25.2cm、右25.4cmの足の自分からすると、これで若干リラックスめのジャストといった感じ。

ジャコメッティ1足目なので、他の木型については今のところ謎です。妻よ、この謎、解いて良いですか?

今日のモディファイ!

ジャコメッティの今年の推しはオールデンのモディファイドラスト的木型っぽいので超気になっています。この謎(以下略

6件のコメント

  1. まさか、もでぃふぁいどさんがイタリア靴のレビューをされるとは…
    他にレビューがあったらすみません。

    ボナフェも良いですよ(小声)

    1. tompomさま

      コメントありがとうございます!!
      おっしゃる通りで、ブログ5年目にしてイタリア靴に踏み込んでしまいました。笑

      イタリア南部の色彩豊かなブランドはなかなか馴染めないのですが、ここやボナフェなど北部のブランドは派手じゃないので好きです。(技巧的には派手だったりしますが、それは好物ということで……笑)

      ボナフェも良いですよね!!記事になってませんが、個人輸入してサイズミスって(大きめですよね)そのまま売却という苦い思い出があります……(小声)

  2. ゾウさんのエイジングについてです。私は象革はグレー(象色?)の小物しか持っていませんが、手が触れるところはだんだん色が濃くなり、テカってきて、なかなかの味わいです。濃い色の靴だとどうなるか、楽しみですね!
    41.5だと私には大き過ぎるので、さしずめ「意地悪義姉フィット」ということでしょうか。ざ、残念だなー。(ホッ。。)

    1. OchameGGさま

      コメントありがとうございます!その節はありがとうございました!

      象革のエイジング、大変興味深いです。未知の革なので大変勉強になります!
      小物と違って手で触れることはあまりないので、ブラッシングでどのようにエイジングするのか楽しみです。

      本人の期待をよそに、今後も全く変化ないかもしれませんが。シワはやっぱり入らなそうです。笑

      ジャコメッティはあまり沈まないのと、冬場分厚めの靴下で履く用であれば若干大きめでもアリかもしれませんよ!!(ニッコリ

  3. ワークブーツ以外のブーツって本当にコーディネートが難しいですよね…
    思い切って買ったウエストンのチェルシーとジョッパーがオブジェと化しています(笑)

    1. 豆どさま

      コメントありがとうございます!
      裾幅普通〜広め、丈はジャスト〜ハーフクッションくらいのジーンズ(ex.501)やチノ(バーンストーマー)あたりでいかがでしょう!是非今年は履いてあげてください!!笑

      ブーツはアンクル丈のパンツにはすごく合わせづらかったのですが、最近太め長めのパンツ(CIOTA、Tangent等)が流行ってきて個人的には履きやすくなくなりました。シャフトを隠すように履くと合わせやすいです。
      が、シャフトを隠すならブーツである必要あるのか?と思いつつ、暖かいので履いています。笑

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