J.M.WESTON310セミブローグオックスフォードに捧ぐ

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ついに持っていない靴について書き出しちゃったよ。

J.M.WESTON310は2019年末で廃番!!

というわけで、ウエストンのセミブローグ、310は年内で廃番です。(その他、ローファーで廃番のカラバリがあったりします。詳細は上の記事へ!)

年末まではサイズがなくても定価でオーダーを受け付けてもらえます。が、年が明けてしまうとあとは在庫のみ…………。

https://www.jmweston.com

履き心地も良く、見た目もクラシカルなこの靴はきっとヒストリカルなマスターピースとなり語り継がれることでしょう。

持っていないですが!!!

そんなJ.M.WESTON310、そう、例えるならば……

彼女はそっとワイングラスをテーブルに置くと呟くように言った。

「もう、会えないと思う」

僕は改めて椅子に深く座り直したあと、ため息をすんでのところで飲み込んだ。

「どうしてまた?」

「そういう潮目なのよ」

彼女は僕の目をジッと見て言う。その黒い瞳は僕の心を見透かすようだ。

生真面目な彼女の眼差しは今までにないほど真剣だった。彼女は本気らしい。

「遠くに行くの」

「会いに行ける?」

「たぶん無理。とにかく会えなくなるのよ」

ふと外を見やれば、桜の花びらが風に舞っている。あの花びらたちは、毎年一体どこへ消えていくのだろう。

気づけば彼女も通りを眺めていた。お気に入りのロゼを傾ける。端正な顔立ちに儚げなピンクがよく映えていた。ここじゃない、どこか遠くを見るような彼女の面持ちを今でも覚えている。

一言二言、ポツポツと言葉を交わしたあと、僕らは会計を済ませると店の前であっさり別れて歩き出した。

少し歩いて振り返ると、彼女はまだ店の前に立っている。会釈して小さく手を振ったそのとき、彼女が声をあげた。

「ねぇ!」

「なんだい!」

彼女は何かを言いかけるように口を開いたが、言葉が紡がれることはなかった。

小さく首を振って、思い直したように言う。

「……なんでもない、忘れて!じゃあね!」

踵を返して歩き出す。彼女がその先の角を曲がってしまうまで、僕はその場に立ち尽くしていた。彼女が折れた路地から風が吹き返し、花びらが舞う。なびく黒髪が脳裏に浮かんだ。

地下鉄のぬるい空気が眠気を誘う。分厚いコートのポケットに両手を突っ込み、目を閉じる。

最近考えごとをしていると、浮かぶのは決まって彼女のことだった。

もう終わったことだろう?

自問しても答えは返ってこない。

あのとき彼女が言いたかったこと。そして僕に言ってほしかったであろうこと。

あれから彼女とは会っていなかった。たまに連絡しようと思いたっても、最後の一歩が踏み出せないまま年の瀬を迎えようとしていた。

自惚れかもしれないけれど、彼女は幸せにしてほしい、とただその一言を切り出せなかったのではないか。

それをわかっていながら、僕にはどうしてもその一言が言えなかった。果たして僕がその言葉を言えたとして、本当に彼女を幸せにできるのだろうか?彼女の未来の幸福について責任を持てるだろうか?

彼女も僕の性分を知っていたはずだ。私のことだけを見て、なんてとても言えるはずがなかった。

いったい何が本当に彼女のためになるのだろうか?彼女には幸せになってほしいけれど、僕以外にも良い人なんていくらでもいるだろう。

それでも、このままで良いのか?

そんな考えが頭をもたげる。

彼女は彼女なりに、今まで精一杯アプローチしてきたのだ。それを知りつつ、目を逸らし、逃げてきたのはいつも僕の方だった。

もう、間に合わないかもしれない。

もう、彼女は僕に愛想を尽かしているかもしれない。

それでも。

今こそ。

今度今こそは今日ばかりは。

次の駅で地下鉄を降りると、僕は電話を耳にあてた。

今日のモディファイ!!!

というわけで、310が買える(オーダーできる)のは2019年末までですよ!!!

とはいえウエストンのお店が年末までやっていない可能性もなきにしもあらずなので気になる方はお店へGO!!

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