着眼点がおかしすぎるのだろうか???
BARACUTA G9とは?
BARACUTA(バラクータ)と言えば、1937年イギリスのマンチェスター郊外で創業したアウターブランド。
1948年に発売したG9というゴルフジャケットがスウィングトップ(ハリントンジャケット)の代名詞となっています。70年以上愛されているわけです。
このバラクータのG9はエルヴィスプレスリーや、スティーブマックイーン、高倉健など、時代を彩ったスター達が着用していたことで人気に火がつきました。
リアムギャラガーも着用しているということですが、やっぱ同郷のよしみ?
なんか「馴染む」アウター、バラクータG9
で、もでぃふぁいど はこのG9を3年くらいですが愛用してます。
いや〜これ、めっちゃカッコよくて好きなんですよね!!……というのでもなくって、とりあえず上着を引っ掴んで出かけるときについ選んじゃう。結果、最も着ているアウターがこのバラクータG9です。
うっわー!このアウター、めちゃんこカッコイイ!!!欲しい!!!と激しく燃え上がる恋愛のような物欲で購入する、気合いの入った買い物ってありますよね。
そういうモノって得てして案外早く飽きちゃったりして「なんで買ったんだっけ?」とかなるケースもしばしば。
ですが、このバラクータG9は、もう、もでぃふぁいど にとって伴侶、もしくはオカンのような存在になってます。
しみじみとダシを味わう飲み会翌朝のしじみ汁のごとく、もはや着るのをやめられない1着なのです。俺のために毎朝しじみの味噌汁を作ってくれ!
ともかく、憧れのアウターとか、着られてる感じじゃなく、パーソナリティに馴染むというか、そういう感覚があるアウターなのが、このバラクータG9なのです。
シアサッカーモデル!
もでぃふぁいど のG9はウール50/ポリエステル50のシアサッカー生地です。通常はコットン50/ポリ50の撥水生地のモデルが有名ですね。
ユナイテッドアローズのアウトレットに当時50%OFF?とかで落ちてたのを回収してきました。
へぇー、これなら試してみるか、羽織ってみてもなんか良いじゃん?くらいで買った気がします。それがこんなに着ることになるなんて、わからんもんですねぇ。
調べてみると、このシアサッカーG9はユナイテッドアローズの別注で2020SSのモデルだったようです。それが1年経ってアウトレットに流れてきたんね、たぶん。
まぁ、なんとなく売れなかった理由というのも想像がつきます。
シアサッカーって春夏の素材だけど、春用アウターって着られる時期短すぎでは?
とか、
シアサッカーとはいえ黒ってちょっと重いし春の気分じゃない
とか思い当たることはありますね。
しかし、その辺ぜんぶ気にしないという解決策によって1年中着られる超絶便利アウターとして酷使されているのでした。
暖かい時期は「シアサッカーだから黒だけど春夏だよ!」と言って誤魔化し、肌寒い時期は「ちょっとシボ入ってるけど黒いアウター、秋冬だろ?」ということで、ね?ここはどうかおひとつ。
シアサッカーは汗かいても肌離れが良い春夏生地と言っても裏地ついてるので関係ないし、シボ感なんて隣に立たない限りは見えんでしょう、これ。
そんなわけで大活躍しているバラクータG9、いったい何が良いのか、あらためて考えてみました。
バラクータG9の良いところ1:動きやすく、かさばらない!
まず、これです。着心地が良くなきゃ始まりません。
もともとG9はゴルフ用のジャケットであるため、動きやすいのは当たり前。
ラグランスリーブはつっぱらないので腕を動かしやすく、
ショート丈なので、立ったり座ったりで裾を気にする必要もなく、シルエットもかさばらないので、混み合う電車内なんかでも気を遣わんですみます。
車の乗り降りとか運転もええ感じですよ。
お出かけするなら着ときゃいい、バラクータG9!
すみませんがゴルフはしないので実際スイングがしやすいのかどうかはわかりません。すまん。
バラクータG9の良いところ2:気遣いすぎなくてOKなところ!
また、そもそもゴルフ用アウターということで、雨も想定されており、背中側の傘のようなヨーク形状:アンブレラカットは有名なディテールです。
水滴が滴りやすく生地にしみ込むのを防ぐ、というディテールですが、ぶっちゃけ傘をさすのでその効果のほどは正直知らんがな状態。
そんなどこでも言われているようなことはどうでも良くて、もでぃふぁいど が好きなのは、バラクータG9の取り回しの良さです。
まず、雨への耐性は未知数とは言え、なんでもないアウターよりは想定されているだけでもマシなはず。
さすがにハナから豪雨だったらG9は着ていきませんが、降水確率70%とか、旅程中に雨の日がある、くらいなら迷わず着ていけます。こういう気兼ねなさ。
そして、着ないときはクシャッと丸めてカバンに突っ込んだり、その辺にバサっと置いておいたり、飲食店ならカゴに突っ込んでおいてもシワにならないケアの楽さ。
これはポリ混紡というのもデカいんですかね?雑に扱えるアウターってやっぱり便利です。
そしてリュックを背負うなどそこそこ酷使してますが、いまだにできない毛玉!!
ポリ混紡なら毛玉できてもおかしくないのですが……ないな……ぜんぜんない……なんで?
ともかく、着るにあたって何ひとつ気遣い無用。オカンのごとくデカい度量、そして愛で包み込んでくれる、それがバラクータG9です。
バラクータG9の良いところ3:黒は合わせやすい!
黒いバラクータG9、合わない格好ないのでは?????
というわけで、もでぃふぁいど はこんな格好が基本ユニフォームになりつつあります。
ウールのシャツに、scyeのチノ。ぶっちゃけ春でも秋でもいけちゃいそうな格好です。
季節感があいまいという点でオシャレとは言えないですが、とにかく着心地が良い&ケアが楽3点セット。もうなんでもええのよ、着心地良くてケアが楽なら。
で、なんで合わせやすいかって、まず合わせに困らない黒なこと。んでもってシアサッカーなのでベッタリしすぎない抜け感。かと言って前開けておけば必殺の赤チェック「フレイザータータン」で地味にならないこと。
タータンチェックは、本来は特定の氏族に属することや忠誠を誓った人々が使用されるのを許される模様です。フレイザータータンは1940年にバラクータがラヴァト卿から使用を許可されて以来アイコンになっています。
これ、赤に緑とにけっこう派手なので、もでぃふぁいど にとっては表地が黒で地味なくらいでちょうど良かったと感じています。インナーやボトムスにしても、ベーシックなものと合わせておけばとりあえず良い感じになる、という点でもGood。
ドッグイヤーの名で知られるチンストラップつきスタンドカラーも、インナーがシャツだろうとクルーネックだろうと合わせやすいです。
寝かせる、立たせる、留めるなど、気分次第で襟のアレンジができるのもよいところ。
また、革靴好きからすると、このくらいカジュアルなアウターの方が、かしこまりすぎず日常使いしやすい、というのもあります。
他で紹介されてない、たった1つの推しポイント
というわけで、
- 着心地が良い
- タフでケア気にしなくてOK
- 他の服に合わせやすい
というアウターとしての基本をガッツリ押さえたことで、ヘビーローテーションされることになったバラクータG9の魅力、伝わりましたでしょうか?
とはいえ、ラグランスリーブとか、アンブレラカットとか、ドッグイヤーとか、Webの大海を探せばどこにだって書いてあります。
もでぃふぁいど が推したいのはそこじゃない!!
じゃあどこかと言われれば……ここ……!!
わかりますかね?でも、わからないのが良いことなんです。
というわけで、拡大して、ここ!です!!
裏返すと、こう。ん?なんだこれ?
そう、これ、タグを隠すためのポケットなのです。中にはこの通り。
プレタポルテである以上、このタグの表示は必要です。ISOかなんかで標準化されてるのか知らんですが、ちゃんとどこの服買っても同じマークが書いてありますね。
リーバイスについてくるタグなんて、束ねたらもうジーンズの生地より厚いのでは??というレベルでたくさんついてたりします。(グローバル企業ってたいへん……)
そして、どんな有名デザイナーがデザインした、クッソたっかい服を買ったとしても、裏地やらポケットの中やらに潜む、この白いタグ。
ポケットの中にしてもハンカチ出すときにいっしょにピローンしたりするので面倒です。
……で、このタグ。
まぁ、カッコよくはないですよね。
こんな華麗なフレイザータータンをあしらっていても、タグがピロンと出てたら、ねぇ?
でも、世の中の服ってみんなそうなってるし……。
しかし、そこに真っ向から抗ったのがバラクータです。
じゃ、ポケットつけて隠しましょか?って発想自体は単純です。
でもさぁ!
だってさぁ!!!
こんなんどう見てもコスト増じゃないですか!!!
いぇーい、原価低減の会議だよォ、皆んなでなんかアイデア出してこ〜!とかやったら、3秒くらいでメンバー全員から指摘されそうなコレ!!残ってる!!!!
気になる人は切っちゃうだろうし、もう良いんじゃないですかネ?とかいう結論出してもおかしくないのに!!残ってる!!!!
しかも、ネットの海を彷徨ってみても、誰もこのタグを隠すポケットをわざわざつけると言うバラクータの美学に触れてません。
誰にも知られず、しかし2020年代になってもこの美学を貫き通しているバラクータに、もでぃふぁいど は惚れ(直し)たッ……!!!
アンブレラカットだ、ドッグイヤーだというのは、コスト減とか言って不採用にしたらG9じゃないよね、と批判が殺到するのでやらないのは当然です。
でも誰にも注目されてないディテールなんて、削除したってブランドイメージに大して影響ないじゃないですか。
えらい、えらいよバラクータ……!!
んで、この段になるまで、「バ◯アーみたいにどこか海外の工場で作ってんでしょ?」と思ってたら、このモデルはメイドインUKでいやがる……!!
調べてみたら、モデルによってUKだったり他の国だったりいろいろあるようです。
ただ、冒頭リアムギャラガーとか言っといて「でもどうせこのG9は英国の地を1度も掠めてないんだろ?」とか思ってたんですがとんだ間違い野郎でした。すまん。
その他バラクータG9の推しポイント!
その他、ジッパーもオリジナルで3年間1回も不具合ないところとか、そもそもダブルジップなのもグッドです。
また、実は内ポケットは裏地と柄がちゃんと合わせてあるところもこだわりポイントです。高級シャツのようなディテール。
いや、マジで精密すぎるのか柄ゆえか、この距離でもわかりづらい。
ちゃんとポケットになってます。
さらに、ボタンがオリジナルでええ感じとか、
バラクータG9、推したいところがいっぱいです!!!
Britain’s best rainwear since 1937と、タグポケットの中のタグにだけ書いてあるのも奥ゆかしてくて可愛いですよね。いいんだッ…オマエがNo.1だ!!
そんな最高が各所に詰まった一生の伴侶候補バラクータG9、1着いかがでしょうか?
Britain’s best rainwearの割にお求めやすい価格なのも良いところです。
今日のモディファイ!
3年着てきてようやく記事を書きましたが、あらためて細部を見て惚れ直しました。
バラクータG9、世界中の79億9,999万9999人が着なくなっても、もでぃふぁいど は着続けます!!