デジカメ!……に限らずなのですが、今回はオートで明るさを調整してくれるカメラを前提に書いていきたいと思います。
デジカメの弱点!!
今回はあまり写真用語を使わずにシンプルにいきたいと思います。
写真の明るさは、撮影時に3つのパラメータを動かすことで調整するのですが、オートで明るさを決めてくれるようなカメラでは特に気にしなくて大丈夫です。iPhoneなんかだと、もはやデフォルトのカメラアプリでは人がこのパラメータを直接イジることはできません。
でもキレーな写真がスパスパ撮れるんだから、ひとまずコレで良い気がします。
が、オートのカメラの頭脳には致命的な弱点があります。
明暗と白黒の区別がつかないのです。
例えばこういう黒い革を撮った写真があります。
人が見ればこれは黒いものを撮った写真だとわかると思います。
でもカメラは黒いものを撮ったのか、暗いところで撮ったから黒くなったのかわからないのです。
カメラは失敗を避けたい!!
オートで撮った写真が失敗写真ばかりだと役立たずになってしまうので、カメラは失敗を避けようとします。
ここで言う失敗とは、白飛びと黒潰れです。
白飛び!
白飛びはこんなやつ。もはや明るすぎて完全な白でしかないやつです。
こういう写真は後からいくら明るさを調整しても、白飛びした部分は真っ白なままです。
画素に「ただの白」としか情報が残っていません。
黒潰れ!
黒潰れは逆です。暗すぎて真っ黒のやつ。
これも画素には「ただの黒」としか情報が残りません。いくら明るさを上げても何も見えてこない部分になってしまいます。
例を挙げたいところですが、デジタル写真は暗部に対してめちゃめちゃ粘るので、一見黒潰れしていても、明るさ限界まで上げるとまるで心霊写真のようにディテールが出てくるのでだめでした。笑
デジタル写真は暗めに撮れ(現像で明るく調整するのは簡単)なんて言われたりしますね。もう言われない?古い??
ともかく、オートのカメラは白飛びと黒潰れを避けたいのです。
カメラの対応策
先に見たようにカメラの頭脳は、明暗と白黒の判断がつきません。黒い部分が多ければ暗いと判断します。逆に白い部分が多いと明るいと判断します。
つまりですよ。
黒い靴をアップで撮る等、画面に黒い部分が多いシチュエーションでは、「暗いなぁ、もっと明るくしなきゃ!!」となってカメラは明るくなるようにパラメータを調整します。
逆に、背景が真っ白等、白い部分が多いシチュエーションでは、「明るいなぁ、もっと暗くしなきゃ!」と暗くなるようにパラメータを調整します。
つまりカメラは、極端に言うと白でも黒でもグレーに写るくらいの明るさに調整しようとします。
先のこの写真なんかはまさに、黒い革が明るく写ってしまってますね。実際はもっと黒々としています。
じゃあどうすればいいのか。
明るさを調整しよう!!
というわけで撮影時でも、撮影後でも良いのですが肉眼での見た目に近づけるためには明るさを調整する必要があります。
黒いものは暗く!!
黒いものを撮ると、不必要に明るく撮れます。
なので黒いものは暗く調整します。
先ほどの写真を暗く調整してみました。
前の写真より、肉眼で見た黒い革に近付いたと思います。(ちょっとやりすぎたかも……)
ただ、これ見てからだと前の写真がずいぶんグレーというか、白っぽく見えませんか?
iPhoneやinstagramのように「シャドウ/影」という項目がいじれる写真編集アプリなら、これを暗めに調整すると靴がちゃんと黒くなります。(暗い部分の明るさをイジる項目なのです)
白いものは明るく!!
逆に白いものは、不必要に暗くされてしまうので明るくしてあげる必要があります。
白いものは明るくなるように調整しましょう。
iPhoneやinstagramでは「ハイライト」という項目をイジると簡単に変えられます。(明るい部分の明るさをイジる項目です)
ぎりぎり白飛びしないくらいを狙うと良いでしょう。
ちょっとシャープにしよう!
最近はカメラ側の技術も上がっているのでそこまで気になりませんが、基本的にデジカメは写真にわざとボヤかす処理をしています。(特殊なローパスレスカメラを除く)
だから、編集時には「シャープネス」というようなパラメータをちょっと上げてあげると良いかもしれません。ボヤかしたものをシャープに。
なんでそんなのが必要になるかというと……
という話は次から始まりますが、長いので飛ばしていただいても結構です。笑
デジカメの仕組み!
そもそもシャープネスの話はデジカメの仕組みに由来します。
もでぃふぁいど はデジカメって、見たまんまを写していると思ってました。
でもデジカメが吐き出す画像データ、これって実は(悪意ある言い方をすると…笑)カメラの頭脳が合成した画像なんです。
その仕組みはこんな感じ。
(1)シャッターを切ると、赤担当、青担当、緑担当の画素がたくさん並んだセンサーに光があたります。
(2)ウン千万と並んだ画素からそれぞれ、「このくらい明るかったよ〜」という情報がカメラの頭脳に届きます。
(3)カメラの頭脳はフル回転!!
「この部分は青くんが明るいと言ってるし、隣の赤くんも明るいと言ってる……でも緑くんは暗いって言ってるから……わかった!!紫だ!!!」
……というようなことを写真の端から端までやって(その他もろもろの処理を行い)
(4)画像が出てきます。
全然「真」を「写」してないよ!!なにこれ!
と、言いたいのですが、日々の技術の進化によりカメラの頭脳は天才的なので、だいたい人が見た通りの画像が写真として出てきます。
何よりシャッターが切れてから、プレビュー画像が表示されるまでの一瞬にこんな処理をしてるんだからヤバいです。
(一部特殊なセンサーを積んだカメラはこの例によらないこともあります)
再びデジカメの弱点
この処理方法には弱点があります。
基本的に隣の画素の情報をもとに色を推測していくので、モノの輪郭を描写するのは苦手なのです。
網戸やニット地などの細かく規則的な模様も同様です。こういうモノを撮るとモアレと呼ばれるモヤモヤや、偽色と言われる存在しない色が出てきちゃったりします。センサーが騙されちゃうのです。
なので、カメラ側で輪郭をごまかすために、画像を最後にボヤけさせています。
というわけで、シャープネスをちょっと上げてみよう、というお話に繋がるのでした。
こうなると「デジタル写真に加工すべきか否か」みたいな議論が無に帰す気がしちゃいます。
あとは肉眼で見えるのに近い状態にした写真にどこまで味付けをするか、ということになってくると個人的には思っています。
もちろん全部自由ですが!!
余談:フィルムもいいですよ
えぇ……なにそれ……感が抜けない方は、フィルム写真にハマると良いと思います!!
個人的に忘れられないのがこのデジタルで撮った写真と
このフィルムで撮った写真。
フィルムに比べると、デジタルがのっぺりして見えちゃいます。(そんなに高級でないデジカメと比べてなのでズルいですが…)
ちなみにたまたまモーターショーに行っただけで全然隼には詳しくありません。申し訳ない。
何せフィルムの残り撮影枚数を考えながら、魂込めてシャッター切る感じはデジタルでは味わえません。もでぃふぁいど は大したことない写真を量産しましたが。笑
カラーフィルムは感材が不規則にフィルム上に並ぶので、デジタル的な問題が起こりませんし、見たままのものを写していると言って間違いないです。モノクロはなおさらですね。
もう1度フィルムやろうかしら。
ちなみにカメラ界隈には広大なレンズ沼が広がっていますので、革靴沼の住人の自覚がある方は、まずライカとか近づかない方がいいと思います。
やめとけよ!絶対だぞ!!!絶対近づくなよ!!!
今日のモディファイ!
新宿マップカメラの地下でとりあえずタダで触れるからってライカのシャッター切りに行ったりしたらダメだぞ!!!イチコロだぞ!!!